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高村商事(熊本県玉名市)
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| 当社に来てもらえませんかーそんな創業者からの白羽の矢で松下電器の協力工場を辞し、平成5年に入社、2年後には工場長に抜擢され、今は社長を務める徳永曉(さとる)氏はこまめに客先の声を拾いつつ、それを現場に生かす機械好きの現場人だ。 「当社は昭和49年の創業だが、後継者がおらず、私が後を継いだ。再コート込みで2週間の納期をここ十数年間、ずっと守ってきた。私以下4人でエンドミル、ドリルなど工具種を問わず、あらゆる再研磨を手がける。月間本数でおよそ4000本」 商社ルートからのオーダーにも対応しているが、ほとんどが直需。再研工具の出来栄えを客先が評価して、熊本を中心に取り引数は150社にまで拡大してきた。四輪・二輪の車関連、半導体製造装置、樹脂関連、金型関連と、客先の仕事はバラエティーに富む。 「高硬度用、高速加工用の工具再研が増えてきた。ミスミさんとよく価格比較をされるが、結果的に棲み分けがなされている。性能勝負でしか我々は生き残れない」 上質な物を提供し受注を増やし売上げをいかに上げていくかが重要な課題になる。技術と知恵で、一品、一品を新品同等か、それ以上の出来栄えに仕上げ、評価を頂くことしかないだろうが、高村商事には再研磨に留まらない需要が発生してきている。 「再研の仕事を通じて、5、6年前からネジレ刃の面取りカッター、アリミゾ用カッターなど、製作ものの要望が出始めた。ワルターをはじめ、ほとんどのメーカーの設備を検討したが、色々調べていくとワルターの評価が一番高かった。昨年のJIMTOFにテスト品を持参して試したところ合格、翌日に仮契約した」と言う。 今年の4月にヘリトロニック・ミニパワーを導入し、トレーニングを経て6月から本格的に稼働を始めた。ちなみにオペレーターは、昨年12月に入社した新人。まったくの素人だったが、徳永社長の指導のもと、牧野フライス精機の「C40」で基本を覚え、実践的にミニパワーを修得してきたそうだ。 「これまでは断るしかなかった総型カッタなどの製作が簡単にできるようになり、仕事量が増えたほか、客先からの評価が一段と上がった。最近ではOリング用のアリ溝カッタを納入したところ『切れ味が良くてバリも出ない』と諸手を挙げて喜んでもらえた」 再研から製造への業容拡大の『武器』に 今では「ミニパワー」の可能性に思いを託し、ユーザーに「宿題を下さ い」との要望を携え、営業に回る。単なる工具の再研業にとどまらない、製造を含めた業容拡大のアクションによって客からの満足度を高めていく努力を試みる。稼働からわずか半年でワルター機はすでに"武器"として活用できているようだ。
自動車関連の協力工場進出も視野に 「しかし、月間230時間の稼働で再研が8割、製造が2割の比重。100%使いこなせていないのが現状で、少なくとも1日、16時間は稼働させたい。もっとも、今後、ホンダやダイハツ、トヨタなどの協力工場が集積してくることが念頭にあるのだが・・・」 オペレーターの米井誠治さんは「アリ溝形状をいろいろ作ってみて、まさに無限の可能性を感じた。再研の場合でも研削スピード、表面のできあがりが従来機とまるで違う」と絶賛する。ただ、唯一、改良して欲しいと要望されたのがエラーメッセージで「英語で表示されるため、対応に手間取る」そうだ。また、その説明が中途半端なことも改善の要あり、と指摘する。 「今後は、アルミ向け、ステンレス向けに限らず、あらゆる工具製造を検討していきたい。客先に喜ばれつつ、内容の濃い仕事をこなし、順次、仕事量を増やしていく。そんなスタンスで地道に仕事をこなしていきたい」 現在社内では、新ブランド「グッドツール」を立ち上げ展開する計画も進めている。(写真:総型カッタも従来では出来なかった再研のひとつ) |
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石川工具研磨製作所(静岡県沼津市)
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工具の再研磨で実績を積み重ね、新作工具メーカーを志向していく、そんな再研メーカーが全国的に増えてきている。静岡県沼津市に生産拠点を擁する石川工具研磨製作所もその1例に数えられる。 自社ブランドや直需、流通を介しての特殊工具の受注が3割まで占めるようになり、工具メーカーの顔を持ち始めた。だが、昭和58年に工具再研事業をスタートさせ、来年には4半世紀を迎える同社は、再研業界のパイオニア的存在と言ってもいい。今でこそ省資源の発想が定着し、リグラインド事業は活況を呈しているものの「創業10年」を超える再研業社は100社にも満たない。創業者である石川正次社長は部品メーカーに勤めていた頃、外注していた工具再研の出来栄えに不満を覚え「もっと切れる再研工具を作りたい」との信念で独立、起業した。 受注の7割を占める再研の工具種は、超硬エンドミル(ボール、スクエア、ラフィングなど)が8〜9割とほとんどを占め、あとはドリル、カッタから成る。取引企業は全国数百社、新作を含め月産2万本体制を採る。 「工具の製造に着手したのはおよそ10年前からだが、現状は自動車向けのアリ溝カッタ、総型カッタ、段付きドリルなどの特殊工具や自社ブランドではエンドミルを製作している」と創業者の子息で営業技術を担当する石川直明氏が説明する。 将来的には「新品工具の販売に力を入れていきたい」-そんな"路線転換"を本格化させるに当たって、ワルター製工具研削盤「ヘリトロニック・パワー」を今年の1月に導入した。 「オペレーターのトレーニングが5月に終了し、軌道に乗り始めておよそ3ヶ月が経過したが、もっと早く導入していれば良かったと思う。例えば、30度の不当分割も難なくできるし、アリ溝カッタの製作でも従来機では溝を切ったあと、外周刃を汎用機でやり、また、底刃とラジアスをNC機でという工程分割を余儀なくされたが、ワルター機ならワンチャックで可能だからだ」 ローダーを付けて1日18時間稼働させている。「意外とトラブルもない。海外機にしては、と驚いている」とメンテナンス面でも好評価を下す。1ヶ月、何百本とある自動車ユーザー向けの特殊工具づくりを主に担っているそうだが「特殊工具を早く仕上げることに加え、さらに精度を上げていく使い方もパワーならできる」と言う。 ワルター機については"保険"の意味でももう1台設備したいそうだが、現状では課題や要望は特に出なかった。ただ、プログラム操作に当たって、その画面表示が英語であるため、日本語に代えて欲しい、そうすれば、さらに利便性がアップするとのコメントぐらいだ。 商社との動向PRでエンジニアリング的アドバイスも実践 「現在、取引している流通業者さんは、再研磨に非常に熱心で、同行PRでよく客先を訪問する。その際、刃型形状そのものの提案のほか、ワークによってはどんなコーティングとの組み合わせがいいか、現場を見ながらエンジニアリング業務にまで関わるようにしている」 営業業務は石川氏を含めて4人。再研を含めた数百社の顧客管理には限界もあり、営業所開設の計画がすでに持ち上がっている。 「しかし、営業所開設に先行して工場移転を計画している。静岡県の経営革新事業の一環に関わり、来年には移転が具体化すると思う」 新作が再研に回ってくることも多い。20数年に及ぶ再研の実績は、容易に再研の比率を落としそうにない。 |
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| 再研磨の詳細に触れると、工具種はボール、スクエア、ラフィング、テーパー、ラジアス、ハイへリックスの各エンドミルを筆頭に、バニシングドリル、サイドカッター、Tスロットカッター、面取りミル・カッター、リーマ、タップ、ドリルなど。他に段付き、テーパー、ボール、コーナーRなどの追加工も手がける。 標準納期は7日間。再研磨後のコーティングは7日から14日間とする。 |
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ホンダエンジニアリング
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| 本田技研工業(以下、ホンダ)グループの生産技術部門であるホンダエンジニアリング(以下、ホンダEG)。同社は、ホンダから昭和49年に独立したもので、企業として独立してはいるが、ホンダグループのものづくりの方向性を決める重要な部署だ。同社のP/T設備製造技術部、生産技術主幹の宮内正明部長に話しを聞き、ホンダの今後を探った |
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| 「生産技術」全てを与る同社が抱える案件は多い。宮内部長が担当するのはエンジンまわりやトランスミッション等、いわゆるパワートレイン部門のまとめである。今年度、同部門が抱える最大の仕事は、すでに決定しているカナダ新工場の立ち上げであり、現在はそちらのラインの企画や構想を行っている最中であるという。これ以外にも、国内で昨年から続いている、埼玉製作所、鈴鹿製作所のエンジン加工ラインを立ち上げ中であり、大詰め段階にある。 「ホンダの生産技術部門」と一言で纏めてしまえるが、新工場・新ライン・新機種等の計画段階から、ラインの設計、各種設備の設計・製作・据付等の取りまとめ、工具・ツール・検具・品質管理機器等の準備に続き、稼動開始後の諸問題への対応まで生産準備に関するあらゆる部門を統括している。 「現在、同社が埼玉県の寄居町?小川町に建設予定の新工場では、機械設備自体も含めて自社開発したラインを導入しようと計画している。予定では「地球環境面に、より配慮した工場にすべく、使用する設備等にも環境 に意志入れした自社製機械を用いたライン作りを予定している。また、ホンダのクルマ造りのノウハウを結集し高品質の作りこみが易しくできる工場にしたい」驚くべきことは、機械だけでなく、工具も自社で開発生産を始めていることだ。自動車メーカーが、である。ホンダが扱うたくさんの工具の中で、今はまだ研削・切削工具の一部のみで、深穴加工用のドリルやリーマ等の10種類程度というが、工具の独自開発により既存工具の加工スペックに妥協したライン作りから、設備投資をミニマムにできるライン構築へと生まれ変わってきているという。 「製造コストを下げる際に効果的なのは工程集約による設備投資削減。これまで、工程集約する為に我々が知恵を絞って機械を作っても、なかなかその機械でリーズナブルに加工条件を実現できる工具が存在しなかった。工具に対し独創的な着想があっても作る手段が無かった。この独創的な工具開発に解答を出す手がかりとして、今年1月にワルター製の工具研削盤『ヘリトロニックダイヤモンド (ヘリダイヤ)』を導入した。2月からの稼動だが、工具開発の初期段階から効果が現れてきた。今後開発されたツールは、各生産工場での採用が可能になるだろうと確信している」。 ホンダがラインを構築する上で重要視するのは「地球環境・エネルギー削減」と「混流生産・機種フレキ」を考慮したライン。 工場における環境要素といえば、電力消費、CO2、騒音、オイルミスト、工場排水などがあげられる。どれも大事で高い目標を立てている。特に重視しているのがCO2削減に繋がるエネルギー削減。目標を達成する為に、効率よくエネルギーを使用するラインを組むだけでなく、ラインに用いる設備や、機械に組み込まれているモーターやポンプ類、NC装置のエネルギーの削減も視野に入れる。機械や機械部品等を製造するエネルギーの削減にも気を使う。シンプルな考え方だが、それをやり通すのがホンダらしいと言える。 また、同工場では今までよりも高い次元で多種混流化をめざす。特長を持った車種を多数扱える工場にする予定。そうすると、車種に対するラインの対応性、当社で言う『機種フレキ性』が、これまで以上の高いレベルで求められる。一般的なNC工作機械を並べてジグ・ATC等で対応しようとすると、その設備台数は非常に多くなってしまい、設備投資削減も製造エネルギー削減もできない。工程計画、機械仕様決めの際にきっちりと作りこんでいかなければならない。従って、自社で機械作りも行わなければということになる」。 「新工場を企画し、新しいコンセプトに基づいてものづくりを行う際は、企画の段階から徹底して、何をすべきかと掘り起こし、大真面目に取り組み、大きな目標を達成する。これは我々のDNAでもある」。 「ヘリダイヤ」導入に際して、複数の工具研削盤メーカー製品を比較検討して選んだという。前述のように大きな期待を持って導入に踏み切ったようだが、結果には満足しているという。「試作の段階でも、特にダイヤモンド工具が希望通りの形状になっている。ただ、開発していく中で、欲しい工具の全てが作れるわけではないことも判ってきた。もう少し長い刃物が作りたいが今はまだうまく作れない。また、工具加工用NCデータの作りこみの容易化や機械の操作性が、もう少し改善されると良いと感じている。ユーザーインターフェースの部分に改良の余地があるとも思う。ファナック搭載機が出ると聞いているので期待したい」。 【後記】 工具の開発点数も増やしていく為に、ワルター機をもう1台、導入することも考えているという。開発だけでなく、工場での量産工具製作用にもということらしい。工場内には、「ヘリダイヤ」に並んで測定機「ヘリチェック」も並んでいた。品質保証の観点も当初から織り込み、同時発注をかける辺りは抜かりない。ホンダEGの工具に開発にかける思い=工場の作りこみに対する思いがひしひしと伝わってきた。 |
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工研(神奈川県座間市)
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| 切削工具の再研磨で知られる工研(本社・神奈川県座間市)は3月から北上営業所(青森県)の業務をスタートさせる。ユーザーは全国に大小合わせておよそ760社。顧客としての地域密着型を目指し、今後、6〜7年の間に群馬、埼玉、千葉、長野のほか、愛知、九州方面にまで、エリアを拡大し、およそ10営業所の開設を目指す。北上営業所はその遠大な計画の第一弾であり、2年以内には近くの座間工業団地に製造拠点を移設、拡大する計画も進んでいる。すでに品質の安定、人材の育成などの手順を盛り込んだISO9001を認証・取得ずみ。工具づくりの生産設備は牧野の汎用機C40からスタートし、看板となるNC機ではワルター製がメインを成す。比留川社長に「工具づくりの将来図」を聞いてみた。 |
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| 創業は平成5年。しかし、町の「研磨屋」さんに2ヶ月、独立直前に別の会社にアルバイトで3ヶ月、研磨の仕事に携わった以外経験は皆無。それまで従事していた仕事はグラビア印刷の業務でまったくの門外漢だった。再研磨の仕事は目で見て覚えたそうだ。 「牧野のC40を2台、他にフジタのドリル研磨機、シギヤの円筒研削盤を設備して創業。半日、営業に出ては頂いた仕事をこなすのに半日、という繰り返しを2ヶ月。当時はハイスドリルの再研磨が中心だったが、バブル崩壊後、再研磨の需要が増加し始めた頃だった。もちろん、当初は商売にならず、蓄えを切り崩して生活をつないだ」そうだ。 客先から客先へー地道な実 績の積み重ねは人を動かし、需要の拡大とも相俟って、1年過ぎた頃にはアルバイトをしていた会社よりも仕事量で追い越した。創業3年目の平成8年には「再研磨だけでなく、新作も手がけては」との周囲の助言を受け入れ、NC機の導入を検討。「R精度=NC機で研削」の感覚を持ち始めた頃でもあった。第一号として米のユニソン製工具研削盤を設備したが「まるでじゃじゃ馬に乗っているような感覚。アメリカ人とはものづくりの感覚、考え方の違いを思い知らされた」と言う。今では「ある程度、乗りこなせるようになった」ものの、NC機の2台目を設備する際はワルターか牧野かに絞られ、結局「総型のプロファイルができるなら」と言う理由でワルターに決定し、平成10年にヘリトロニックパワーを導入。さらに昨年11月にはミニパワーとヘリチェックを各1台設備し、既設のリグラインダー(ローダー付き)と合わせNC機はワルター製にシフト、2月にはさらにヘリパワーダイヤモンドを据え付けた。また、機械のコンディションを維持、品質向上を目指すため、全集中型濾過システム「ノボテック」を導入している点も見逃せない。 「ミニパワーはシミュレーションシステムが客先で興味を持ってもらえる。95%まで砥石の干渉がわかるので、テストグライディングを不用にしつつある」 「再研磨の延長線上で新作の仕事を頂けるようになってきた。既製品に手を加えるのを我々は得意としており、たとえば廃材を活用して新作を作って、との要望にもチャレンジしてきた」 再研磨と新作の比重は7対3。双方合わせて月間2万本前後を製作するが、最大で2万5千本を作ったことも。「その時は、てんやわんやだった」(比留川社長)。それでも再研磨の納期は1週間と"急ぎ対応"に腐心する。 「生産拠点として、今の本社工場はすでに満杯の状況。08年までに座間工業団地に移転して、700坪の敷地に400坪の建坪で新工場を建設する予定。中期計画で年間売り 上げ10億円〜12億円という絵を書いた」 営業専任は6人いる。「小さいながらもメーカーを志向する」という比留川社長の事業計画は、営業拠点と生産拠点それぞれの拡充へと向かわせ、6〜7年後には、10営業所を通じて顧客ニーズを座間の新工場にフィードバックする体制が整う。 「刃物の小径化の動きがさらに増してくる。ワルターから今秋にもプロデュースされる予定の『スーパーミニパワー』がいいと判断できれば導入を検討したい」 と次期の設備の具体化案がすでに浮かんでいるようだった。 |
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川野辺製作所茨城工場(常陸大宮市)
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| 戦後、本田宗一郎に惚れ「ホンダの仕事をやりたくて会社を創立した」創業者。その後を次いだのが2代目の川野辺俊彦現社長だ。 昭和30年代前半、イギリスの「マン島」の二輪レースでホンダが1、2、3位を独占した。その時、メンテでホンダのスタッフはすでに川野辺の工具を持参していた。再来年には創業50周年を迎えるが、その志をしっかりと守り抜き、本田技研工業及び関連企業からの100%受注生産の特殊切削工具を手がけており、メインはカッタとリーマのロウ付け工具。二輪、四輪を含めたエンジンの加工に使用されるのが大半だ。素材は超硬とダイヤだが、自動車の軽量化に伴い、アルミの採用の増加に従ってダイヤ関連の比重が拡大。現状では4割を占めるまでに。「この5年の間に、ダイヤの需要がいっきに高まってきた」(田中賢一工場長)のが実情で、今後もその伸びが予想されるため、茨城工場では増設の工事(第三工場)が始まり、12月からはホンダ向けの、当面、ダイヤに特化したアメリカ工場が稼働に入る。従来からNC設備と言えばワルター製工具研削盤オンリーのワルターユーザー。ロウ付け工具製造という特徴もあり、他のメーカーも検討したが、ほとんど役に立たない」(川野辺稔生産技術課長)と言う。本社と茨城工場を訪ね、工具製造に関わる考え方を含め、これまでの経緯と現状、将来展望を川野辺社長、田中賢一工場長、川野辺課長に聞いてみた。 |
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生産能力を超える受注量を今後、どうこなしていくかー第三工場の建設着手とアメリカ工場稼働スタートは、ホンダからの要望を軸にものづくりを展開してきた同社が出したひとつの答えだ。1ロット1本〜5本が大半、多いときでさえ30本という世 界。「ワルターのマシンを導入してわかったことだが、小ロットでもNC機の活用が大切だということ。技術を機械に置き換え、品質を平準化する。一品一様の世界の中で、技能集団との評価を今後も得ていくには、マシンを使いこなしていく能力と、そこで蓄積されるノウハウを積み上げていくことが避けられない」 と川野辺社長は言う。 現状の設備内容を見ると、NC機はすべてワルター製で、ヘリパワー1台、ミニパワー2台、ヘリパワーダイヤモンド1台の計4台で超硬とダイヤを手がけるが、いっそうのダイヤシフトをにらんで11月にはアメリカにヘリパワーダイヤモンド1台、来年には第三工場用としてもう1台設備する計画を持つ。一方、汎用は牧野製C40が5台、すべて超硬関連の加工に活用される。 「現在、納期はダイヤ関連で90日、超硬関連で60日。受注ベースに生産ベースが追いつかない状況で、工場の拡張とあわせ、ダイヤチーム、超硬チームを編成するなど、体制としても効率化を追求し、短納期対応を図りたい」(田中工場長)。 ワルター製工具研削盤との出会いは平成6年。機種は「ヘリ45」というマシン。日本に入ってきた最後のものが導入されたように思う、と田中工場長。 「当時、ロウ付け工具の加工が出来るNCマシンを前提で検討してワルターマシンの購入を決めた。が、半年間はトラブル続き。担当者の方も必死に面倒を見てくれましたが、ソフトを生かすためにも平成8年に改めて設備を計画し、今度はヘリパワーを購入してみた。が、逆に、速さ、段取り時間など、非常に優れていることにびっくりし、ファンの一員になった」(川野辺課長) 結局、途中、欲しいと言う人が現れたため「ヘリ45」は売却。 というのがワルター製工具研削盤にまつわる初期の経緯だ。 その後、生産技術の責任者である川野辺課長がミニパワーの購入に関連して立会いのためドイツ本社を訪問。 「ミニパワーの購入で顔を出したにもかかわらず、本社工場ではヘリパワーダイヤモンドの試作機を作っていたのが目に留まり、買いたくてうずうず。販売されるやすぐさま、手を挙げ、国内導入第一号ユーザーになった。しかし、期待に反してトラブルの連続。ソフト面で満足していたが、パソコン関係がまったくダメで、立ち上げ時は苦労した」そうだ。 現在、ヘリパワー1台とミニパワー2台に2人の専任が付き、安定した仕事をこなし、ヘリパワーダイヤモンドには新人を含む3人がトレーニング中だそうだ。 「ワルタージャパンへの要望としては買った後のフォローに尽きる。まだ、新しい体制とはいえ、ユーザーとしてはやはり期待したいところだ。ダイヤ需要に呼応して茨城工場とアメリカにヘリパワーダイヤモンドの購入計画をそれぞれ進めているが、長期で見た場合はミニパワーのリピートが中心になってくる。優れたマシンであるばかりか、省スペースが購入側から見ればポイントになる」 |
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和光技研工業・ツール事業所(愛知県刈谷市)
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| 「これから工具は超硬へどんどん切り替わる」-ある人の、そんな助言を受け入れ、80年代初めに超硬工具事業部を発足させた和光技研工業。自助努力は当然としても、その助言を裏付けるかのように、ハイスから超硬へ市場の需要がシフトしていく中で、バニシング関連の工具づくりを中心に、再研磨にも手を染め始め、今ではスタッフ20人を擁する同社の「顔」に発展している。工具製作では売り上げベースで商社経由が6〜7割、近隣のユーザーからの受注が3?4割に分けられるようだが、ここ5年の間に「特殊もの」のオーダーが格段に増加。「ねじれ、多段付き、角度の厳しい精度ものと、特殊ものへの対応がこれからの業績の浮沈を決定付けると思われる。工具研削盤で特殊もの製作となると、ワルター製工具研削盤を名指ししないわけにはいかない」-と伊藤司ツール事業所長は特殊工具づくりでワルター製を高く評価する。事業内容の一端を紹介しつつ、ワルター製の魅力を聞いてみた。 |
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| ツール事業所のバニシングドリル・リーマはφ精度H7面粗度3Sを謳い「1本からでも請け負う。納期は2-3週間」がセールスポイント。 「最近の傾向ではストレートに近いものがほとんどなくなり、2段、3段、4段と、複雑な段付きが多くなってきた。また、径も細物が増え、φ10ミリからφ16ミリ以下が大半を占めるようになってきた」 段付き、ねじれ、小径化・・・しかも精度要求は高まる一方という状況に5年くらい前から直面するようになる。従来、段付きはワシノエンジニアリングのプロファイルで加工していたが、ねじれのきついものは和井田製も含めて対応できなかったそうだ。 しかし高精度の特殊も のができなければ・・・その観点から4年前、ワルターの「ミニパワー」と測定機の「ヘリチェック」を導入する。「ねじれの段付きの精度を上げていく、プログラムや考え方はそれまでは持っていなかった。アプリケーションを担当するへルド氏は夜遅くても駆けつけてきてくれたり、こちらの徹夜作業にも付き合ってくれたりして、特殊ものへ の自信がついた」 へルド氏の協力もあり、ミニパワーを使い始めて4年経った現在でもトラブルはいっさい発生していない。その信頼感が2年前、PCD工具の放電加工を実現させた「パワーダイヤモンド」のオーダーに結びつく。 「ワンチャックで放電と研削加工ができるこの機で、コンパックスツールのR、角度、つなぎの加工を手がける。ワイヤカット主体だったこれまでの加工時間と比べ大幅な時短と面粗度の大幅アップという成果を手に入れた」 と言う。だが、伊藤所長は、5年前にこの機が市場投入された時点ではソフト自体がまだ完成されていなかったとの感想を抱く。「最近、ようやく使いこなせるようになってきた」のが実感だが「特殊もので高精度が求められるものは基本的にワルター製を念頭に置く」方針はすでに固まっているそうだ。 そして今、新たにヘリパワーの導入を検討。段付きはプロファイル研削からワルター製へと置き換えていく、そのプロセスでもある。が、ヘリトロニックミニパワーはチャッキングをのぞき突き出し長160ミリ〜200ミリであり、長尺ものがこなせないというもどかしさを伊藤所長は隠さない。 「ワルターへの要望としては長尺ものができる機械の開発とドイツ本社同様、ハードとソフトを熟知したアプリケーションエンジニアの常駐を希望する。当事業所では将来的にコンパックスツールのアピールにも力を入れていき、超硬とダイヤを大きな柱に育てていきたいと考えている」 設備導入でアンカ製も検討対象になったようだが「ヘッドが重すぎた」し、機械はドイツというイメージを払拭するまでには至らなかったようだ。 |
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シー・ケィ・ケー(愛知県半田市)
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| 形状の特殊性、加工効率、長寿命-を差別化のポイントに掲げ、愛知県半田市を拠点に山口、山形の工場も擁する、超硬エンドミル生産で「オンリーワン工具」づくりに励むシー・ケィ・ケー(社長・澤田好伸氏)を訪問した。澤田社長がデンソーの関連会社で工具の研磨に従事していたサラリーマン時代に、THKの幹部から「独立しないか」と持ちかけられたのが創業のきっかけ。昭和58年1月のことだった。以来、THKからの仕事をベースに、現在は商社のブランドもの、メーカーのOEM、自社製品を3本柱とする事業展開を見せる。航空機関連、部品加工分野も手がけるが、メインは金型ユーザー向けの味のある工具づくり。スタッフ45人で年商6億5千万円を稼ぎ出すが、この過程で活躍する設備の中心は言うまでもなく工具研削盤だ。澤田社長と次代を担う澤田秀司専務に同社の現在と今後を語ってもらいつつ、工具研削盤各社の評価を聞いてみた。 |
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| 受注生産が8割と、常に開発型の工具づくりを求められる同社で腐心する点は@形状の特殊性A加工効率B長寿命-の3点。 「大手工具メーカーと同質のものを手がけていてはダメ。個々のユーザーが求める特質に合わせた工具づくりが中心なので、より良い素材を求めて海外から購入することもある。工具研削盤は、宇都宮製を皮切りに、ワルター、牧野、ロロ、アンカを設備している。設備が3種類あるとすれば、3通りの仕事ができなければ意味がない」 と各社の機械の持ち味に澤田専務は期待する。 φ0.1ミリからφ20ミリまで生産できる体制を整えており、月間、1万本を製作している。 設備台数で最も多いのがワルター製で、本社と山口工場を合わせて5台を数える。 「工具づくりでは標準的なので、オペレーターにとって使いやすい。担当者も一番多い。標準品に特化し、内容 が集約されている点が評価できる一方、自動化チャッキングシステムに課題を残していると思う。製品精度に直接、反映するため、ここでの安定がカギを握る」他社の特長と使用状況を概観すると、宇都宮はドリル、牧野はエンドミルの再研削で、アンカは特異性のある刃物、ロロは量産に向いていると言う。 「各社の研削盤はそれぞれ長所と短所を持ち合わせているので、一社でいい刃物づくりはできないと考える。しかも2台以上ないと『保険』がきかない。今後の受注の方向性を眺めたとき、量産が中心になってくるので、工場の志向としては自動化がテーマに挙がっている」 月間製作本数は1万本だが、この1年くらいのうちに「2万本体制」に引き上げると言う。山口工場の増設が夏には完成し、研削盤2台を新たに導入する。 ワルターについてはスキルアップのために工具測定機である「ヘリチェック」も導入。品質保証の中心に置く。新製品のビジョンでは、新たなソフトが開発されているが、その点で「ワルタージャパン」の能力が問われているとも。 「シュライフリンググループの傘下に入り、今後の展開が分かりやすくなったとでも言うか、トップの中村社長の言葉は明晰。今後、人をどのように育成し、ジャパンそのものの底上げに貢献できるか、ある意味で楽しみにしてもいる」 |