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 セラティジット・ジャパン
   
 ケーダー社長インタビュー
 今春以降、従来からの素材に加え、切削工具の販売もスタートさせたセラティジット・ジャパン。航空機産業を中心とする、特化した分野で認知度を広めつつあるが、その責任者として、東奔西走するケーダー社長にインタビューを試みた。販促から半年の手応えはどうだろうか。

 日本の工具メーカーは、スチールやステンレス、鋳物といった被削材への提案は多い。自動車産業など大きな産業を中心に提案しているからだろうが、その意味で我々にとって目新しさは感じられない。10年前からほとんど同じであり、逆にニッチな分野への提案は少ないように思う。
 我々は、たとえば、ニッケル用の工具、インコネル用の工具というようにそれぞれに特化したアイテムを多種多様に品揃えしており、また、それぞれの組み合わせの中で何ができるかということを常に考えている。
 日本市場は堅実な市場だが、スピード感がない。スピンドルの回転数を例に挙げると、ヨーロッパでは6万回転は「当たり前」の世界だが、日本はせいぜい「1万5千回転」で「1万回転」が圧倒的に多い。
 日本に来る前は中国を中心にアジアを回っていたが、いい機械が相当、導入されるようになってきた。近い将来、日本にも本格的に攻めてくるようになるだろう。そのときは日本の危機だろう。ユーザーの皆様には目を世界に向けていただきたいと思う。
 より短い時間で、より多くのものを作るー生産性をそう、捕えるが、そうなればコストダウンのみならず売り上げアップに直接、貢献する。我々は最終的にお客さんの売り上げアップに繋がるような提案をさせていただいている。
 この半年間歩いてきたのは、タービン(ブレード)関係、航空機のアルミ合金関係、チタン、インコネルなどの難削材対応、車ではクランクシャフト、カムシャフト加工用の提案、我々が他社の追随を許さないアルミホイール市場、オイルプラント用のねじ切り市場、電車の車両製造、保守・点検用の現場など。 テスト加工を通じて徐々にではあるが、認知の輪が広がってきた。注目され始めた製品としては、航空機向けの高速切削用、特殊カッタ「HSCカッタ」(4万回転用)、タービンブレード用丸型インサートの「CTC5235」、チタン用ミーリングインサート「CTP5240」などが挙げられよう。
 日本で活動を開始して感じたのは当社の名前が1人歩きしており、前口上は不要。いきなり商品の説明から入れることだ。今後は、流通の体制も整え、お客さんの利益に直結する提案の輪をどんどん、増やしていきたい。
 「現場で困っている人が来場」
 初のメカトロテック参加となったセラティジットのブースには「現場で困っている人がほとんど。我々は潜在ユーザーと捕え、テストカットを通じて実績を積み重ねていくだけ」とは対応した営業スタッフ初戦の弁。
 「我々の得意なアルミホイール関連ユーザーでは切粉処理での優位さが認められつつあり、タービンブレードなどの特殊な分野では、興味深いコーティングを施した工具に手応えを感じている」と、この間の客先の対応を語った。
(写真:本社周辺にはロマンチック街道の人気スポット、ノイシュヴァンシュタイン城がある)






 三菱電機産業メカトロニクス事業部

 山田一郎氏が計画部長に就任
 三菱電機産業メカトロニクス事業部の計画部長に山田一郎氏が10月1日付で就任した。筆者が初めて出会ったのは2年前の東日本ソリューションセンターで開催されたプライベートショー。そのときの肩書きは「放電課長」だったが、この1年半ほどは、大手企業相手に個別の提案を行なう"部隊"に身を置いていた。放電、レーザをはじめ、事業部の全体をどのように見通していくのか、抱負を中心に聞いてみた。

 
国内の放電加工機は前期の昨年度後半に比べると2割減と落ち込んだものの、レーザ加工機関連は、ほぼ高原横ばいで推移している。
 「放電の需要は海外主導であり、全体で見れば今期前半は若干のプラスα。国内は建機、デジタル関連が引き続き堅調なことに加え、海外が堅調から好調の波に乗ると思われるため、当事業部は過去最高規模を見込んでいる」
 だが、08年後半以降、需要の低迷を予想する。それでも客先から選ばれる「産メカ」であるためには技術・サービスを中心に体制を整えていくことが肝要と言うのが山田部長の持論だ。
 「東西のソリューションセンター開設とその充実、名古屋製作所内で建設の進む『メカトロ棟』といった"資源"をいかに有効に活用するか。体制を整えていく先行投資はここ数年ピッチで進めてきた」
 メカトロ棟には放電、レーザ、などの開発・設計部隊がこの施設に集約され開発スピードを上げていくことが当面の課題に挙がっている。来春以降のオープンとなるようだ。
 また、東西のソリューションセンターは、所在するさいたま、尼崎を中心に客先により近い形で配置されており、すでに利用しているユーザからは営業、技術、サービス、ファイナンスを1箇所で行なえる「ワンストップソリューション」の場としての信頼を獲得しつつある。
 「ソリューションセンターでは、客先が何に困っているか、具体的に確認できることで、新規の客層を取り込めるばかりか、将来に向かってどのような手を打つべきかという輪郭も思い描ける。技術、サービスで還元できれば、日本のものづくりに貢献できる余地はまだまだあるはずだ」
 だが、中国を中心に金型がグローバルに展開されはじめたのも事実。00年に三菱電機では放電加工機の「グローバル30」(放電の世界シェア30%)構想が浮上したが「世界にパイを求めていかないといけない」(山田部長)のは、内需の低迷の補完というより、世界視野に立たなければサプライヤー業務は成り立たなくなるという問題意識だろう。
 「加工塾・メンテ塾を創設して、『より使いやすい』を展望していきたい。いろんな意味で客先との距離を縮める努力、その体制づくりで選ばれ続けるメーカでありたい」
 (取材メモ) 82年入社の山田部長は、組み立てロボットを世に問うた黎明期にロボットの販売に当たった新人時代を懐かしむ。「ロボットはすべてのものづくりの業種・業態で必要なため、今のバックボーンにもなっている。黎明期に九州で、しかも新人一人で売りに歩いて目立った成果がなかったのは、ある意味当然としても、血肉になったのは間違いない」。
 その後、モータ、レーザ加工機、放電加工機と幅広く携わることができたので恵まれたとの思いが強くある。福岡県出身。

 「BA24」が導入しやすい、高性能で登場
 
メカトロテックのブースでは「導入しやすい」という高性能-そんなキャッチフレーズで人目を引いた新製品「BA24」が登場した。部品加工から金型まで幅広いニーズに応える「BA」シリーズのニューモデルで、ワークの最大寸法1050(幅)×820(奥行き)×305(高さ)まで対応する、オールラウンドマシンとしてアピールされた。
 「導入しやすいのならいくらになるの?」との質問に事前に答えるかのように最終需要家渡し「1650万円」の数字が張られていた。
 BAシリーズは昨年のJIMTOFでベーシックマシンとして「BA8」がリリースされ、部品加工の分野で浸透し始めたが、もう少し、大物ワークにも対応して欲しいとのニーズに応えて「BA24」の登場となった。
 導入しやすいということと、高性能とどのように結びつくか、筆者も色々考えたが、立場によって捕え方も変わる、そんな詩的なキャッチコピーに「うーん」と唸ったのが正直なところだ。メカトロテックを終え、次は12月に予定されている東西のプライベートショーでもお目にかかれる。乞う、ご期待。





 イワタツール

 EMO初出展・欧州へ進出も
  センタードリルで知られたイワタツールだが、昨年発売したトグロンシリーズなど新製品の売れ行きが好調だという。
 軟鋼、アルミ等非鉄金属加工用面取り工具で、バリをなくし、面をきれいに仕上げることができるトグロンシャープSPは実加工現場で切り替えが進んでいる。
 HRC50〜70の高硬度材に対応したトグロンハードドリルも、「焼きが入っていても削れる!」という謳い文句のもと、ユーザーの意識とともに徐々に浸透を見せている。
 極小径分野では、φ10μmの小径ドリルは、ユーザー側での用途がいまだ研究段階だが、φ50μm程度の加工では、安定した加工精度の実例も上がってきている。
 MECTでは、これらを中心に展示、セミナーを行った。特に注目を集めたのはトグロンハードドリルと碌々産業のCEGA?を用いたHRC60の被削材SKD11へ2000穴以上の耐久実演。見学したユーザーは「焼き入れ鋼だということが信じがたい」と驚きの声をもらした。
 高硬度材への切削加工は、エンドミルでは放電加工からの切り替えが普及してきた感があるが、ドリル加工ではまだまだ「焼き入れ鋼に穴があく」というユーザー側の認知が低い。この市場を開拓するため、同社では各地でPRを続けてきた。
 その成果か、「イワタツール」の看板を探し求めた来訪者もあり、同社のツールや技術力への認知度が向上していることがうかがえ、この展示会でも、「幅広いユーザーに加工品質のよさを確認してもらえた」(岩田昌尚専務)と、成果を実感できたようだ。
 会場で行ったセミナーは、「切削による穴あけ加工の精度と品質」をテーマに加工事例やその条件を公開し、ある自動車部品メーカーからの参加者から「小径ドリルやセンタードリルの使い方が勉強になった」などの感想もあった。
 同社は先月ドイツのハノーヴァで行われた欧州工作機械見本市EMO2007にも初出展しており、「出展した分、新製品などを見る時間は減った」ものの、「現地の販売店などを見つけることができた」と手ごたえを話す。
 人件費の低い東欧や、先進工業国の隣接により、垣根のない競争にさらされているためか、「欧州製工具は安い」ようだ。その傾向は、「ここ数年と同じく、インサート化、複合化がより進んできている」という。
 その市場で売れるためには、現地にないものを持っていくしかない。
 イワタツールが武器にするのは、トグロンシリーズの寿命や加工速さといった加工品質。
 展示ブースで加工の動画を流していると、「違いがわかる人は自然に足を止める」という。それも、アジアでの見本市と違い、既存製品を探しに来るユーザーよりも珍しいものを発見しに来るディーラーや商社からの入場者が圧倒的に多い。 そうして集まってきた人を端緒に、西欧各国の販売店と取引をする話も進めている。
 ユーザーへのサービス拠点としては「イワタツール・ユーロ」をスイスに立ち上げ、現地の技術サービススタッフを置く。在庫はドイツに設け、このスイスの担当者が管理する。欧州全体で、3年以内に年商1億円を目指す。
 同社工場では、新設備での生産体制も軌道に乗り、増産に対応できるようになってきた。製造・営業スタッフも増員し、今年も昨年並み20〜30%の成長を見込んでいる。
(写真:SKD11(HRC60)へトグロンハードで2000穴も加工可能)




 大阪工機

 ウェブサイト利用状況35%へ
 切削工具の量販問屋である大阪工機の柳川重昌社長は、本紙の取材に応じ、9月の中間決算では売上げベースで前期比5%の伸びであったが、通期の来年3月決算では、10%増は達成出来そうとの見通しを示した。
 同社の直近の状況に関しては、おおよそ次のように話した。
 中間期の業績について
 「売上げでは5%の伸びに終わったが、通期では前期比10%の増加になるだろう。当初の計画通り」
 大阪工機といえば、在庫量が豊富な問屋であるとのイメージが、お客様に定着してきたようだが?
 「在庫がないと、販売力に弾みがつかない。在庫はメーカー任せでは、問屋としては問題だ。直近では、ケナメタルのターニングのISO規格のインサートを、また、田野井のタップ類を、いずれも1億円以上在庫したが、これもそのような理由から」
 ネット販売の進捗状況は?
 「苦労、工夫を重ねながらも増えてきた。インストラクターを3名投入したところ、利用状況が急激に増えてきた。今ではおよそ35%にまでなってきている。特長としては、伝票の枚数が多くなることがあげられる。ネットだと、小さな発注も出しやすいからだと思う」
 今後の展開は?
 「近く、携帯電話からでも発注できるように業務システムの整備を進めている。これまで、在庫確認が出来ることはあったと思うが、発注ができるのは初めての試みではないだろうか。課題としては、40%の利用にまでもっていきたい」





 サンコーインダストリー

 ロボット産業実用化への道
 ねじの総合商社サンコーインダストリーが導入した受付ロボットが好評を博している。
 昨年、同社の奥山泰弘社長が次世代ロボット開発ネットワーク「RooBO」発足の話を聞き、60年前から同社のキャラクターであったペンギンをロボット化したいと持ちかけた。
 RooBo会員製で、フラット面を2足歩行できる標準ロボットに、サンコーインダストリー内でアイディアを募りつつ、「訪問客を各部署に案内する」という受付の機能を持たせた。
 ロボット胸部に営業部、仕入部、総務・経理部の各ボタンが備えられ、訪問者が希望のボタンを押すと、「いらっしゃいませ。?部へご案内いたします」と発話し、それぞれの部署に向かって「お客様を案内しています」と移動する。見送り時には、「ありがとうございました。お気をつけてお帰りください」と言うマスコットだ。
 もともと会社を訪問してくれた人に対し、「来てくれてありがとうと言う感謝を伝え
る」趣旨だった。これが功を奏したのか、取材申し込みも多く、新卒採用の会社セミナー参加者も急増。年間1500名近くになったという。
 同社は、生産性の向上など、有効なら現場の提案をどんどん受け入れる風通しの良い風土。提案は社内システムなどに反映され、2001年には「IT活用企業100撰」の最優秀賞にもえらばれている。
 同社の奥山淑英取締役は、「螺子に惚れ込んで入社する人はあまり居ないかも知れないが、その分環境で、スタッフが働き甲斐のある職場、子供たちを働きにいかせたい職場作りを目指している」と言う。






 高田精機 
 アビヤックで刃先研削が自由自在
 工具再研削の市場が拡大している。数百億円から1千億円を超える規模になったとの話も聞く。資源の有効利用の面の他に、超硬合金の素材であるタングステン及び中間素材の価格高騰が、再研削市場の拡大を後押ししている。
 業者に依頼されてくる再研工具の中で、最近になって増えてきたのがドリルだという。業者の再研削・再コーティング技術が向上したことも理由だが、これまで、ドリルの先端形状の研削加工を各加工現場で行えていた技術者が定年を迎えたことで、外注に出す必要が出てきた為と見る向きもある。
 いずれにせよ、どのような加工においても付きものである穴あけ加工を担うドリルの再研削需要は今後も拡大すると見られている。
 そんな中、ドリルの刃先成形に特化した工具研削盤へのニーズが、大手集研を中心に存在している。
 フランスのAVYAC(アビヤック)社が製造販売するドリル研削盤2機種もそれらニーズに応えられるシリーズ。
 アビヤック社は、1945年に創業された。ルノーとプジョーが共同開発し、実用化したスリーレーキ研削法を、1972年に工具研削盤として製品化した。ある意味、フランスのものづくりの原点を担う企業のひとつといえる。
 同社の工具研削盤は、かつて、碌々産業が輸入代理店を務め、当時、注目され始めていたスリーレーキ研削法が可能な研削盤として一世を風靡した。世界で400台以上販売し、日本での納入実績も150台近くある。
 現在、このアビヤック社の工具研削盤は、東京の渋谷区に本社を置く高田精機が総代理店として国内販売の窓口となっている。同社が代理店に就任して約4年。取り扱う機種は、汎用の研削盤「3P32」とNC機「NC240」。汎用機はφ3〜φ32ミリ、NC機はφ2〜φ40ミリと太径に向けたドリル研削盤。共に強い剛性が見て取れるがっちりとした造り込みがなされており、故障とは縁の薄い機械だという。
 高田精機の鴻池光隆社長は「ドリルに関して、刃先成形の自由度の高さでは群を抜く」と自信をみせる。「NC機『NC240』は、ドリルの刃先成形にターゲットを絞込み、ガンドリル・スリーレーキ・センターカット・クロスシンニング・段付等、様々なドリル形状に対応できるようにマクロを充実化させているので、熟練工でなくても非常に使いやすい。また、汎用機『3P32』も、機械剛性が高く繰返し精度が安定している上に、湿式研削なので、研削時に『思いっきり』切込みをかけることができる。特殊形状のロット数の少ない再研磨などが多い加工現場や、PCDドリルの研削用にも使って頂きたい」。
 同社ではスイス・ダマテクノロジーズ社製メティオール研削盤の販売も行っているが、こちらは乾式で、極小径(φ0・2ミリ〜)ドリルの再研削に対応可能な工具研削盤。最大φ13ミリまで対応可能でクロスシンニングが正確に研削できる。「アビヤック社製品と併せることで、φ0.2の極小径からφ40ミリの太径まで、汎用・NC機を含め、幅広くドリル研削盤ユーザーに提案を行っていきたい」。
(写真:メティオール研削盤はMECT2007会場でも展示)





 ARTC(高丸工業)

 中小企業へ産業用ロボットシステム導入を支援
  世界の産業用ロボット市場の8割は日本製品で占められているという。工程の自動化やロボットの導入は広い分野で進められているが、いざ導入を考えたとしてもどこに相談してよいのかわからない。
 ロボットメーカーに問い合わせれば、自社製品を推奨する提案が返ってくるだろうが、製品・メーカーによって得意分野は異なる。工程毎に別のメーカー製品を入れた方がよい場合もあるなど、メーカー側の提案では、現場に最適なシステムを構築できるとは限らない。
 また、市販されている産業用ロボットの仕様は、大量消費ユーザーである自動車メーカーなどの要求に合わせられており、少量多品種生産の中小企業には適さないものが多いと考えられてきた。セールスやサービスにおいても、生産技術が確立された大手メーカーでは、どこに何を導入するか迷うことは少ないが、中小企業のユーザーでは操作、人員、コストなどあらゆる知識が不足している。
 この、導入への壁を取り除くため、コンサルティングからテクニカルサポートまでを請け負ってくれる日本初の機関がある。兵庫県の「尼崎ロボットテクニカルセンター(ARTC)」だ。
 ARTCは、ほぼすべての国内産業用ロボットメーカーからの仕事を請けていたシステムメーカー高丸工業と、商社エヌアイウェル、メンテナンス業者の発案によって、今年1月にスタートした。
 同センターでは、溶接・ハンドリング・仕上げなどの用途を果たす国内7社(川崎重工業・神戸製鋼所・ダイヘン・ファナック・不二越・松下溶接システム・安川電機)の6軸多関節ロボットを常設し、導入計画から、周辺設備製造、設置、稼動、メンテナンス、教育までの総合支援を行う。
 ARTCに相談することで、国内すべてのメーカーの最先端機器から自社の製造に最も適したシステムをフレキシブルに選択できる。
 高丸工業では、20年前からロボット事業に携わっているが、この半年間の引き合い件数は、ARTC設立前の3倍ほどに跳ね上がったという。内容もかつては「高丸工業といえば溶接関連」だったが、それ以外の「この作業をロボット化できないか」という問い合わせが増えてきた。20年の実績を活かし、製品や現場に応じた生産技術の向上と高付加価値化の提案を行う。
 ロボット化に適する工程は、高低温、悪臭など人が作業し難い環境のほか、繰り返し作業などで作業員に負担やコストがかかっているもの。
 機械加工ならワークの出し入れなどが代表的だが、プレス加工や、バリ取り、面取りやその中継、配管関連、航空機部品等でも多くの実績がある。
 高丸工業からARTCに出向する吉田博雄氏は、ロボット導入を考えるなら、「まずはここに来て頂きたい」という。「相談頂ければ、適応検討を行い、すぐに概算が出せるよう計画を立てる」。
 企業規模にもよるが、一人の作業員を解放するためのロボットシステムの投資費用が2〜3年で回収できるようなら、導入を勧める。システムの平均費用はロボット1台あたり1500万円程度のものが多い。また、自動化で、品質の均一化も見込める。
 自動化を進めたい、あるいはコスト削減したいメーカーは、規模・業種にかかわらず一度相談されたい。問い合わせは、06‐4869‐9123 播勝男センター長まで。





 ノギスの老舗 マール・ジャパン

 6年目の逆襲
 各製造現場に欠かせない測定機器。3次元測定器など大型装置が近年進化しているが、どこの工場にでも、当たり前のようにあり、毎年頻繁に消耗需要が発生するのはスモールツールだ。
 マール社は1861年創業。鉄道技師だったカール・マール氏が、線路のゆがみを調べるために考案した器具が「ノギス」として、同社(当時カール・マール社)の代表製品になり、世界へ普及していった。一時代には彼の名前がノギスの代名詞になり、日本でも「そこのカールマールを取ってくれ」と口にする職人が居たようだ。
 このノギスでの成功を皮切りに、同業者とのM&Aをおこない、グローバル企業へと発展し、現在では23ヶ国に60の販売/製造拠点をもち、約1600人の従業員を抱える。日本法人は設立6年目を迎える。
 同社は3次元測定器などの装置類も扱うが、現在日本で、主に拡販を図ろうとしているのはテストインジケータ、ダイヤルゲージなどのスモールツール。
 いずれも古くから同社が扱うが、一般の工場には価格を優先した他社製品などが普及してしまっている。
 マール製品が好んで使われるのは、高精度を要求される一部の繊細な工程。1μmの精度を測りたいという最終工程だけはマールを使っているところも多い。
 たとえば、ダイヤルゲージで最も消耗しやすい先端(ワークとの接触部)にルビーボールを採用した製品はよくあり、ユーザーの目に付き易い部位であるため、画期的なことと思うユーザーも少なくないのが現状だが、マールでは従来から隠れた内部の噛み合わせ部位など7箇所にルビーを採用している(製品名ミリメス)。 繰り返し精度を出すためには、内部構造から作り上げていかなければ意味がないからだ。
 当初から見えないところまで、徹底した設計思想をもって製品を作っているため、マールのダイヤルゲージは、70年前からその姿を変えておらず、時代に合わせたマイナーチェンジだけを行ってきた。目指してきたのは、どこにでもある大衆車ではなく、「振り返りたくなるような」ブランド製品。自然、他社製品よりも価格が高くなる。
 しかし、日々使うツールに高額をかけなくなってきている日本市場では、「欧州特有の手作り製品ビジネスだけではやっていけない」と、城田浩行取締役は認識する。日本では性能がよく、ブランドイメージがあっても、2倍や3倍の価格差がつけばビジネスにはならない。
 そこで必要になるのが、使用頻度の高い製品群を使ってもらうこと。城田氏は、テストインジケータに目をつけた。
 時計に裏打ちされた精密技術で高い精度を持ち、スタイラス(測定アーム)の向きが選択できるなど、柔軟性も高い。作業者が横着をして、ゲージのカバーをはずしたまま使用した場合、機器・製品を守るため、動作しないようロックがかかるなど、人がすることを見越した上での工夫が随所に施されている。
 高くてあたり前、となりそうだが、敢えて国産メーカー並みに価格を抑え、「巧みの技あり品」を売るため、その下地を普及させて切り込んで行く考えだ。
 業種によっては、ドイツの1年分の使用頻度が日本の1月分に相当するというデータもあるという。城田氏は「マール・ジャパンは世界のマールの稼ぎ頭になる」と自信を見せる。国内に工場を持たないゆえの身軽さで、日本市場を切り取ってゆく。(写真:文字盤に7ルビーズの表記)






 栄工舎

 新潟工場竣工祝賀会
  仕事に取り組む現場の熱意と設備の豊富さに加え、他では味わえない郷土料理で心からのおもてなしを受けたー10月2日に行なわれた栄工舎の新潟工場竣工祝賀会出席者は、そんな"後味"を残しつつ、初秋の八海山の望める魚沼を堪能した。
 年産40万本体制から50万本体制に迫る能力アップを図り、次代を見据える工場への脱皮が新工場に課せられた任務。牧野フライス精機や森精機、シチズンといった国内の有力メーカーはもちろん、ワルターやロロマチック、スチューダといった海外の著名なメーカー各社の最新鋭設備が配置されており「生産性、品質のアップを確信した」(山口東京山勝社長)人は多いが、「リーマの栄工舎」にとどまらない、カッタの分野でも伸張著しいことが徐々に浸透し始めており「小径の刃物づくりは難しいが、ミニカッタシリーズは好評を博しており、しっかりと精度を出してくれていることを本日、改めてこの目で確認した」(酒井基和サカイ社長)ことも付け加えたい。
 国内はもとより、台湾、タイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、韓国、フィリピン、ベトナムなど、海外にも輸出され「早い時期からアジアに着目し、グローバル展開への先見性にも素晴らしいものがある」(酒井社長)海外戦略上のスピードは、インドでの販路開拓といった最近の行動にも表れている。
 国内の需要は絶対量の点では大きな飛躍は得られない。特にリーマは「高精度なドリルによるリーマレス」の時代を要求してもいる。それゆえに栄工舎の戦略はリーマと並ぶカッタ分野の拡販、それと海外販売展開の2点に集約される。
 その販売を後押しする生産体制-今回の新工場の披露で、新たな栄工舎を予感した人は多いと思う。
 郷土料理研究家によるおもてなし
 地元郷土料理研究家の手による料理の格別さは、筆を進めないわけにはいかない。
 魚沼産コシヒカリを使ったおにぎり、山菜、豚汁・・・細目を紹介する能力は持ち合せていないが、工場見学がスタートした矢先、祝賀会場予定の部屋から匂いが立ち込めていた。数班に分かれ工場案内されたが、誰しもがまず、「鼻」を通じて「舌」の感覚を予想した。
 工場披露の祝賀会にはこれまでに恐らく500社近く足を運んでいる筆者も「美味しさ」を超えた満足、おもてなしの原点のような姿勢を栄工舎の祝賀会に感じた。サカイの村上専務からも「お金をかければいいってもんじゃない。これこそが本来の姿では」との感想が寄せられた。

(写真左:客先に新工場を案内する安部川社長。右:祝賀会場には郷土料理がずらりと並んだ)






 大阪機工

 自動車関連ユーザー中心に好感触
  これまで、国内での、特に自動車関連に向けた機械システム化が提案できる点で強みを発揮してきた大阪機工。MECT開催地の名古屋は、その自動車部品加工の多い重要な市場。MECTでは3号館の入口付近という絶好のポジションを活かし、同社ブースを訪れた人数は約400人と当初の予定を上回った。
 MECT会場で展示した「VM5」「VP400‐5AX」の選択も自動車・航空機等の部品加工に向けた機種。会期中、多くのユーザーが同社ブースを訪れたというが、中部地区が昨年中頃以降の自動車関連を中心として落ち込みを見せる中、商談がいくつか進む等、手応えがあったという。「中部地区の現況を考えると、反応は良かったと思う。機械のことを良く勉強された上で来られた顧客も多く、より深いお話が出来た。今後の提案に役立つような、数字の面以外の収穫も多かった」(名古屋支店長)。
 最近では、浜松周辺での落ち込みが見られてきたという。浜松に生産拠点を置いていた車・2輪メーカーが、国内では九州方面に、国外では東南アジア方面に拠点を移していく中、この数年、同地区での設備投資意欲を支えてきたビックスクーターの生産が、今年度に入り、一服感を見せ始めたからだ。
 このような中、同社では、難削材の高能率加工の提案を進めている。
 MECT最終日に「5軸・複合加工と工具・ソフトウェア」のテーマで開かれた、機械・工具等のメーカー6社が共同提案する技術セミナーにも参加した。機械ユーザー約60名相手に講演した担当者によると「当社では、5軸機『VG5000』の紹介を軸に提案を行ったが、顧客からは『なるほど』といった反応が見られ、お客様の間で『5軸』が定着していることは感じた」とのこと。「現在、航空機部品加工分野などを中心に、難削材の加工が増えてきている。当社の特長といえる機械剛性をしっかりと持つ5軸機を用いた加工の提案を行っていきたい」。
 国内を中心に、中小型のマシニングセンタが主力の大阪機工。今春の人事で役員の顔ぶれが大幅に変わる等、社内の若返りが進んでいる。また、製造面と販売面とのバランスの舵を取る営業統括室を設置する等、ユーザーと製造現場を近づける体制作りも進めている。若手社員の間から「自分が勤める会社だが、これからが楽しみになってきた」との声も上がっている。






 松本機械工業

 「異形ワーク・特殊大型」チャック製造に注力
 8月末に、決算を迎えた松本機械工業。NC旋盤用チャック、NC円テーブルの特殊仕様機の製造に強みを発揮している。売上げを前年比で大幅に伸ばしたというが、国内でも、アメリカ・東南アジアなどの海外でも、ユーザーの特殊品へのニーズの高まりがこれを後押ししたという。中でも、ホイール加工用フィンガーチャック、航空機部品加工向けの完全防水の特殊NC円テーブルなどの販売が好調に推移した。
 今期の目標は昨年度からさらなる上積みを図ること。チャックに関して、これまで以上に大型サイズへのニーズが増えているといい、その新たな市場にいち早く対応することでさらに業績を伸ばす事をねらう。
 その一環として、今年に入り、本社工場を一部拡げ、2m弱までのワークの加工が可能な立形マシニングセンタを導入した。大型ニーズに対応するだけでなく、これまで外注に依存していた大物部品の加工も社内で行い、部品の内製比率を高める狙いもある。
 「当社のような小規模のメーカーは、アセンブリの比率が高くなってはいけない」。こう話すのは中森敏男常務。現在は、営業を纏める立場だが、元々は製造畑出身。その頃の知識が、顧客に商品の説明を行う際の説得力となっていることを実感するという。「モノを削って、体で覚える。加工ノウハウをためるにはこれが基本で全て。工具の選択、ワークの素材、機械の扱い、これら切削条件の知識が加工ノウハウに繋がる。それらがあって初めて、自社の商品の特徴を理解し、説得力のある説明を顧客にできるようになる。創業以来59年。社員たちが地道にこれをやってきてくれた。この伝統は今後も守り続けていかなくてはならない」。
 顧客先を廻り、ニーズを収集し、製品作りに反映させる。また、アフター面では、製品に対する評価を真摯に受け止め、改良点を模索、何か問題があればすぐに解決する。この当たり前のことも『地道』に行ってきた結果、「松本機械ファン」を着実に増やしてきた。クレーム処理を迅速に対応した結果、同社のリピータとなる例もある。アフター対応の早さに手書きの礼状を送ってくれるユーザー、地方の展示会の同社ブースに地元の名産を手土産に訪れるユーザーなど、熱烈といえるファンがいる。
 メーカーの製造力は、社員の能力に掛かっているとの信念から、「ものづくりは人づくりから」と人材育成には力を入れる。毎朝全体朝礼を行い、日替わりで担当者を決め、全社員の前で話をさせる。社員の身だしなみにも口を出す。さらに、今年からインターンシップ制度を導入した。現在、来春に就職予定の学生が通勤している。
 「社会人・企業人としてのモラルを持ち、人前で自分の考えを伝えられる人間を育成することは企業としての役割。結果、他人との交流が出来るようになる。その中で感性を高め、『気づき』の配慮を持てる社員を育てていきたい」。
 今年度に入ってすでに、太径チャックへの注力の成果が早くも現れつつある。これまで、φ260mmを超えるような太径のバー材を、NC機を用いて無人加工することは難しいとされていたという。把握するチャックと支えるシリンダーを請け負えるメーカーが無かったからだ。しかし、今年に入って、同社がある工作機械メーカーの要望に応え、32インチ(貫通径260mm)のチャックと、そのペアとなる油圧シリンダーを作成した。これが、オイル関連のユーザーに、非常に高い評価を受けている。
 企業が人を育てること。メーカーがモノを作ること。これらは、いわば当たり前のことだ。しかし、その当たり前のことをどれだけ地道にやり続けることができるかが企業力の下支えになる。大手企業が何社かある業種の中、北陸・金沢の地で、独立独歩でやっている松本機械工業。日本のものづくりは中小企業が支えているといわれているが、その最たる例を松本機械工業が実証している。