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ユーザー検証
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大平テック・小山工場
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筆記具加工一筋59年
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| 普段、何気に使用している筆記具の「シャープペンシル」の部品製造に旋盤機が用いられていると聞き、読者は一体何を加工していると思われるだろうか。 1949年に東京都北区で金属部品加工業者として産声を上げた大平。創業者である故・松永忠二会長が、「儲かるのでは?」と加工品として筆記具部品に目をつけた。当時、万年筆部品には、軸・金輪・キャップにアルミ部品が多かったが、それらをプレス絞り加工する業者が少なかったことに着目したという。以降、徐々に加工幅を広げていくが、筆記具部品の加工が中心であることは変わらない。ある意味、筆記具の歴史の一端を担う企業といえる。 大平テックは、1989年に大平から分離独立し、2002年に現在の社名に改称したもの。小山工場は1999年にはシャープペンシルの機構部品を加工するための旋盤工場として設立された。今では自動盤71台を設備し、機構部品製造を集約している。 同社がシャープペンシル部品の製造を始めたのは1965年。転機が訪れたのはそれから10年ほど立った頃の事。シャープペンシルの需要が高まる中、ボディ等の素材にプラスチックが選ばれるようになりだした。シャーペンのノック管・消しゴムの留め金等、金属部品には、より付加価値のある製品作りの必要性が高まる。同社では機構部品の品質向上と製品開発に取り組んだ。 「機構部」とは、このシャープペンシルの芯の繰り出し装置のこと。シャーペンのメカニズムはシンプルだ。書き口側の口金をはずすと、工作機械のチャックのような形状をした三本爪(実際にチャックと呼称する)がある。普段は周囲の「リング」がチャックを押さえつけることで内側を通っている芯を固定しているが、使い手がシャーペンをノックすると、リングは口金で固定されているがチャックのみがスライドし、リングで強められた把握力が緩まり、芯を送り出す。機構部は、これらチャック、リング等の5〜6点の部品からなる。 1980年、同社は各部品を単体ユニット化し、ボールペンの芯程度の大きさにまで縮小化した製品の開発に成功した。特許を取ったが、当時の筆記具メーカーでは、シャーペンとボールペン とのボディの共通化を考えていて、これが高い評価を受け、大平の名が一気に広まる。同機構は、ボディの共通設計化に止まらずシャーペンとボールペンを融合させた、「マルチペン」の発展にもつながった。今では世界中の文具メーカーに部品提供を行っている。「機構部」に求められるのは、当たり前だが、まず「芯が折れない」こと。元来が数ミリ程度の小さい部品の集合体であり、5〜6点もの部品を組み合わせる機構であるので、各部品の精度が悪ければ、組み上げた形状がゆがみ、結果、芯に対して無駄に負荷がかかることとなる。軟らかい芯にはご法度だ。そのために、求められる加工精度としてはミクロン台の公差が要求されるという。 精度はもちろんのこと、機構部品製造の最大のポイントは、コストだ。アジア勢等の海外メーカー等との競争には非常に厳しいものがあるという。チャック材に樹脂を用いるところもあり、100円ショップ向け製品等で多用されている。小山工場の宮原満工場長はこう話す。 「特長を持った製品作りで差別化を図る必要がある。当社では、高品質な製品を高効率で作る試みを突き詰めてきた。φ6mm以下の小径部品加工に特化した設備を整え、工夫を続けてきた。扱う最小径のチャックはφ1mm強までできる。コスト削減に関しては、効率を考えると加工速度が速い機械の選定が第一になる。人件費をどう抑えるかが工夫のしどころ。また、無人化・自動化に対応できるには、メンテナンスが必要なく、故障しない機械が必須となる」。 現在、同社が使用する自動旋盤はシチズンのシンコム「B12」が中心。φ4mmのバー材加工が中心のため、B12のみを設備し続け、この15年間で、41台が揃った。効率よく使う工夫を行い、今では、ほとんどの機械が72時間、フルに加工させ続けられる体制が整っている。これを通常業務で担当する社員はわずかに4名だけである。 自動盤による丸3日間の無人連続運転を可能としているのが給材機の存在だ。同社ではこの数年、育良精機の給材機を導入し続けている。生産性向上追求には欠かせない存在となっているという。「育良精機の給材機の良さは、オイルサポートであること。高速で回転させられる。これまで使ってきたメーカーのものと比べると、製品の生産速度が4割近く上昇した。また、特注でストッカーを大きくしているが、アフター面でもメンテナンス面でも、今のところ問題ない。今後、続けての設備も検討している」。 |
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<後記> プレス加工にしろ、旋盤加工にしろ、量産の仕事は繰返しによる「飽き」がやってくる。創業者の松永会長が口をすっぱくしていた言葉が「『機械を離れろ』だった」と話すのは大平の佐山展久常務。「『大変』を大変で無くすことが工夫。同じ作業をどう工夫していくかを楽しむ為に、『考えろ』という意味だと思う。私も、スタッフに言い伝えていく」。 (左写真:左が一般的。右側が大平テックが開発したユニット) |
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76号(20.4.1)
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セリオテック
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| 時代の流れは加工業の内容を左右していく、そんな一例をセリオテックでも伺うことができた。 長野・上諏訪地方はかつて「東洋のスイス」と呼ばれ、時計をはじめ、カメラや音響関連企業などの精密加工業の一大集積地として栄え、協力工場は大手数社からの受注だけで生計は成り立っていた。昭和26年に創業したセリオテックも例外ではなく、今年で47歳になった小口浩昭社長が入社する20年くらい前までは、地元大手6社で売り上げの8割を占めていたという。 「30歳で2代目の社長に就任したが、その頃から売り上げのメインをなしていた大手時計企業の生産の海外シフトが加速し始めた。仕事量を確保するため、初めて県外営業の活動に乗り出す中で、最初の転機とも言えるウォークマンやビデオといった、音響部品分野の需要を開拓。シャーシーの中に使うピンの加工がその典型例だが、1ロット10万個から50万個の受注をものにした」 生産における柔軟な対応のひとつは、当然ながら導入設備と関わってくる。当時、主流だったカム式自動盤は量産には適していたが「単純な大ロット」は海外へと流れていく。「技術で強くなろう」と決意して責任者に就任した小口浩昭社長は先手を打ってNC化を進め、生産の上での差別化を図り「時代に左右されにくい」安定受注への布石を打っていく。 「NC機は複雑な加工でも対応可能なうえ、プログラム次第で小ロットでも仕事を請け負うことができる。簡単で単純な加工から複雑な加工に至るまでのオールマイティにこなす自動盤を設備していくことがある意味で不可欠と言えた」 設備投資は毎年1億円規模 シチズン、スターそれぞれの自動盤を相次いで導入、金額ベースでは毎年、1億円近い投資を図ってきたが、その選択は結論から言えば正しかった。8年ほど続いた音響関連部品の大量受注も量的には終息する。たとえば、軸の加工を要する「カセット」からほとんど要しない「CD」への形態転換は仕事の絶対量を奪ったのである。代わって増え始めたのが、今の主流にもなっている携帯電話にかかわる部品加工で、ヒンジ(蝶番)、アンテナなどがその代表例。だが、その携帯電話関連もアンテナの内蔵化、さらにワンセグの登場などで受注量は乱降下。 「携帯関連は1ロット20万個から30万個の受注を頂いているが、機種変更が激しく、1サイクル3ヶ月くらいで需要は途絶える。ところが自動車関連は息が長い。品質重視の考えが徹底しているため、当社の技術力アップにも貢献している面がある。今は売り上げの1割程度だが、今後は携帯など、他の需要とのバランスを取りつつ仕事を拡大させていきたい」 現状の需要家を概観すると、携帯関連で4割、デジカメ1割、自動車関連で1割、光通信2割弱、音響・ОAその他で2割の構成となる。シチズンはコンパクトさ、スター精密は使いやすさの点を評価する小口社長だが、上諏訪地方はφ20mm以下の仕事が今でも多い。 「細モノになると給材機は育良精機が強い。NC自動盤は両社合わせて150台くらい設備しているが、そのほとんどが育良製。オイル化が著しいが、2〜3mの材料でも5000回転〜1万回転させると、油の中に棒材が浮く状態となり、安定加工に不可欠の状況ができあがる」 この安定加工は前述の自動車関連の品質重視にも一役買っているようだ。 「ただ、車関連は棒材が3m、従来受注していた仕事はせいぜい2.5m。0.5mの残材が出て無駄になってしまう」 と残材の活用がテーマに上がっている面は見逃せない。 「自動車の息の長い受注に魅力を感じ、携帯関連は1ロットの量の多さに感謝している。ただ、携帯関連は100枚見積もりを出して3枚の注文。極論すればオール・オア・ナッシングの世界。90社まで取引の拡大が図れたのは携帯関連のおかげであり、図らざるを得なかったのも携帯関連の仕事のなせる業」 そう言って小口社長は笑った。 |
![]() 細モノはやはり 「育良製」給材機 ![]() オールマイティ機がずらり |
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