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ユーザー通信45(17.10.1)号


セントラルファインツール(岐阜・恵那)


 機能部品に関わる「小もの、精度もの」のエンジニアリングプラスチック型を手がけるセントラルファインツールは、昭和57年の創業以来、一貫して付加価値あるものづくりを追求してきた。
 「創業当時はビデオデッキを起点にカメラ用部品へ、中国に生産がシフトし始めた90年代になると金属と樹脂、樹脂と樹脂といった金型の複合化に、そして、今、その最先端に複数部品をワンショットで成形・組み付けするアッセンブリ成形があ
る」
 グローバル経済のもとでは従来のような系列で安定継続受注は不可能と三宅和彦社長は認識する。
 「付加価値を追求する方策として、今では客先と一緒になって金型を中心とする工法開発に取り組んでいる。開発テーマを頂き、プロジェクト化して、ともに知恵を出し合う。すべてが具体化するわけではないが、複合化技術を応用した金型づくりは、中国では決して真似のできない工法に行き着く」
 残念ながらプロジェクト化の具体例は紙面にできない。精度の厳しい光関連の機能部品などで成果をものにしているそうだが、プロジェクトを起すには企画・設計が必要不可欠。だが、国内ではなかなか人材が集まりにくい。そこで三宅社長は国内との分業化を図る上で今年8月、中国・上海に着目しCADセンターを設立した。日本からおよそ2時間であり、しかも上海には「金型学科」を設けている大学が多数あるからだそうだ。
 「豊富な人材の中から、やる気のある若いメンバーを採用した。全員が新卒で現在は10人規模。だが、2、3年もすれば30人くらいに拡大するだろう。"力仕事"の詳細設計は上海で担当し、それ以前の企画、構想、設計を国内で行う。この連携をうまく生産にも生かして、金型のみならず、ユーザー先に提案してきた部品生産を軌道に乗せれば、事業の拡大のみならず、またひとつ、技術を深める場にもなる」
 企画、設計、CAD/CAMとくれば、次はマシンを使った加工となる。ソディックとは創業以来の付き合いで放電、ワイヤ、最近ではマシニングセンタも新たに"戦線"に加わった。もちろん、成形機はオールソディックだ。
 「ソディックさんは一口で言って独創的。機械に対するアイディアが豊富で何より人が面白かった。特にCAD/CAMに関しては初期の頃から開発を一緒に行ってきた。リニア放電は加工スピードはもちろん、形状寸法、シャープさが以前とまるで違う。マシニングセンタは従来機で5μmオーダーだったのが、昨年、導入したMC430Lでは2μmレベル。しかもX、Y、Zの各軸の再現性に優れている」
 だが、たとえ、いい機械を導入しても技能を積んだ人がいなくては話にならないと三宅社長は強調する。
 「機械ですべてはなし得ない。その前後には必ず、人の技能が介在する。ソディックさんに注文を付けさせていただくとすれば、たとえ、小規模でもそんな技能を持った型屋さんの中にもっともっと、入って頂いて、埋もれているかもしれない技能をマシンづくりに生かして欲しい。最終的にはものづくりは情熱だからだ」(写真:リニア放電は「形状寸法、シャープさが従来機とまるで違う」と言う三宅社長)



ユーザー通信43(17.8.1)号


小野金型製作所(栃木・下都賀群石橋町)

 「5年くらい前が生き残れるかどうかの瀬戸際だった」
 大手玩具メーカーを主な顧客とする小野金型製作所の小野利光社長はそう語る。一般の玩具は中国で、国内はマニア向けの精密な金型しか発注されなくなった流れの中で「新たな設備なしには仕事がこない」事態に遭遇した。
 求められるのはスピードと精度、腕(技術)だけでは立ち行かない。特に、顧客の競争力に貢献するためには品質はもちろんだが、スピードが「生死」を分かつと言う。
 「放電はソディックがいいとの評判から18年前にEPOC3を導入した。スパークしている時間だけでカウントしても現在までに3万7千時間使用している。今でも精度は維持しているが、この間、設備したリニア機のAQ325L、AQ35Lのおかげで3?5倍のスピードアップを図ることができた。その結果、仕事量が売り上げベースで40%くらい増えた」そうだ。
 「たとえば、従来、電極3本必要だった加工が電極1本で済むようになった。納期対応の速さは顧客先でも、びっくりしており、他の外注先にもソディックの設備導入を勧めているほどだ」
 今までは放電の時間を気にして見積もっていたそうだが、リニア機導入後は
「フライスより放電の方が早く、逆に"削る"方が面倒くさくなってきた」との感想を抱く。
 また、細くて深ものはチップのハケが悪く、加工そのものが無理だったが、リニア機の導入後は「難なくできる」ことから、断っていた仕事も請けられるようになり受注が増大。新たな設備が新たな仕事を運んできた。
 一方、電極づくりは今春、導入したMC430L2台で対応している。このリニアのマシニングセンタを活用する前の従来機では
「スピンドルの伸び縮みが激しく、工夫するにも一苦労」だったそうだ。
 「電極面は非常にきれい。面の品質も安定している。以前は、ペーパーで磨いたりしていたが、今はそうするとかえって汚くなってしまうほど。今後、どれだけ速く送れるか、どんどん試していきたいと思っている」
 携帯電話の電極は一晩で加工できてしまうと言う。切削はφ4ミリ以下の小径刃物がほとんど。すべて日進工具製で、マシニングセンタではさらにエロワ日本の自動化システムも構築している。
 「いい型をつくっておけば、成形屋さんが評価してくれる。ウチの型はほとんど"一発"で成形できる。成形品が出てきたときはそれまでの疲れが吹っ飛ぶ。いつもそれまではドキドキものだが・・・」
 と小野社長は笑う。息子さん3人も入社し、新規設備導入は「次」に備えるためにも必要だった。
 長男の小野修平さんは「最初は他の型屋さんにいたが、フライスを担当していただけ。入社して1年半だが、今、プログラムを組むときが一番楽しい。キャビとコア、スライドに分けるのがまるでパズルのようで、しかも分割そのものにノウハウがあるのでクリエイトな作業」
 と仕事そのものを楽しむ余裕も出てきた。

  「あと、4、5年もすれば状況はかなり良くなっていると思う。近くにある石橋の工業団地に移転して、本当の意味でこれからに備えていきたい」
 (取材メモ)小野金型製作所は昭和59年に創業、小野社長32歳の時だった。その当時、罫描き定盤が買えなくて金型の罫描きをフライス盤の上で描いていたそうだ。実家が農家で、独立1年目は仕事がなくてカンピョウづくりに「精を出していた」ことも。2年目からは車、弱電、植木鉢・・・と何でも手がけようになり、成形屋さんからの評判が高まるにつれ、客先が増えていった。現在はメインの玩具メーカーからの仕事が売り上げベースで8割、残りは、カメラ関係、車部品の型を手がける。
(写真:放電はリニア機の導入で加工スピードが最大で5倍にアップ 請けられなかった仕事もフォローできるようになった



ユーザー通信42(17.7.1)号


村中製作所(富山・小矢部市)

  昭和56年に創業、以来ソディックと共に歩んできた、村中製作所(富山県小矢部市)はプラスチック金型の製造を中心に、コネクタ、携帯電話・コピー機・自動車と多業種の金型を大物から小物まで請け負う。
 同社の村中邦夫社長は「以前から精密モノが増える傾向にあったが、最近では精密モノばかりになり、その増え方も極端」と話す。高まる精度要求は同社も例外ではない。
 現在同社では、スタッフ17人で、主要取引先3社を筆頭に2・5億円を稼ぎ出す。設備には、放電加工機の形彫り8台、ワイヤ5台、細穴1台に加え、マシニングセンタが1台と、計15台(内リニア機5台)のソディックマシンを採用、放電加工機はすべてソディック製となっている。
 リニアの放電加工機に対し、「動きが敏感で、寸法精度、面精度も良い、作業時間の短縮も図れる。アシスト機能も多いので作業も楽。ソディックの放電加工機に文句はない」と、村中社長は太鼓判を押す。
 「放電加工機に関しては、ソディックに太刀打ちできるところはない」
 と、ソディックに寄せる信頼も厚い。
 性能面で高評価が寄せられているのはやはり「リニア」。
 ボールねじ駆動のものと比較し、特に寸法精度、面粗度が秀でていると言う。たとえばマシニングセンタ「MC430L」と他社製のボールねじ駆動のものを比較すると、寸法精度で他社製の場合、3〜4ミクロンの誤差に対し「MC430L」ではコンスタントに2ミクロン以内の精度が出ると話す。
 その「MC430L」に対して村中社長は「ソディックは電気屋(放電)のイメージがあったが、マシニングセンタを使ってみて、その精度の高さにビックリした。ATCもあることから使い勝手も良い。よそでも私と同じ感想をもった人も多いのでは」と、率直な感想を述べた。
 X・Y軸の寸法精度がほぼ「ピッタリ」という評価ながら、Z軸に対しては、「温度変化などでスピンドルが伸び縮みし、深さ精度に狂いが生じることがある。そのため暖機運転が必要になる」との指摘も。
 リニアの放電加工機について、オペレーターからは「機械の動作がはやく、低振動、面精度が良いことに加え、LNアシストが付いているため、いろいろな加工の目安として使えるローラン種類が多く(シンクローラン、球ローランなど)簡単になり、新しい加工がしやすい」といった意見も寄せられた。
 同社ではひとりのスタッフが設計から製造までを担当し、製造工程では、ひとりで研磨、放電、マシニングセンタなどと、複数の機械を扱う。そのため同社のスタッフは多能工が揃っている。
 「メインとして担当部門・機械を数年かけて習熟、その後他でも同じようにする。人によってばらつきはあるが、組付け、仕上げ加工は全員ができるようにし、型が完成する最終的な部分までに、何が必要で、必要ではないのかを理解し、他の工程に活かせるようにしている」
 最後に村中社長はソディック評を「面倒見も良く、親身になってくれる昔気質な企業。アフターフォローの対応もはやい。当社がここまでやってこられたのもソディックの存在や、担当の植田部長のおかげ」と語ってくれた。現在のこの「win・win」の関係が続くことを村中社長は強く希望する。
(写真:ズラリと並ぶソディックの形彫放電加工機)




ユーザー通信41(17.6.1)号

下田金型製作所(埼玉・川口)

 昭和20年代半ばに下田将美社長は型業界の門をくぐった。
 「当時はすべて手仕事。図面を貰って頭の中であれこれ思い描きながら、夢中になって取り組んだ。やはり性に合う人、器用な人はいるもので、ヤスリだけで100分の1ミリまで出していた」そうだ。そして「よく儲かった」と、ひと呼吸おいて、下田社長は往時を懐かしむように噛み締める。
 埼玉・川口の、町工場然とした一角に「各種プラスチック金型」の看板を掲げる下田金型製作所がある。
 下田社長が川口で独立、創業したのは昭和37年で、モータリゼーションを控え、高度成長の波が押し寄せる黎明期。独立前から仕事の予約が入っていたそうで、ブローチなど、宝石類を入れるケースものの型づくりからスタートした。ソディック設立後、業界に先駆けて発売されたNC放電加工機をいち早く導入した"古巣のソディック愛好家"である。
 「揺動機能によって電極をいちいちつくらなくてもよくなったおかげで荒から仕上げまでの加工速度がぐんとアップ。ソディックさんのアフターフォローへの信頼はもちろんだが、この実績が放電加工機をソディック1本に絞った大きな理由」
 社長を含めスタッフ10人で年商2億円弱
の生業(なりわい)。メインの顧客は5社。IC用のトレー、自動車のドアミラー、灰皿、カップホルダなどの内外装関連、光学関連と請け負う仕事は幅広い。客先からのコストダウン要求は一段落してきたらしいが、精度要求、納期短縮に「上限」は見えない。そんな状況下、3年前にリニアモータ駆動のワイヤ放電加工機「AQ325L」を導入する。
 「スピードと精度、なかでも繰り返し精度の良さには脱帽する。制御表示では従来はコンマ3桁だったのに4桁まで表示されている。自信のほどが窺えるのも納得」
 とリニアに一目惚れ。ボールネジ駆動マシンにも補正機能はあるものの、劣化は否めないと言い、1年後には「リニア以外には考えられない」との結論に。
 「2年前にマシニングセンタも設備したいと思い、世評の高い安田工業製を検討した。しかし、ソディックさんにもマシニングセンタがあると聞き、しかもリニアモータ駆動とのこと。同社のマシニングセンタは未知数で不安もあったが、リニアの良さを体感していただけにさっそく発注した」
 機種は今、売れ筋のMC430L。電極をこの機でつくり、リニア放電で仕事をこなす。評判の良さを聞きつけ、新たにカメラの周辺部分の仕事も入ってきた。
 「バリが出やすい樹脂関連なのに一切ない。通常、3次元CAMのデータ通りとはならずバリが必ず出る。それをこれまでは調整していたが、MC430Lは出ない。キャビ、コアの合わせ面の素晴らしさもさることながら、時間短縮に大きく貢献してくれている逸品」
 およそ3万5千回転で、ATC交換も含めて1日24時間、連続7日間運転という使用状況だ。
 「無人運転で複数の刃物で次々と加工を行うマシニングセンタでは位置決め精度が最大の決め手。それには熱膨張を防ぐことが肝要で、総合的に見るとリニアモータ駆動に軍配が上がる。半分冗談だが、あまりこの機が世に出回らないことを期待している」
 と下田社長は笑うが、この点を後継者となる、設計を担当する下田浩士専務は「どんなにデジタル化が進んでも残る部分はある。競争力を高めるには個人に蓄積される技術力をいかに磨くか」と逆に人の能力の高さを強調する。
「いくら要求どおりに金型をつくってみても、修正はよくある。それをどう、速く処理するか。ちょっとした工夫で凌げることも」
 ソディックのアフターフォローについては下田専務も太鼓判を押す。
 なお、AQ325Lは、後継機種として受注が殺到している新製品のAQ327L Premiumに切り替えられている。
(写真:ATC交換も含めて1日24時間、連続7日間運転する「MC430L}への評価も高い)