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NCロータリーテーブル ユーザー検証
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MITAKA金属工業<奈良県大和郡山市>
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| 金魚で知られる奈良県大和郡山市にあるMITAKA金属工業。測定器も含めて、ほとんどの加工設備をそろえ、顧客からの部品加工におけるどのような注文にも対応できる機械加工業である。中でも、同社が得意とするのは、研磨工程である。特注の砥石を活用し、工作機械、半導体・液晶関連、自動車部品関連の専用機等の心臓部の部品の最終仕上げ工程までを一手に引き受けている。 「今後、生き残っていくには、他社と同じような仕事内容ではいけない。他社が敬遠するような、精密度の高い、付加価値の高い仕事をやりこなしていかなくてはならない」。 昭和61年、会社創業時にこう決意したという高橋正廣社長。高橋社長が選択した答えは、『砥石の分野』の追求であった。「研磨加工は、ミクロン単位で追い込んでいく技術力の世界である。非鉄金属素材、特にアルミ等の素材では人間の5感だけでなく、作業者の技量・技術力が全てである。このような精度の調節ができる技術者が少なくなった。仕方がなくNCを用いて加工しているが、要求される精度はなかなか出せない。そこで、当社の出番である」。 弱冠19歳で機械加工業を始めたという高橋社長を筆頭に、同社は高い技術を誇る。某工作機械メーカーからのたっての要請で、スピンドルユニットの見本を造ったこともあるという。 創業時は中古旋盤ほか数台の機械で始めたというが、現在では社員数23名、年間数億円の売上げ。「いつも前だけを見て20年、ふと振り返ったら設備も人も増えていた。周囲の人間が背中を突っ張ってくれた。これがわたしの財産」。 人とのつながりをとても大事にする高橋社長。協力企業との関係を非常に大切にする。景気の悪化で仕事量が減った際には、協力企業優先で、本社の工場を止めたほどである。高橋社長の親分肌が協力企業からの支持を受け、いわゆる「MITAKAグループ」的な存在を作り上げた。 低コスト、短納期、高品質が3原則といわれているが、同社の対応は非常に早い。納期が1日、2日という仕事でも引き受け、「困ったときのMITAKA金属工業」の名を築き上げてきた。「ある意味、便利屋みたいなもの」と笑うが、材料を含めて仕掛在庫を抱えるなど、少なからぬリスクも負う。また、ロット数が1個の仕事でも引き受けることから、同社が1ヶ月当たりに扱う商品数は、多いときには数千点を超えることから、納期短縮を図っていく上で、仕入先、表面処理、熱処理等を含めて、同社と取引関係にある企業との協力関係が必須となる。高橋社長が下請け企業を大切にし、関係を蜜に維持し続けてきたからこそなせる業といえる。 納期へのこだわりだけでなく、品質維持にも心を配る。常時3名の品質管理担当者・測定者をおき、研磨加工前後の工程内検査・測定にも注力している。 還暦を迎えた高橋社長。後継者の育成も見据えて、10代の社員を一から育てている。企業としては加工全般を請け負っている現状から、より研磨加工工程に特化した企業形態を目指しているという。今、3人で行っている研磨加工を、5年後には作業者10人体制にまで増やすのが目標。とはいえ、育てるのは難しいという。「研磨は孤独な作業。目、耳、指先に神経を集中し、張り詰めて仕事をする。集中力は並ではなく、横から大声で話しかけても振り返らない。これには資質が必要。そのせいか、平面、円筒、インターナル研磨等、それぞれを単独でこなせる企業はあっても、研磨工程全てをこなせる企業は少ない。それぞれの研磨工程ごとに外注先へ振り回さざるをえず、精度面、時間・手配面でも悪影響となる。ワークの移動を極力なくせば、発注先企業から、最終加工工程まで、MITAKAに任せておけば良い、と言われるようになる。また、熱処理、表面処理工程でも、当社と取引している業者も多い。そういった企業と協 力していくことで、MITAKAに出せばすべて安心、と言って貰えるようにしていきたい」。 研磨工程で最終的に数ミクロン単位の公差に追い込む為に、同社では、切削加工時の精度確保にも配慮している。このように精度を必要とする機械には、同社は特注の割出盤を使用している。選んだのは松本機械工業。「北陸に本拠を置く松本機械工業さんはドイツのOTT製の特殊ウォームホイールを採用し、独自のものづくりをしていて、テーブルの割り出し精度・耐久性等において、仕事柄、何度何分何秒といった割り出し精度が必要なものづくりを行っているMITAKAが狙った精度が出せるから」。 「松本さんの技術は、旧日立精機と共同で育ててきたところがあると思う。松本要社長との会話でも、その事に対する感謝を忘れていないように感じる。取引を行う上では人間が先。その点、松本さんには温かみがある。『俺、お前』の腹を割った付き合いができる。これが出来ない企業とは、取引も長続きしない」。 「企業を経営していく上で、『量産効果=コスト低減』は考えるもの。しかし、松本機械さんも含めて当社の取引先企業は、製品こそ異なっても、1台の注文からでも造りこんでいる。結果として、コスト面でとっつき難さがあると思う。しかし、安い製品を購入して、メンテナンスありきで使用するのか、それとも、メンテナンスフリーの安心できる製品を使用するのかのどちらを選択するのかは即答できない面がある。ただ、少なくとも当社では5年、10年とものづくりをしてきた中で、割出盤も含めて選択した機械については、初期精度から大きなギャップが出ていない」。 |
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【後記】
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| 同社の事務所に入ると、1匹15万円もするというランチュウ(金魚)が出迎えてくれる。お好きなんですか?と聞くと、趣味ではない、との事。郡山といえば金魚。言葉には出さないが「地元企業あってのMITAKA」の思いは伝わってくる。 |
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株式会社シノハラ(石川県白山市)
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| 富山、石川、福井。雪に埋もれる北陸地方では、冬季の余剰労働力と、信州方面から流れくる河川を用いた豊富な電力・工業用水を基に、絹織物業・化学工業などの産業が発達してきた。それらを支える機械の生産も活発で、部品加工業も発達してきた。 石川県白山市にある「シノハラ」もそういった部品加工業を営むひとつ。篠原博社長以下、約10名で発電機向けのブレードの加工などの部品加工を行っている。 同社を良く知り、篠原社長とは30年来の付き合いがあるという松本機械工業の中森敏男常務は言う。「篠原社長は100%技術屋さん。自らの工夫と旺盛なチャレンジ精神・反骨精神でやってきた方。以前は、下請け工場として量産機の部品加工をされてもいたこともあったが、その頃から、他社が(難しくて)嫌がる加工、より付加価値のある仕事を引き受けようと考えているようだった。当社もシリンダケースやテーブルのメインボディーの加工をお願いしているが、難しい注文をつけても、何らかの解答を導き出してくれる」。 同社がブレードを扱い始めたのは10年前。それまで行っていた、半ばルーチンワーク化していたある大手機械メーカーからの量産機向け部品加工の仕事を全て断ったことがきっかけ。「量産の仕事は、一定期間に一定量の注文があり、毎月ある程度の売上げが見込めて、経営の見通しも立つ。しかし、決まりきった(機械の)段取りを行い、機械のボタンだけ押して、日々仕事を『こなして』いく中では、自分達の技術を伸ばしていけない、また、忘れていくのでは、という不安があった。もし、その仕事が急に途絶えた時に、機械の扱い方を忘れていては何の仕事もできない。それに、きれい事ばかりでなく、仕事をする上で面白さにかける面もある」。 篠原社長がこのような考え方を持つに到った理由は、自身の経歴にある。2代目である篠原社長は家業を継ぐべく工場に就職したが、先輩・同僚も社長の息子には遠慮がちで、いわゆる『叩き込まれる』ことが少なかったというが、結果的に全てを自分で考える癖がついた。「どんな仕事でも必ず1つ、自分なりの工夫を入れるようにした。従来よりも優れた加工法を編み出しても、どうしても我流になってしまい、最初のうちは認められ難かったが、やり続けていくと、やがて周囲も理解してくれはじめ、自信にもなっていった。その経験が今も生きている」。 三井精機の横形マシニングセンタや、3次元の測定器などを北陸地域でもかなり早く導入したというが-横形機は三井精機の1号機か2号機-、こうして培われてきた篠原社長のもつ技術は、方々から高く評価されていく。新幹線「のぞみ(500系)」のディスクブレーキ試作する際、開発メーカーに請われてマシニングセンタで加工を頼まれたこともある。 その篠原社長をして、ブレード加工の難しさは精度の厳しさであるという。ブレードには静翼(ノズル)向けのものと動翼(プロペラ)向けのものがある。ノズルは風の墳口で、いくつもの同形状のブ レード=下写真参考=を円形状に組み合わせたものだが、構成する個体の形状や数は、製品によりそれぞれ異なる。円形に組み合わせるために、全ての個体の端面にはテーパがつくが、テーパ角は360度を構成する個数で割った数だから、製品ごとに数値が変わる。また、多角形ではなく円形に組む為に、接合面以外はほとんどが曲面になる。「最も気を使うのは、通気口部分の内側の面の精度。接合部分の些細なズレが余計な気流を起こし、送風効率の低下や騒音に繋がってしまう。実際には図面には指定されていない滑らかさが必要になってくる。また、後工程の研磨との兼ね合いがあり、研ぎシロ用に残す量を決めるには、熟練の経験と技術が必要になる」。また、ブレード加工業の難しさは、繰返し製品の無さが挙げられる。「同じ製品の注文が続くことはほとんど無い。当社では加工効率を上げるために、型を作っても(同じ製品が無い以上)意味が無いので、角材から削りだしている」。 ブレード加工に際して、同社では松本機械工業のNCロータリーテーブルを採用している。角材から一気に削りだすとワーク・機械への負荷は非常に大きく、テーブルには剛性が求められるが、『耐えられるNCロータリーテーブル』として、松本機械工業に対する評価は高い。「当社では、角材からノズルを削りだしていて取りシロが多い。ステンレス等の耐熱系のネバい材質をハイスの工具でガリガリと削っている。テーブルにかかる負荷は非常に大きい。ブレード加工用のテーブルとして3台導入しているが、非常に助かっている。他にも、ノズルのテーパ角には、『度・分・秒』単位の精度が必要で、その精度出しには必要不可欠。また、曲面加工を含めて1チャックで仕上げ工程までやりきるためにはリード加工を行えないとダメだが、その点でも最適」。 (写真:「シノハラ」では篠原社長が考案した特殊治具を用いて、複数のワークを1チャックで一気に加工する手法を採用している。右側の角材を左側の形状になるまで一気に削りだす。負荷が大きくかかるテーブルには、松本機械工業のNCロータリーテーブルを採用。) |