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再研のミサ篠原(群馬県高崎市)

 

工具種はドリル、エンドミル、サイドカッタ、リーマ、タップ

「新品以上の性能」求める声が顕著に
「NC機で無限の複雑形状づくりに魅力」
 依頼された仕事は断わらないをモットーに、超硬、ハイス、CBNと素材はもちろん、工具種もドリルをはじめ、エンドミル、サイドカッタ、リーマ、チップ、タップといったバラエティーに豊む工具の再研を手がけるミサ篠原。92年に「新品同様の再研がしたい」との思いで創業した篠原貞ニ社長は、以来、商社ルートを通じて依頼された工具再研に取り組んできた。
 「再研のほか、径修正や、段付きなどの追加工の要望にも応えている。私自身は汎用機をベースにした再研が好きと言うか、治具を製作して新品同様の"再生"に挑戦することそのものに魅力を感じている」
 例えば、複雑形状の特殊刃物など細かい当たりや逃げ角をどうするか?その解決を見い出す治具を考えていくプロセスが篠原社長にとって非常に興味深いと言う。
 「しかし、将来を見据えるなかで汎用機をベースとしながらも、汎用技術者の習熟に合わせ、NC機に置き換えてきたのも事実。00年には牧野フライス精機製工具研削盤CNJ2を導入して、汎用のC-40との使い分けをしながら再研を手がけてきた」
 しかし、導入した牧野製CNJ2が対話式ではなかった為、次にNC機を入れるなら対話式と決めていたと言う。牧野製NC機に不具合がある訳ではなかったが、ある日、宇都宮製作所の営業マンに出会い、ソフトに関わる説明を受ける中で「操作がやりやすそう」との考えに至り、意気投合。翌年の01年にはさっそく「TGR-100」を導入することになった。
 「予想通り、使いやすい。ソフトの内容も充実している。機械剛性も高く、安定した品質も確保できる。加えて宇都宮さんの営業、技術のスタッフの対応も申し分ない」
 『NC機なら宇都宮の工具研削盤』の始まりだった。以降、TGR-200を3台設備し、計4台のNC機が宇都宮でラインナップされている。母材を手当てし、特殊刃物の製作を請けるようになったのも、これらの設備導入が寄与しているそうだ。
 「再研は月産でドリルが8000本、エンドミルで2000本、サイドカッタやチップ、リーマ、タップなどを合わせると1万2千?3千本はあると思う。再コート込みで2週間の納期だが、この間の傾向として短納期対応のニーズが顕著になってきている」
 新品以上の性能を求める要望が挙がってきたのも最近の傾向だと篠原社長は付け加える。「再研にとどまらず、よりいいもの」に対応して刃形を変える試みもTGRを駆使して展開してきた。前述の特殊刃形の製作にも見られるように「再研を通じて新作の試み」は、全国的にも流れになりつつある。そのひとつの武器として再研の現場でも「製作用の」工具研削盤の導入が図られていることを指摘できるだろう。
 治具に加え、測定器もすべて自社製作していることもこの現場を特徴づける要素として指摘したい。刃物の形状をはじめ、角度や段間の測定がより簡単に行えるよう工夫されているそうだが、「誰にもお見せすることはできません」と篠原社長は首をタテに振らない。ノウハウの蓄積を具体化した、その証でもあることがヒシヒシと伝わってくる。
 「後継者が見つかったことが、今年2月にTGR-200を2台同時設備した直接の理由だが、当社はまだまだ下積み、ノウハウの蓄積途上との認識をもっている。商社さんから頂く仕事をこなし、100%の満足度をキープしながら、将来への可能性を見い出していければ」と篠原社長は謙虚に締めくくった。





加藤精工(新潟県魚沼市)

 

超硬の特殊ドリル中心に、エンドミル、リーマ、座ぐりカッタ

味ある工具づくりで四半世紀

 
ドリルの全加工のきれいさは実証済み〜入力しやすいソフト、太物の加工が速い高剛性スピンドル〜
「溝入れから刃付けまでの全加工をこの機1台で」
 特殊ドリルなどを中心に味のある超硬工具づくりで定評のある加藤精工を訪問した。昨年6月に工場を現在の魚沼市青島に移転し、わずかこの1年の間にスタッフを6人増員して「25人体制」とする一方、NC工具研削盤では小出、牧野、ワルターに続き、宇都宮製作所製のベストセラー機である「TGR200」をこの3月に導入して「全加工を中心に置く」方針を具体化させつつある。
 「納入・据え付けまで1年ほどかかったが、待った甲斐があったというか、噂に違わぬ良さを実感している。扱いやすさ、修理への即応、さらに営業マンの方にもまめに顔出ししてもらい、機械を扱う上での"安心"を与えてもらっている」と加藤兀社長が語る。同じ新潟の十日町という"隣町"に、宇都宮製作所の工場があるといった利点も大きいだろうが、導入間もない工具研削盤TGR200はもちろん、宇都宮製作所スタッフへの評価は高い。
 現状の仕事内容は超硬の特殊ドリルを筆頭にエンドミル、リーマ、座ぐりカッタと続く。
 昭和54年、およそ20年間勤めていた、リーマの製造で知られる栄工舎を退社し、創業3年くらいは出身の栄工舎からの仕事を請けていたが、その後、超硬工具の仕事に手を染めるようになっていった。
 「栄工舎ではずっと工場勤務で主に刃付けの仕事をしていた。製造部門が一部、昭和45年に新潟に移転され、その2年後には全面移管された。いろいろお世話になったが『自分でもできるのでは』と思い、新潟の地で独立した」
 自宅の車庫を活用してのスタート。そして平成元年に小出エンジニアリングという、大阪にある工具研削盤メーカーに初のNC機を発注する頃には、3社からの受注にもかかわらず仕事量に恵まれ、その翌年には牧野製2台を設備することに。
 「東京の蒲田で野球をしていた頃の仲間が仕事を出してくれた。これも回り回って栄工舎とのご縁だった」
 今では特殊モノ5〜10本程度請けるのを基本としつつ、取引企業で見れば100社にまで拡大した。そのОEМ先の代表例はイシイコーポレーション、ハマツール、タンガロイという。今回の宇都宮製作所製TGR200は、3年前にエンドミルのネジレの総型を作りたいとの考えから導入したワルター製ミニパワーに次ぐものであるが、故障などに備える"保険"の意味もあるそうだ。
 TGR200に対するオペレーターの話をまとめると「入力しやすいソフトが大変気に入った。ドリルの全加工がきれいにできるうえ、スピンドルに剛性があるので太物の加工が速い」となる。導入から1日11時間、ほぼ休みなしで稼動させているそうだ。
 「とにかく溝入れから刃付けまで、この機械1台でやっていく全加工を中心に考えていく。そしてその成果を見ながら2、3年後にはもう1台増設できればと思う」
 昨年6月、手狭になった工場を閉鎖し、この青島に拡張移転して以降、人員もこの1年で6人を新たに雇用し、25人以上の体制を敷いてきている。
 「刃付けも含め、一人前となるには5、6年はかかるが、将来性を確立していくためにも是非、このハードルを超えていきたい」