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大阪府松原市の三和金属工業は、1945年、グリスニップルの製作で創業。以来、国内トップシェアを誇る。このグリスニップル、自動車や機械の摺動部に給油するための部品で、補修用にも需要があり、同社では月間300万個以上を生産する。特に、海外での需要が高く、固定円相場の時代には、海外比率は50%ほどもあったと言う。
この製品は主に快削鋼や真鍮の六角材から加工するが、径7〜17mmが中心で、ミヤノのAL‐S25シリーズなどの自動盤が適していた。当時から、100台ほども設備していたという、「ミヤノファン」。現在この加工にはカム式多軸自動盤F6‐26などを30台ほども揃え、一個あたり3?4秒で仕上げるという高速加工を達成している。
しかし、日本では給油不要の要素部品が普及を見せるなど、メンテナンスフリーを望む風潮がある。つまり、市場は縮小傾向にある。加え、変動相場制への移行で急激な円高になり、輸出に頼れない状況になった。
このため、ブレーキライニングリベットやサスペンションパーツ、配管継ぎ手部品など、国内で需要の高い各種要素部品へと、多品種を製造できるよう体制を変更。客先も大手一社に絞らず、業種を広げるよう営業し、現在最も多い得意先でも、全受注額の10%を占める程度。取引は200社と数千品目にも及ぶ。
多品種多品目の製 品が作れるように設備と技術を整えておけば、ある製品の受注が止まっても、他の仕事で機械の稼動率を維持できる。この観点で、生き残りをかけ、社員を教育し、汎用性の高い機械を選んできた。
機械のNC化が進んできた88年ごろから、同社でもバー仕様のNC旋盤を積極的に導入しだした。ミヤノのJNCシリーズも入れたが、「安く多く」設備したかったので、コンパクトな中村留や、大物用に日立や森精機も入れた。バブル期の最も多いときでは、年間2億円ほども設備投資をしていた。
BND‐34Tシリーズが発売されると、ドリル加工だけをサブターレットに分け、メインターレットでほとんど仕上がる機構が、自社製品の加工にぴったり適合していた。穴加工している間に、ネジ切りなど、外径加工がほとんど出来、メインだけで90%は仕上がった。
「ダブルターレットで色々なツールが付く機械は他にもあったが、メインスピンドルに2つのターレットが付いて、ドリルと刃物が同時に入る、というのはミヤノ独自の発想で、カム式旋盤の良いところがNC旋盤に活かされていた。これを使いこなすことで、大幅に工具交換 も減り、サイクルタイムが短くなった」と言い、いまや「バー仕様で他のメーカーの機械は、考えられない」と、ミヤノに回帰している。現在同社にあるNC旋盤のうち、約60%がこのBNDシリーズだ。
メンテナンスサービスのよさも、ミヤノを支持する理由の一つ。「40年以上、直接取引を続けているが、商社経由と違って、現場と話が伝わりやすい。専門の技術者を呼ばなくとも、セールスエンジニアが整備や加工について相談できるレベル」だと言う。故障することはあっても、直ぐに復元できるフットワークの軽さも魅力。ミヤノの技術者が来訪した際には、現場の担当者と食事に行かせ、交流を図っている。コミュニケーションを円滑にすると共に、技術レベルの向上も期待できる。
社内技術の継承にも力を入れる。F6シリーズなど、人手で多軸自動機を使いこなすことが、NC機を使う技術に生き、オリジナルの加工が出来るようになるという。
機械を、メーカーから買ってそのままではなく、自社の技術、体制に合わせ、付加価値を高める。機械が変わっても活用できる技術を培ってゆく。
単部品ではなく総合的な知識を要求される、ユニット単位の製品など、レベルの高い仕事を積極的に取りに行き、さらに磨いた技術で独自製品を開発する。
現在力を入れているのは、生産・品質管理。極力、注文を前倒しでもらい、納期を厳守する。「注文を増やしても大丈夫」と認識してもらい、全体のキャパシティを高めてゆく。同時に、クレームを減らし、完納率100%を目指す。どこからでも認められるよう、ISO9001も取得した。
これらを担うのは、氷河期といわれていた就職難の時代に採用した若者たち。定着率も上がってきた。
多品種にわたって、時代、顧客の求める環境対応、品質保証ができるオンリーワン企業を目指す。
(写真左上:多品種多品目の製品作り体制を整える。右:3.9秒/個でほぼ完品加工)
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