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民間機で、世界の航空機市場を俯瞰したとき、いま現在、ボーイング社とエアバス社の二大企業が世界の空の制覇をめぐって激突する構図が浮かび上がる。そして、その命運を支配すると目されるのが、ボーイングの中型機787、エアバスの大型機A380の受注、生産競争。現状は787の800機受注のボーイングが先を越す。
川崎重工業の航空宇宙カンパニーでは、そのボーイング機の767、777、そして、新型機の787の開発・製造パートナーとして、前部胴体、主脚格納庫、主翼固定後縁部の生産を担当。
そのほかに、エンブラエル社のERJ(定員70〜90名の小型機)も、月産15機ほど共同開発・生産を担当するなど、機体メーカーとして、岐阜工場が位置づけられている。
この岐阜工場の仕事量のうち部品加工量の70%は、修理も含め民間用だという。
「民間旅客機のものづくりの特徴は、やはり、安全性を重視して、安く、早く、量が問われる」と話すのは酒井誠設備・治工具課長。
「航空機の場合、大戦後、1970年までは、ものづくりの方法は、製造メーカーから技術供与を受けたライセンス生産下での作業だった。それが今では、開発・設計・製造・治具開発までは独自で決められるようになった」と、白石明裕部品工作部長。
技術的な進歩としては、かつての手作業から、3次元CADによる設計、シミュレーションによる効率化など、マシン・IT技術による作業へ。
かつては、100の部材を組み合わせていたものが、今では1個のアルミ塊から削り出し、組み立て精度も上がってきた。
技術の変遷は、アルミ薄板板金加工を例にとると、一世代目では、リベットは手打ち、組み立ては現物合わせ、治具はマスターの役割を果たせばよかった。
ボーイングの777の2世代目になると、CAD/CAM導入による上流工程から下流工程までのコンピューター化が進み、素材もアルミ合金が超々ジュラルミン化で強度が増し、一体ものができ、リベットは自動打鋲機が登場。各現場でNC化が進み、部材の一体生産で、部品点数を減らすことができたようだ。
その部品点数だが、「1機の航空機を構成する部品点数は、60万個から300万個、川重岐阜だけでも10万個は下らない」と、白石部品工作部長。ロット数は1個から10個程度。たとえば、ボーイング747の部品点数はボルトから数えて600万点。この600万点の部品を作る企業は、1千社。余談だが、ボルトと言っても、1本2千円もするのはざら。
そして3世代目、現在の大きな特徴は、素材に炭素繊維強化プラスチック、通称CFRPの進出だ。
航空機の大きなニーズである低燃費、軽量化で、このCFRPが、787では主構造で複合材として多く使われるようになった。
ひと口にCFRPと言っても、樹脂の割合が異なるなど、種類は数多い。岐阜工場では、CFRP用の積層設備を入れ、設計、強度に合わせて、自在に作るところまで来ている。
「そのうち、1機丸ごと複合材による一体成形ができるのでは」と言われるほど、複合材の進出が大きいのが今現在の特徴だ。
素材にCFRPが多くなった航空機では金属部材も進化している。使用する切削工具に例をとれば、「部材にチタンを使っているので、刃具寿命が短く、正直頭を抱えている」と酒井設備・治工具課長。
加工で多いのが、リベット穴やボルト穴の切削加工。岐阜工場が担当するボーイング777では、そのドリル穴が5万穴、1フレームだけで2から3千穴もあるとか。
他社が担当する787の1部位では、4万穴あるとの話。
岐阜工場で使うそうした工具の中には1本が10万円もするものもあるとか。
「CFRPなどの新素材については、かねてから社内で研究は進めて
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