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三幸(群馬県藤岡市)
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| 研磨一筋36年 赤城おろしで知られる群馬県。自動車部品加工のメッカ両毛地区であり、他にも、家電関連やパチンコ関連など様々な部品加工が盛んな地域である。 同県藤岡市に拠点を置き部品加工業を営む三幸は、ディーゼルシステム・シャシーシステム等の自動車機器を製造するボッシュからの仕事を請け負うなど、丸モノ製品の研磨を得意とする企業。中でも、船舶用のディーゼルの焼料噴射装置部品の加工に強みを持つ。他にも、油圧ブレーカや液晶用ロールなども加工している。 同社は、折茂(おりも)丈男社長が昭和46年に創業した。研磨加工を軸に据えつつ加工の幅を広げていき、旋盤機、マシニングセンタなどを設備。現在では前工程からの全加工対応も可能。 折茂社長が研磨の道に足を踏み入れたのは21歳の時。天候が相手の農業が嫌で、地元の有力な部品加工屋に就職。「機械加工の道で飯を食っていく」事を決めていた折茂社長。当初から独立するつもりで入社していたので、「ボール盤で穴空け加工ばかりさせられていた」かたわら、技術を身につける事に全力を尽くした。勤め始めてすぐに「今後、日本の加工業に必要となるのは精密な加工。それが出来る技術は研磨」だと感じ取る。研磨班の班長に直談判し、就業時間以外限定で研磨の仕事を教えてもらうようになった。「『お前ほど必死にやる奴は珍しい』と班長さんも様々なことを教えてくれた。自分の為だから、残業でも徹夜でも何でもやったよ」と当時を振り返る。2年後に独立し、三幸を起こした。 多種多様なJTEKT製円筒研削盤を駆使 研磨加工が中心のため、設備も研磨機が多い。現在、社長以下約30名の社員数だが、内外含めた円筒・平面合わせた研磨機の数はおよそ25台。2700?までの振り幅を持つ汎用円筒機や単価6000万円クラスの超精密機等、 様々な機種を揃える。この他、マシニングセンタ3台、複合旋盤機2台、旋盤機2台を設備。「今後、中小企業が生き残りをかけていくためには、『単品』『試作』の仕事が重要。つまり、他ではできないような、高精度・小ロットの加工を請けられる体制作りが大事。大物加工から精密加工まで、機種を揃えている」。職人である折茂社長は精度にこだわる。最近、研磨に求められる精度のレベルが上がってきているという。面粗度、真円度、同軸度等、非常に厳しい精度を要求されている。例を挙げると、アルミのような研磨の難しい素材でもR精度±0・4μm以内も珍しくない。その要求にもきっちりと応えるために切削液に入れる添加剤や砥石の研究も重ねた。砥石はほとんど特注品という。ボッシュから請け負う仕事でも同様。中心となるのは、ディーゼルエンジンの燃料噴射装置部品の加工だが、「ディーゼルエンジンはいかに完全燃焼させられるかが課題。燃料をより霧状化させるために、高圧化が進められている。そのために燃料が通るポンプの内径部分に求められる精度は厳しい」。 精度へのこだわりは、創業当時からのもの。機械選定にもこだわった。「職人だから、使う機械にも自分なりのポリシーを持っている。『安かろう、悪かろ う』の機械での加工は出来ない。検討の結果、円筒研削盤に関してはJTEKT(当時は豊田工機)をいれた。当時、ジャンドルの流体軸受けを砥石スピンドルに使っていたから精度が非常に良かった」。 JTEKT製品に関しては、使い勝手の良さと寿命の長さを高く評価する。「シャフトものに関して、使い勝手がよい。『GXN』のような超精密機を作れるメーカーは国内では無いだろう。また、他の国内メーカーにない重量感が良い。剛性と寿命の長さにつながっている。創業したときに買った機種は、3度のオーバーホールを経て、今も元気に動いている」。 ただし、機械のNC化が進みすぎることに危機感を感じているという。「円筒研削盤で制御装置の載っていない機種を見かけなくなった。これはメーカー全般にも言えるが、効率化を求めて、NC化・量産機化が進み続けていくことは、日本のものづくりにとって良いことばかりではない。例えば、制御装置に『送り量1μ』と指定しても、機械の追従性や砥石の磨耗、冷却方法など、様々な問題で、現状では、ほとんど無理。職人が汎用機を用いて、加工の音を聞き、火花の色・数を見て追い込み量を微調整する。しかし、NC機ではこれが出来ない。日本のものづくりを支えているのはそういった技術。量産の前には必ず試作があり、今後、日本の中小企業はそこが生命線になる。それらニーズに対応できる機械がきちんと作られているのかが不安」。 精度保証にも気を配り、ISO9001は取得済み。セラミック製ブロックゲージ等7セットを使い分ける。また、工場を少し拡張する予定もあり、来年にはJTEKT製のマシニングセンタが1台導入される。(写真:工場内にはJTEKT製研削盤が並ぶ) |