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 航空機産業最前線のものづくり<川崎重工業・西神工場>

 

 
ものづくりの現場で、航空機産業が「良い」と言う。その良いと言う意味は、「仕事があって、クルマほどコスト競争が激しくない」と言った意味のようだ。町工場の中には、「ボーイング社認定工
場」の看板をメシの種にするところも出てきた。また、自治体では、中小企業振興策として、航空機産業をターゲットにした研究会の音頭とりもはじまっている。そこで本紙は、航空機産業の最前線のものづくりの現場を歩いてみた。
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 航空機のエンジンをつくる川崎重工業・ガスタービン・機械カンパニーの西神工場を訪ねた。
 この西神工場、1990年に明石工場で増産対応が困難になったことで、機械加工を中心に設立された。そして、今ではエンジンの部品の機械加工の大部分と組立てがここで約150名の規模で行なわれている。当初は、第1工場だけであったが、昨年には第2工場が完成、さらに第3工場も建設中で、この10月には完成の運びとなる。そして、同じ敷地内に精鋳工場を建設中と言う様に、急ピッチで規模拡大が図られている。
 これも、世界的な航空機の増産と大きく関係している。
 今から5年前、航空機産業を取り巻く環境は、実に厳しかった。仕事量は激減、足まわりを生産する住友精密などは、20社近くあった協力工場会を解散してしまった。
 その当時からみると、様相は一変したわけだ。
 川崎重工業が生産を担当する航空機エンジンは、大きくわけて、民間用と防衛省関係のもの、いわゆる民需と官需がある。
 そして、忙しいのが民間用の民需。民需の主力をなすのが、間もなく引渡しがはじまるボーイング787用の「トレント1000」エンジン。
 このエンジンの生産主管は、ロールスロイス。川崎重工業は、この新エンジンの開発費用の一部を負担し、エンジンモジュールの生産を担当しているわけだ。
 そのエンジンモジュールの部品の機械加工を、この西神工場で集中的に展開を図ろうと計画されている。それが、工場の増設に象徴されるわけだ。その工場を見せてもらった。幅50メートル、長さ170メートルの第1、第2工場は、新規の工作機械が増設され、勢いを感じさせる。
 工場を案内してもらった生産統括部長の鈴木敏和理事は、「ここ数年で、この工場でのイノベーションは、自動化が進んだこと」と話す。
 エンジンの部品加工、典型的な多品種少量生産、部品点数約4千、ロット数も多いもので月ベース40個、少ないものでは2個と言ったものまである。加えて、チタンをはじめニッケル基合金等の難削材の世界だけに、自動化もかなり厄介な作業だ。 その自動化が比較的進んでいるラインが、ターニングセンタで構築されるライン。
 「機械設備も、かつては専用機で多品種少量でやってきたが、それも今は複合機の時代に入ってきた」と重政敏久生産技術部長。
 「自動化をさけて通れないのは、生産性の問題もあるが、ポカミスを防止したい狙いもある」と鈴木理事。
 このポカミス、同工場では「仕損じ」と呼んでいるが、かつては、1千万円もする材料が、仕損じで、スクラップになったこともある。 そうしたポカミスは、機械にデータを入力する際に、数字や小数点を読み違えたりするような単純なことが大部分だと言う。
 「工場運営者にとっては、この仕損じに最も神経を使う。他社ではどの程度の仕損じなのか、教えてもらいたいぐらい」と鈴木理事。
 同工場で、今ひとつ頭が痛いのは、増産対応で発注した工作機械が、なかなか入って来ないことだ。
 「納期が30ヵ月と言うものもあった」
 「今のように忙しくなるとは、数年前はなかなか読み切れなかった。正直、設備の発注も一年遅れた」と重政部長。
 こうした現象は、同社に限ったことではないようだ。同じエンジンをつくる三菱重工業にしても同じ。
 この忙しさは、外注先きの確保も大きく影響している。
 「今は、外注さんに、仕事もお願いする立場。良い設備を持っているところは、他社に押さえられたりで、一部ではあるが、外注を海外でお願いする状況」と鈴木理事。
 難削材で、機械加工に自信のある工場は、こんな状況だから、航空機業界への参入は今がチャンス。
 外注への方向性としては、荒加工は外注に、仕上げは社内でとの流れにもなっている。同社では、この外注についても、「ナニを出すか、出さないか」のガイドラインを早急につくる方針でもある。
 
 川崎重工業が参画している「ボーイング787機」搭載用のTRENT1000のエンジンは、排出ガス20%削減の最新型。
 同社の生産担当は、中圧圧縮機(IPC)モジュール設計、製造、組立で、シェア8・5%。IPCモジュールはエンジンを構築する主要モジュールのひとつ。




 来年で60周年迎える京二
 三菱重工に不二越製品の納入、販売でスタートした機械工具の販売商社、京二が来年10月に創業60周年を迎える。06年にはISО14001の認証を本社のみならず、南関東、千葉など全営業所で取得するなど、環境への取り組みに熱心なことでも知られる。そして昨年の07年には「購買代行の具体化をめざす」とのサブタイトルのもと、会社案内も一新され、60周年という、記念すべき節目を前に、井口勝督社長以下、全社員が決意を新たにした。
 「不二越の基幹代理店として、販売に努めてきた。現状の当社の売り上げに占める不二越製品の割合は5割を占める。ベアリング、油圧機器が中心だが、昨年から商社機能を充実させていくため、商品群を増やしていこうと決意。なかでも切削工具を中心にしたいと考えた」
 井口社長は、今、業界で注目されている中国の株洲工具販売の経緯をそう説明する。昨年のJIMTOFでは「中国の超硬工具メーカー日本上陸」として大々的にアピール。1000社が来場し、鋼材加工用の「YBC」シリーズ、鋳物加工用の「YBD」シリーズを中心とする同社の製品群に高評価を得たという。
 「棒モノとチップの販売がメインだが、金額的には月間、500万円ベースで推移できるよう計画している。新たにエンドミルの販売に踏み切ったのも、株洲というブランドを市場浸透させていくことでより広範なユーザーを捕え、現場のコストダウンに寄与していくとともに、売り上げアップを図る狙いがある」
 JМミルと呼ばれるこのエンドミルは、溝切削、側面切削、端面切削の荒加工用の2枚刃と仕上げ加工用の4枚刃、6枚刃をラインナップ。素材は株洲独自の超微粒子素材とドイツの有名素材メーカーのものを採用しており、コーティングはNC-TIALNナノコーティング技術を取り入れている。
 日本製同等品に比べてユーザー価格が2割〜3割ほど安く、比較試験の結果、性能面でもまったく遜色はないと言う。JIS規格に基づき製作されているため、客先では型番だけの注文で済み、納期の点でも在庫リストにある商品群は2日〜3日と言う。
 「中国製品は、この株洲工具を中心に、上海工具のハイス工具、漢江工具の歯切工具・ブローチなどの拡販を掲げ、中国製品をトータルで月間、1000万円の販売を目標に掲げた。従来の日本製にはない
メリットを肌で感じていただければ幸い」と井口社長は訴える。(写真:環境への取り組みは社の掲示板にも貼り出されている)




 サンドビック
   
 切削負荷を均等に分散「コロマント・キャプト」
 日本の切削工具の現場では、過去、50年の間で最も大きな流れの変化が見られる。ロウ付け工具からスローアウェイに切り替えられた時代から、さらに今ではスローアウェイシャンク工具がコロマントキャプトというクイックチェンジ・モジュラー工具をベースにしたスローアウェイ工具に置き換わりつつあると言ってもいい。
 コロマントキャプトの市場投入から18年。売り上げは常に前年度を上回り、今年の売り上げも50%アップを記録。複合機はもちろん、ターニングセンタ、マシニングセンタへの搭載も進み、工具の標準化が加速している。
 通常のシャンク工具よりも送りを50%以上アップさせることができるうえ、高精度、段取り時間も短縮でき、作業者の安全管理も容易といった理由も導入を加速させる一例には違いない。
 機械の停止時間をどれくらい少なくすることができるかが加工費削減のポイントだが、たとえば、旋盤加工の場合、チップ交換に平均2分〜3分必要で、その間、機械は停止。ホルダーを交換するとなると5分以上はかかる。
 コロマントキャプトの場合、機外でチップをセットしたヘッドの付け替えだけで済むためわずか20秒で事足りる。繰り返し取り付け精度はXYZ軸ともに±2μm、刃先位置の信頼性も高い。キーを持たないポリゴンテーパ2面拘束カップリング構造のため、カップリング部に"遊び"がなく、切削負荷は均等に分散。その結果、全体の剛性が高く、精度向上に繋がるという仕組みだ。
 主軸に角度を付けて工具を保持する能力を備える複合加工機では、多機能工具コロプレックスにより、工具の集約化、工具交換時間の短縮、さらには新たな加工の可能性を模索することができ、機械停止時間の短縮に寄与できる。
 加工の能率を上げるためには機械の停止時間を短縮することと並んで課題になるのが切削速度を上げるか、送り速度を上げるか。耐摩耗性、耐欠損性を上げることがチップに求められる所以だが、加工においては突発的な欠損も致命的となる。
 鋼旋盤加工用GC4215、4225、4235は、いずれも耐塑性変形性に優れた母材に厚膜Al203コーティングが施され、高温での高い耐久性と耐クレータ摩耗性を実現。さらにブラック・ゴールドコーティングが引っ張り残留応力を緩和し、チップのすくい面を平滑化することで欠損を抑制、ウェット、ドライともに安定した高速加工を可能とする。
 切削速度は従来品に比べ15%程度引き上げて使用できるうえ、寿命延長にも繋がる。特に、P15領域の加工で問題となりがちな断続加工や加工部品硬度に不均一があってもGC4215は突発的な刃先の欠損もなく、加工部品の数量を増やすことができる。
 フライス加工用ブラック・ゴールドコーティングでは、鋼加工用としてGC4220、4230、4240、鋳鉄用としてGC3220が切削速度と生産性向上に寄与。さらに新開発されたブロンズPVDコーティングのGC1020、1030はあらゆる被削材に対し刃先の信頼性が高く、機械の停止時間削減が狙える。
 サンドビックでは提案営業力をより浸透させるために現在、名古屋にプロダクティビティーセンターを建設中で、年末には本稼働の予定。高性能・高品質の加工技術、加工コスト低減、客先での問題解決-の3機能を追求するセンターとなる。24時間フリーダイヤルコールセンター(現在神戸本社で稼働中)で客先の困りごとに対応、最新工具の紹介を通じて様々な提案を行なっていく。(本文はサンドビックからの投稿をもとに、本紙で手を加えました)
 セミナー開催
 サンドビックは、メカトロテックに先駆け、ユーザーや、購入検討者、商社等を対象に技術セミナーを中部地区で開催した。

 9月12・13日に航空機フェアが岐阜で開催され、航空機部品関連ユーザーや、これから加工に関わりたい業者など、100名以上が参加した。
 テーマは、高まる航空機需要をうけての、難削材加工。チタンやインコネルなど、素材と工具に応じた削り方や、クーラントの供給に工夫を凝らしたものなど、サンドビックの最新工具を通して、加工業者の日頃の悩みを解消し、生産性向上に貢献する技術情報の提供の場となった。
 ユーザーの参加動機は、「これからは難削材が増える、初めて難削材を削る」など、情報を求めたものが多く、今後の工具については、「欠けにくいチップが欲しい」「ホルダーも強化して欲しい」「寿命を延長して欲しい」「交換・停止時間を削減したい」などの性能への要望のほか、「このような技術情報セミナーを開催し続けて欲しい」との声も多くあった。
 19日には自動車産業フェアが刈谷で開催され、自動車金型や部品メーカーなど、60名ほどが参加した。
 量産加工で抱えている諸問題に対し長年の加工経験を生かしたサンドビックならではの生産性向上とトータルコストダウンの提案が行われた。
 テーマは新材種チップや特殊品とその成功事例の紹介、コロマント・キャプト。キャプトは実際に触って交換の仕方が体験できるよう展示され、注目を集めた。
 電装品メーカーからの参加者は、「工場設備のレイアウトに余裕が無くなり、作業しやすいツールが必要になってきている。その意味で、キャプトは段取りがし易く、省スペースにも役立ちそう」と期待を述べた。 また、特殊品については、「素材が硬く、製品が複雑になり、一体物の複合工具が必要になっている。特殊品には、計画から、見積もり、納入までの迅速化を期待したい」との意見もあった。
(写真:難削材加工への関心は高い)




 宇都宮製作所

 「XGR-DD]の拡販開始
 
昨年のJIMTOFでも注目された「XGR-DD」がメカトロテックを機にいよいよ本格販売に踏み切ることになった。およそ4年前に販売スタートを切った「TGR-200」は、もうすぐ200台出荷を見るまでに順調に販売を伸ばし、今や、宇都宮製作所の「顔」になりつつあるが、旋回軸にダイレクトドライブモータを採用した同社の新たな方向性を追求する新製品として、「XGR-DD」はもうひとつの"幹"を模索する意欲的な取り組みと言えるだろう。開発に当たった十日町工場の田中敦則技術部長を訪ね、そのコンセプトを聞いてみた。
 旋回軸へのダイレクトドライブモータの採用は、XGRが初めてではない。
 TGRシリーズのフラッグシップマシンである「TGR-300」で採用され、1年近く前に導入したユーザーからは、たとえばテーパーボールエンドミルのR精度、角度といった点ですこぶる評判がいい。ウォームギアだと精度に影響を与えてしまうバックラッシが発生し調整の必要が出てくる。精度維持の点での優位性はすでに実証済みだ。
 「直行軸はボールねじ、旋回軸はダイレクトドライブモータという流れになってくると思う。今後の日本の工具づくりでは精度勝負がいっそう重要視されるからだ。XGRは精度への影響を極力排除するバックラッシレスを狙って開発がスタートした」と言う。
 切削工具は10ミリ前後の径が多いということを考慮して、コンパクト化という点も開発のテーマに掲げられた。「大きい機械はあまり要らない」という声を集約した形だが、その外観は実際、従来の宇都宮製作所の工具研削盤のイメージを一新している。
 「また、開発のプロセスの中で、小径工具の製作に適した機械であることもわかってきた。C軸、A軸の精度が良く、コンマ1まで狙えそうだとの結論に達した。周辺技術も大事になってくるが、小径工具づくりの可能性を追求できる機械としても期待していただきたい」
 XGR-DDのセールスポイントをまとめると、バックラッシレスによる機械の長寿命化をはじめ、旋回軸の精度の高さでボールのR精度は3μ以下を簡単に行えるばかりでなく、1μ以下も可能という点だ。
 「販売のターゲットは工具メーカーで、当面は月間2台の販売を目標にしたい。3Dも現在、開発しておりメカトロテックで参考出展する。他社製品とは違いボタンひとつの操作でシミュレーションできるようにしている。是非、立ち寄って頂き参考にしていただきたい」
 宇都宮製作所のユーザーからの高評価で忘れてならないのがソフトへの評価だろう。アレンジが容易で、オリジナル工具への対応もユーザーの側で難なくできるという点だ。
 「工程の追加工も簡単。たとえば、ドリルでは、溝を切って、外周の逃げをつくり、先端の刃付けを行なってシンニングをするというプロセスを、制作上、剛性を考えて先端の刃付けから始め、溝を切り、外周の逃げをつくりシンニングをするという加工手順の変更も行なえ、試行錯誤の幅が広がる」というメリットがある。
 工具研削盤は需要が一段落しつつあるとの声もあるが、一方で、工具の精度アップ抜きには客先に浸透しないとして、工具の「精度競争」は却って熾烈を極めてくることが予想される。高精度志向の機械への潜在需要は逆に高まってくることを考えると、ダイレクトドライブモータを採用したXGRへの評価を楽しみにしていきたい。




 イスカルジャパン

 伸びるカムドリル
 イスカルジャパンが国内で最初にヘッド交換タイプのドリル「カムドリル」の販売をスタートさせて6年になるが、そのインサートの販売額が、月間5千万円に達したことを明らかにした。
 このヘッド交換ドリル、発売当初は、余り大きな反響を呼ばなかった。
 それと言うのも、超硬ドリルでは、刃先き交換タイプのドリルが、ユーザーに定着して20年以上にもなり、ソリッドのドリルも、超硬合金の製造技術も格段に向上したことで、ハイスドリルから超硬へのシフトが急ピッチに進みつつある。
 そんなところに、ヘッド交換式のドリルの登場であった。
 そのセールスポイントは、機上でのセットアップが不用のため、機械稼働率がアップするほかに、ソリッド工具レベルの精密な穴加工が出来ると言うことだった。
 発売当初は、もの珍らしさが勝ったものの、ヒット商品の販売軌道にのることができなかったものが、ここ3〜4年、地道な販促が効き急速に売上げを伸ばしはじめた。
 そして、3年前からケナメタルも、「KSEM」の商品名で、この分野に進出、イスカルとの競合関係が生れた。
 さらに、直近では、ケナメタルと提携した京セラが、このヘッド交換式ドリルに進出する動きも見せるなど、賑やかになってきた。
 切削工具で、ドリルの市場は全体の30%を占めるほど高い。
 そのマーケットをめぐって、TAドリル、ソリッドドリル、ヘッド交換式ドリルが、覇権を競っているわけだ。
 ドリル市場に新たに参入したヘッド交換式ドリルは既存のドリルに対して、ソリッドの分野に、新たなマーケットを見出している。
 加工精度については、ヘッド交換の工具は平均的にソリッドと互角に闘えるまでになった。
 経済的に見れば、再研磨が不用なことで、φ8ミリ径以上は、交換式は評価が出てきた。
 特に太物になると、経済効率は圧倒的にヘッド交換が有利な状況と言う。
 ヘッド交換式ドリルでトップを走るイスカルジャパンは「競争相手が出来るほど、マーケットも広がる相乗効果がある。まだまだ伸びる商品」と、その手応えの確かさを話す。





 ユキワ精工

 ツーリング部門のアピール急務
 昨年9月、ユキワ精工はツーリング無償キャンペーンを実施した。他社製との比較検討を通じ「いいデータが取れた」ようだが、評価とは別にこの1年、なかなか新規獲得までには至っていないと言う。高精度、高能率加工の点でユキワファンは根強い。その意味では落ち込みはないものの、新規ユーザーの「ツーリングのサプライヤーは1社にまとめたい」という現場の管理上の壁の厚さが立ち塞がっている。
 営業を指揮する岩田和雄営業本部長は「このジレンマを何とかしたい。その手立てとして、10月からある切削工具メーカーさんと共同で、刃物とのシステム販売を実施していく予定にしている。どんな反応が得られるか、未知数ではあるが、当社にとっても刃物に対する認識が深まるメリットがある」と客先での刃物とのシナジー効果を期待し、その第一歩を踏み出していく。かつて住友電工からマルチドリルが販売された当初、それを掴むツーリングがなく、セット販売を仕掛けた経験がある。従来以上に客先ではトータルソリューションを求める声が強い。ホルダー単体の販売では得られないプラスαが期待できるだろうと思う。
 コレットホルダーを世に問うて20年以上になるが「ユキワ精工にツーリングのラインナップがあることすら知らない業界人は多い」(岩田本部長)とも言い、アピール強化も併せて進める必要があることが強調された。ユキワ精工では、ロータリーテーブルの反応が良く、保守メンテを含めて、対応が忙しいのも事実だが、それ以上に「ツーリングのユキワ」を浸透させていこうとする意欲を感じる。
 「自動車部品メーカーとIT関連が当社の2大ユーザー。ツーリング関係は圧倒的にIT関連のユーザーだが、メカトロテックでは自動車、金型など、加工業態別の展示を工夫したい」として、来場者にわかりやすい出展を心がける。




 三菱電機産業メカ事業部

 金型・部品両分野にトータル提案
 付加価値の創造と新しいものづくりを提案し、生産性の向上に応えるー三菱電機産業メカトロニクス事業部は、メカトロテックで新製品の出展を通じて、その真意を訴える。
 部品加工をはじめ、幅広い用途に活用できる裾野の野広がりを狙った「ベーシック」ワイヤ放電加工機や需要が高まっている細穴加工向けに本格NCを搭載した「MEMH43S」、また、レーザー加工機分野では、連続稼動に意を尽くした高速高精度の「ML3015NX-40-CF-R」など、発売から間もない新製品が目白押しとなる。
 CNCでも自動車業界向け加工ライン用の新型C70シリーズが登場し、中部市場を意識したアピールが目を引く。
 「当社のラインナップの特徴は、金型関連のみならず、部品加工分野にも注力している点だ。その意味でもトータルな生産性向上を訴えることができると考える」と広報担当者は強調した。




 牧野フライス製作所
 進化した V33 iバージョン
 牧野フライス製作所は、今年バージョンアップした立型マシニングセンタのV33iを中心に計5機種と加工サンプルを展示する。
 V33iはロングセラーのV33を進化させた金型向け立型マシニングセンタ。インターモールで初披露し、半年が経過するが、「精度などを証明できるサンプルが出てきた」と言い、デモと豊富なサンプルを展示する。
 このV33iを始め、同社が提案するのは金型加工のコストダウンと工程短縮。
 V33iは、曲面形状測定機能(特別付属品)を搭載しており、最近高まりつつある品質管理・精度評価要求に答えるための測定機能を内蔵させた。精度は±3〜4μmで、測定器へ移動、計測、加工機へ戻し、修正という手間を省くことができる。会場でもデモを行う。
 放電加工分野では、電極に使用する銅価格の高騰を受け、グラファイト電極への移行を提案する。これまで、銅電極で加工したほうが、面粗度が良いとされてきたが、近年グラファイト材の性能が良くなり、銅の加工精度に近づいてきている。加え、銅より加工しやすく、加工時間にして1/5ほどですむため、米国などでは銅よりも広く使われているという。
 銅価格は従来の4倍ほどに高騰してきているため、グラファイト加工機V22で電極を加工後、NC放電加工機EDGE2で放電加工へ移りコストダウンを提案するもの。
 このほか、1000nの高トルク主軸を持つA81Mで、チタン、グラファイト鋳鉄など難削材の効能率加工を提案する。




 住友電工ハードメタル

 高能率加工に向け多数提案

●高能率汎用カッタSEC-ウェーブミルWEX
 刃先強化した低抵抗チップと高剛性ボディが高能率加工と高品位仕上げ面を両立するのは『SEC‐ウェーブミルWEX』。チップのバリエーションが多く、ポケット加工、ヘリカル加工、溝削り加工、肩削り加工、傾斜加工など、幅広い加工に対応できる。
 ボディには特殊表面処理を施し、耐腐食性、耐擦過性を向上させている。また、ねじサイズを上げることでクランプ力と耐久性の向上にも繋がった。
 チップは独自の曲線状切刃を採用し刃先の強化と切削抵抗の低減に成功。この高精度切刃が仕上げ領域に近い高品位な加工面の獲得を実現している。深溝加工や機械剛性が低い場合でも加工をスムーズに行える。
 チップバリエーションも豊富。L型・G型・H型とブレーカ形状は3種類。材種は5種類(鋼用3種・鋳鉄用2種)。超多層PVDコーティング「スーパーZXコート」や「スーパーFFコート」を採用した新材種も含むんでいて、あらゆる被削財において幅広い加工に対応できる。
 カッタの全型番には、エア穴を付けている。エア及びクーラントを用いて切屑排出性の向上も図っている。

●非鉄金属専用高速・高能率カッタ SEC-ウェーブミルWAX 3000型
 アルミ合金などの非鉄金属加工に向けて特化しているのは、非鉄金属専用高速・高能率カッタ『SEC‐ウェーブミルWAX3000型』。面削りから掘り込み加工まで対応できるので、これ1台あれば粗加工から仕上げ加工までをやり通せる。ランピング加工やヘリカル加工も可能。チップは遠心力が掛かっても飛散しない安全な設計になっている。また、チップすくい面にラッピング処理を施しているが、さらに耐溶着性を高めるDLCコート品もラインナップ。
 カッタの刃径はφ20mm〜125mmまでを準備している。

●ステンレス鋼旋削用コーティング材種エースコートAC610M/AC630M
  『エースコート AC610M/AC630M』は、難削材とされるステンレス鋼の旋削加工に最適なコーティング材種。高速?粗加工までの幅広い用途で工具寿命の延長が可能となり、工具コストの低減が図れる。
 「AC630M」は密着力の高い新コーティング膜により、ステンレス鋼加工上の問題である溶着損傷と境界損傷に強く、長時間の切れ味を持続できる。強靭な母材と組み合わせることで安定した長寿命化に成功。また、一般鋼加工においても、シャープな刃先と欠けに強い材質により、細径加工や薄肉加工時のビビリ発生の抑制や、一般?弱断続加工時の寿命を安定化した。
 一方、「AC610M」は、ステンレス鋼の高速・高能率切削加工に強い材種。高強度母材を適用していて熱伝導の低く、刃先温度が上昇・発熱しやすいステンレス鋼の高速・高送り加工時においても変形と磨耗に強く、長寿命が得られる。





 大阪機工

 「VP400-AX」と「VM5」を展示
 「1加工現場に1台はOKKが設備」を目指す大阪機工は、MECT2007に展示機として5軸仕様の『VP400‐5AX』と同社のベストセラー機『VM5』を出品する予定。
 現在、機械需要に関して内需が一服感をみせ、外需が引っ張る展開をみせている。マシニングセンタに関して、ヨーロッパ・アメリカを中心とした市場では横形機への需要が多い。そんな中、昨年、同社は本社工場内に大型の組立工場としてV工場を設立。対策は進んでいる。
 一方で、ベストセラー機『VM』シリーズに代表される立形マシニングセンタに関しても、中国を中心としたアジア地区での拡販を進める模様。同地区では小型から中型クラスの立型機への需要が多いといい、同社にとっては今後も大事な市場となる。
(写真:“VM5”は7月のプライベートショーにも展示)





 グローイング 
 サイクロン方式で産廃が無い濾過へ
 工作機械の周辺機器を製造販売するグローイングが開発した、小型サイクロン式濾過装置「ダスキャッチ」が注目を集めている
 加工液の濾過装置に関して、フィルターを使わないサイクロン方式は従来から使われてきた技術だが、「ダスキャッチ」が従来品と異なるのは、そのコンパクトさ。新開発の特殊形状吸水口(特許申請中)を採用したことで、これまでよりも格段の小型化に成功している。
 サイクロン方式にはその構造上、機構の中に水流が流れない「澱み層」が出来てしまい、不純物が濾過されずに流れ出てしまうこともあった。しかし、小型化に成功したために水流の勢いが良くなり「澱み層」をほぼ無くすことに成功。目詰まりも無くなり長期間に渡りメンテナンスが不要になった。
 サイクロン式掃除機から開発ヒントを得たという渡辺秀一社長は「『ダスキャッチ』は、フィルターが無いので『産廃レス』。また、フィルターレス、メンテナンスフリーなので、ランニングコスト面でも優れていると思う。どうしてもフィルターが要るほどの精密濾過が必要な現場でも、フィルター方式の前段階として使っていただければ、フィルター交換の回数が大きく減る」と性能に自信を見せる。
 実際、同社が試験運用を依頼したユーザーでは、従来は300時間で交換していたワイヤーカット機向けの精密フィルターが、900時間を超えた今でも、目詰まりが殆ど見られないという。
 「ダスキャッチ」は、今年3月に開かれた「東陽ワンマンショー」で初めて公開され、以降、来場者を中心に多数の問い合わせを受けているという。すでに大手自動車メーカーからの試験採用のオファーが来ていて、年内にはテストがスタートする見込み。
 同社は、MECT2007では東陽ブース内に出展を行う。出品品目は「ダスキャッチ」の他に、水溶性切削油「グロークールミスト」、ミストクーラント発生装置等を展示する予定。




 日平トヤマ 

 立形マシニングセンタ「ZV4000」を展示
 超微細加工セル「Zμ3500」を旗頭に、汎用機「Z」シリーズの拡販に力を入れている日平トヤマ。4月のインターモールド、5月の微細精密加工技術展等、各種展示会への出展を行ったほか、6月末には同社の福野工場、富山工場でプライベートショーを開き、全汎用機をラインナップ。機械ユーザーに「汎用メーカー・日平トヤマ」のアピールを続けている。
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 今月17日から20日まで開催されるMECT2007に、日平トヤマは立形マシニングセンタ「ZV4000」を出品する。会場が愛知県(ポートメッセ名古屋)であることから、来場者が自動車・航空機関連の加工層が中心となることを見越し、一般部品加工から量産部品加工に幅広く対応できる機種を選択した。
 自動車製造ライン向け専用機製造に強みを持ち続けてきた同社だが、欠品ゼロを当たり前のように求める日本の自動車メーカーを顧客に持ち、そのニーズに応え続けた結果、同社に蓄えられたノウハウは「故障しにくく復元性の高い機械」の製造、という形に集約されている。同社のMC営業部、磯辺俊明課長の自社製品の「安定度」の説明にも力がはいる。「『故障ゼロへのもの造り』。これこそがNTCブランドを支えていると思う。トータル稼働時間の長さを要求される自動車メーカーさんを顧客に持つ環境が、それを実現する為の力を付けさせてきた。カバーで隠れてしまうような目に見えない部分にもこだわりを持って作りこみを行っている」。
 「ZV4000」もそれらノウハウがスペックの形で埋め込まれた機種。40番主軸のコラムトラバース型立形マシニングセンタで、旋回式の2面パレットを標準装備していて、ラインにも対応する。磯辺課長の言う「見えないところでのこだわり」とは、例えば、同機の左右対称構造がそれ。主軸台を支える柱は左右対称の門型で、X・Y・Z各軸のボールねじをセンターに配置してマシンバランス、精度の維持に配慮している。また、標準装備の2面パレットのターンテーブルもカービックカップリング方式でクランプし、剛性を確保。繰返し精度を高め、機械を長期間安定させている点も「こだわり」の結果。
 同社の機械の識別記号「Z」は汎用機に付けられるもの。「汎用機製造にも力を入れている同社が、汎用機械開発を進める中で蓄積した多品種少量向け機械の製造ノウハウを、同社に従来からある専用機製造技術に融合させたものが「ZV4000」。MECTが開催される名古屋は、自動車部品関連加工の機械ユーザーが多く、それらユーザーのニーズである量産ライン対応型の汎用機となっている。
 「多品種モノから量産モノまで対応」という謳い文句が、「ZV4000」の特長をよく表している。最高主軸回転数は12000回転と40番クラスでは十分な速さを持つ一方で、9トンの機械重量とマシン幅1600mmでは重め。作りこみによる機械剛性の確かさも感じ取れる。軸移動量は600mm×450mm×450mm、パレットサイズは520mm×470mmと、ストローク的にも量産部品、一般部品関わらず、ある程度何でも加工が出来るサイズ。「多品種モノの加工に要求されるスペック剛性と量産モノの加工に要求されるマシンスピードを両立させた機種。信頼性の高い汎用機の製造・販売を今後も進めていきたい」と磯辺課長。
 工具自動交換装置においては、標準収納工具数が32本とライン対応型機としては多めの設定。従来機への「20本ではちょっと足りない」との多品種ユーザーの声に対応した。また、φ250mmの工具にも対応できるようにしている(工具数は16本まで)。
 汎用機展開の中心である「Zμ3500」のの知名度も順調に上がってきているようで、磯辺課長もそれを肌で感じる瞬間があるという。ある商社が開く展示会に出店していたときのこと。ブースを訪れたユーザーが「もはや、設備機械の名前で仕事を獲得できる時代ではない。しかし、『Zμ3500』ならば、仕事がもらえると思うので設備をしたいと考えている」とつぶやいたのだという。「最近では、多数穴加工に向いているという声を良く聞くようになってきた。『金属接触ゼロ』で磨耗が無いのだから延々と動き続けられることが評価されてのことだと思う」。
 「故障ゼロへのもの造り」を掲げる日平トヤマ機の展示はMECT2007、ブース番号【3B09】にて。




 碌々産業

 熱変位を極小化する「H・I・S」制御を導入
 日本で残るものづくり現場は「無人運転」を志向する-碌々産業の海籐満営業副本部長はそう、きっぱりと語った。グローバル化の中で海外との競争に打ち勝つにはヒトへの依存度を減らしつつ、高精度なものづくりを追求するしかないという問題意識だ。
 「となると、我々に与えられた課題は、長時間の無人運転での高精度化を可能にするために熱変位をいかに抑えるか。その際にポイントになるのが、Z軸はもちろんの事、Y軸の変位をいかにして抑えるか」
 碌々産業では、この点を考慮し、タテ型マシニングセンタの特徴とも言える、長時間運転で生じてくる「Y軸の前後への移動=変位」を極力抑えるため、今年の4月から主力機種である「MEGA」「CEGA」に「H・I・S」制御を搭載し、微細・長時間運転へのサポートを開始した。
 この制御システムは熱分離システムと呼ばれ、主軸頭ユニット内に「オイル循環強制冷却式広域ジャケット」を装備する熱対策を講じたほか、主軸ハウジングにも熱交換用オイルを強制循環させた「二層ジャケット式」ハウジング・サドルへの伝熱対策を施すことで、Y軸方向姿勢変位量を従来機比でおよそ25%以下へと極小化。さらに主軸ハウジング内には「強制排熱用ファン」、主軸熱交換用オイルコントローラ室温センサに「ヒートキャパ」をそれぞれ採用している。また、機体への熱伝達を防御するため、制御盤を本体から150mm分離するなどの工夫も凝らされている。
 「Y軸の変位は、特に多数個取りで煩わしさが増し、従来は客先の経験則で補正を行っていた。4月の『H・I・S』制御搭載からMEGA/CEGAを月産10台体制で生産を開始。今後は全機種への搭載を検討している」と言う。
 10月に開催されるメカトロテックでは、無人運転を志向するユーザーを意識して「MEGA-S/E60H」を出展。60パレットを搭載し、完全無人化連続運転のためのシステムを披露していく。
 「精度の点ではますます、ブラッシュアップされ、5μ以内が求められている。機上測定して、フィードバックするところまで提案できれば、さらなるニーズに応えられると考える」
 国内の微細・高精度なものづくりへの支援を基本におきつつも、同社でも海外比率は50%を占めるまでになり、微細加工機のパイオニアへの要望は海外、特に韓国、中国、台湾などを中心に広がってきているのも事実だ。
 「たとえば、韓国では、サムソンの研究所でNANO21、MEGAが導入された。リニア駆動機が欲しかったそうだが、面品位、深さ精度が評価されてのこと。台湾ではクオンタで実績を積み重ねつつある」
 中国ではMEGA,CEGAを含む120台以上のマシンが稼働しており、このメンテナンスサポートを主な目的として来年の4月から昆山にサービス拠点を開設。本格的なサービス業務を開始する。
 「昆山には、当社の代理店があるほか、台湾人が25万人活動する土地柄で、アフターサービス拠点を設立する事によって安心して使っていただき、よりいっそうの拡販に繋げていければと思う」
さらにアメリカでも駐在員事務所設立の準備中で、10月から業務開始の見通しと言う。
 「H・I・S制御を搭載したMEGA,CEGAを主力に、後半も闘っていきたい。機械の使い方、メンテナンス、ソフトなどを含めたトータルな『微細ブランド』を構築してパイオニア的地位をより強固としたい」 (写真:8月には静岡工場で「深彫微細加工」をテーマにしてユーザーを案内した)




 ダイジェット工業
 “より早く”“より高精度に”多様化するニーズに応える製品群
 ダイジェット工業は「金型加工」「アルミ加工」「穴明け加工」の分野で"より早く"・"より高精度に"というテーマに取り組み、多様化するユーザーニーズに応える新製品群を、加工事例を交えて出展する。また、同社の柱の一つである耐摩・耐蝕工具も出品する。 また、これらも含め、最新金型加工用工具による高速・高能率加工をプレゼンテーションにて紹介する。
◆ ◆ ◆
モジュラーヘッドシリーズ
各種モジュラーヘッドとオール超硬シャンクアーバ『頑固一徹』との組み合わせによる高能率金型加工工具。超硬シャンク採用によるびびり抑制効果で、スチールシャンク比2〜3倍の高能率な加工が可能となり、コストダウンに貢献する。

リード溝付高送りダイマスターSKSL形
 金型のポケット部荒加工に最適の、切り粉溝付高能率加工用工具。従来工具では切り粉溜まりによる工具の損傷が見られたが、当工具はカッタ本体及び専用アーバにつけた切り粉溝の効果により、切りくずが攪拌され、噛み込みによる工具破損を防止した。

ニューバックアンドフォースカッタPFC形
 金型のスライド面の往復加工用工具。従来の刃長の長いハイスや超硬付け刃のエンドミルでの加工では、加工時間が長い上に倒れやうねりが出やすく、面粗度も悪かった。
 ニューバックアンドフォースカッタは往復切削を行うことにより加工時間にムダがなく、タオレも発生せず、加工面粗度も良好。
 チップ材種は超硬コーティングに加えCBNもラインアップしており多様なニーズに応えた。

テクニカルワークショップ
 金型加工の最新技術紹介の講座を以下の要領で開催する。内容は国内外金型業界における潮流を最新工具の実例を交えて紹介。
▼日時 10月20日(土)14:00〜15:15▼場所 ポートメッセなごや 交流センター 第3会議室▼テーマ 世界の金型加工事情と最新工具について▼講師 切削営業技術室主任 住田輝幸  【小間番号 2B26】





 日本特殊陶業

 「STICK DUO」を新発売
 日本特殊陶業はMECT2007で、内径加工用工具「STICK DUO」を新製品として出品する。
 「STICK DUO」は棒状の内径加工用工具で、ボーリング加工用、溝入れ加工用、ねじ切り加工用に3種類のラインナップを用意している。材質としては微粒子超硬にPVDコーティングを施した「ZM3」を採用。耐溶着性、耐欠損性に優れている。工具突き出し量はワークに併せて変更可能で、経済性を考慮した2コーナー仕様にしている。
 ボーリング加工用にはSブレーカ『SBFS型』とFブレーカ『SBFB型』の2種類をラインナップしている。Sブレーカは切れ味に優れており良好な切削が可能。Fブレーカは倣い加工・ヌスミ加工が可能な30度切れ刃。切屑の排出性を良くするためにチップポケットを幅広く取っているが、バックテーパを付けることで根元の剛性は確保している。同社独自の切屑を手前に良好に排出できる能力により、ワークの加工面に傷がつきにくい。シャンクサイズをφ2ミリから用意しており、最小加工径はφ2.2ミリから。刃先コーナーRは、R0.05とR0.15をラインナップ(但し、シャンクサイズφ2はR0.05のみ)。
 溝入れ加工用には『SBG型』を準備。溝幅は0.5、0.75、1.0、1.5ミリをラインナップ。加工径は最小でφ3ミリから。
 ねじ切り加工用には『SBT型』をラインナップ。チップに偏芯テーパが付いていて根元部分が太く、剛性を保持している。最小加工ピッチは0.5ミリから。加工可能ねじは最小でM4から。 【小間番号 2B03】





 ライノス

 MEGAドリルリーマで一発穴加工
 輸入工具の専門商社ライノスが2年前から輸入販売を手がけているミラー社製MEGAドリルリーマーシリーズの売れ行きが好調だ。
 特にMECTが行われる名古屋から浜松のエリアにかけては、月に同シリーズで100万円以上売り上げる販売店もあるという。
 同製品は、精度要求の高い穴明けを行う際に必要となる、センタリング・ドリル加工・リーマ加工の3工程、場合によってはエンドミル加工を含めた4工程以上を1工程・1工具に集約する画期的な工具。
 加工の状態を確認しにくい穴加工の工程を大幅に短縮する上、切削油剤の併用で、H7精度の一発加工を実現する。さらに、工具数が減るということは、ツーリング本数の減少やツールチェンジ時の寸法のばらつきも無くなる。
 鋼やステンレス鋼向けでこれを実現する製品は国内では他に見当たらない。
 さらに、焼入鋼など高硬度材への加工は、放電加工や研磨など加工時間を増大させるが、昨年追加されたMEGAドリルリーマーハードは、HRC50以上の高硬度素材にも一発加工を実現する。
 どちらもトータル加工コストを大幅に削減できる商品で、最近ユーザー間の評価や展示会などの営業活動で認知度が上がってきたようだ。「使っていたリーマの持ちが悪いので試してみたが、工程省略と寸法の安定性から見て120点。400穴明けても止まり・通り共に良好で、これまで刃持ちが悪く毎回チェックしていたがこれで安心できる」との好評価をつけるユーザーも居る。
 価格を見るとき、ドリルと比較するユーザーも居るようだが、複数分の工具を集約したものと考えれば決して高くない。
 業界別では自動車関連金型のユーザーが5割ほどを占め、その他は部品加工業、中でもピン穴加工、旋削加工などの幅広いユーザー層での採用が増えてきている。
 欧州の優秀なメーカーの工具を日本市場のニーズに合わせて提供したり、大手メーカーには対応できない特殊品の要求を開発元に伝える。これが日本市場向けの新標準品につながる。販売店とともにユーザーを訪問する専任者も置いた。同社の東野哲也さんは「ツールを買っていただくとともに開発のヒントも頂いている」と言う。
 今後、深穴加工向けの「ダブルマージンドリル」も発売を予定しているが、MECT2007では、ドリルリーマーを含め、即戦力ツールを展示する。
 「カタログでは解らない情報を、見て触って確認する機会として欲しい」とのこと。





 オーエム製作所

 油圧レスCNCターニングセンタ「Neoα-10」
 Neoαシリーズは、油圧レスCNC立旋盤Neoシリーズと徹底した部品の共通化をはかり、最小のコストアップでドリル、タップなどのミーリング機能を付加した業界初の油圧レスCNC立型ターニングセンタ。今回のMECTで出展されるのは、同シリーズ中最も小型のテーブル径をもつφ1100mmのNeoα‐10。
 Neo・Neoαシリーズは、「人に優しく、環境にやさしい」を第一のテーマとして、油圧レスを中核として、徹底した省エネ化に取り組み、日々消費されるエネルギーはもとより、搬送時に使われるトラック台数の削減、据付日数の提言、操作性の向上など多岐にわたって検討を加え、同社が培ってきた立型旋盤製作の技術を結集して作り上げた「環境にやさしいリーズナブルな立型ターニングセンタ」。
 必要十分な剛性・機能を有し、難削材のステンレスやチタン合金の加工分野でも広く使用され、精度についても、ベアリング、ボールねじ、スピンドルなど同等の精度等級のものを使用している。
 立旋盤を母体とする立型ターニングセンタにおいて、一番の課題は、横旋盤を母体とするターニングセンタとは比べ物にならない大きな切削力に耐えうるスピンドルをいかに創り込むか。Neoαシリーズは、ナショナルテーパー50番スピンドルを採用し、新開発のダブルテーパー2面高速方式工具クランプ構成により、スピンドルのベアリングを損傷することなく、25000N(切込み10ミリ、送り1.25ミリ/rev)という大きな切削力を実現。最高回転速度は2000 、最大ドリル径φ50ミリ、最大タップサイズM30×ピッチ3.5ミリ(S45C相当)と、高いミーリング能力を有している。





 北川鉄工所

 新型の2面式小型傾斜NC円テーブルを発表
 NC円テーブルや旋盤用チャックメーカーの最大手、北川鉄工所は、MECT2007でいくつかの新製品を発表する。
 中でも目玉となるのが、回転軸を2軸持つ傾斜NC円テーブル。テーブルを2面持つ傾斜NC円テーブルとしては業界で初めて、長さ1メートルを切るサイズへの縮小化(999mm)に成功した。重さも240kgと他社製品に比べ100kgほど軽い。30番台の小型機械にも搭載が可能で、それらユーザーをターゲットに対応する。受注は9月から始まっており、年明け頃から納入予定。
 新テーブルは特別仕様として開発がスタートしたものだが、汎用展開に成功。φ180のテーブルが2面設置されている。前述の通り30番台の機械に乗るサイズであり、同社としても新たな市場の開発を目指す。
 この他、従来品の円テーブル、旋盤チャックを中心に20品ほど展示する予定。カスタマイズドチャックのジョー平行移動引込みチャック『DL』シリーズでは、従来の6インチ・8インチサイズから、10インチ、12インチへバリエーションの拡大も行う。汎用チャックメーカーで認知される同社だが、今後、自動車関連をはじめとしたユーザーに向けて、このような「カスタマイズ」を行ったチャックの開発・販売に力を入れていく予定。
 また、顧客ニーズに応える形で同社が開発を進めてきた静止型チャック把握力計も展示する予定。
 乾電池で作動するサイズへの小型化に成功している。ISO等の関係でオペレータ等の安全面重視されている昨今、機械のメンテナンス担当者の必須品として定着化することを狙う。
【小間番号 1B51】





 THK

17品目の新製品を連発

複列アンギュラローラーリングRW形

 工作機械では、複合加工機の高機能化が進み、高剛性で高速対応可能な軸受けの需要が高まるなか、クロスローラーリングのノウハウを生かした「複列アンギュラローラーリングRW形」を開発、商品化した。
 小径サイズのローラーを45度に接触させることで複列としながら、コンパクトで高剛性を実現させたほか、内輪・外輪一体構造の採用により高精度な回転運動を可能にし、内輪・外輪に設けられた取り付け穴によって締結も簡単になり、軸、ハウジングのなどの組み付け時間を短縮させた。
 用途は割り出しステージ回転部(たとえば、マシニングセンタのC軸など)、複合加工機。標準価格は38万円から。初年度販売見込み5億円。

高速ボールねじSD
 欧州市場を中心としたニーズに狙いを定め、DIN規格対応したコンパクトなナット寸法の高速ボールねじとして「SD」が開発された。ボールリテーナを採用することで最高回転数5000回転までの高速駆動を可能とし、ボール同士の相互摩擦もなく、低騒音、低発塵を実現。
 さらに潤滑剤の保持力も向上させ、長期のメンテナンスフリーを可能にした。
 工作機械、各種搬送装置の駆動部向け。標準価格は6万円。初年度1億円の販売を見込む。

LМガイドLight
 機械の高速化・高タクト化ニーズに応えたのがLМガイドLight。中空構造のLМレールに加え、LМブロックはアルミ材を採用して従来相当品に対し大幅な軽量化を実現した。しかもレール、ブロックともに従来と同様の素材を採用しているため、走行寿命は従来と同等だ。
 各種搬送装置(取り出しロボットZ軸、ガラス基盤搬送装置など)。標準価格は3万8千円。3億円の販売を見込む。
【小間番号 1B48】






 NTツール
 布団を敷いて寝られる工場に
 BTからHSKまで豊富なラインアップのツーリングを提供するエヌティツールは、環境にやさしいツールを前面に押し出すとともに、工具や加工の変化に合わせた新しい製品を出展する。 主な出展製品は、NCツーリングのほか、OPTツールプリセッタ、IH1500加熱装置、EZ‐SETシリーズホルダ、軽量BT2面拘束ホルダなど。 高まる環境ニーズに対しては、セミドライ加工用のコレットを提供し、「布団を敷いて寝ることができる」ほど清浄な工場づくりを目指す。
◆ ◆ ◆

ダイヤモンド・CBN工具需要に
 コレットのほかにも、ユニークなのは非接触OTPツールプリセッタ。エンジン周りなど、自動車関連・航空機関連などを含め、CBNやダイヤモンド工具が増えてきているが、従来のプリセッタでは取り付け時に刃先に触れることで損傷を起こすケースがあった。この欠けを防止するため、CCDカメラを採用し、非接触での刃先形状測定を可能とした。
 このため、測定する刃先形状には特に制限が無くなり、多様な工具への測定が可能となる。
 また、その読み取ったデータは操作台横は液晶ディスプレイで確認できる。確認作業には、画像処理方式を採用し、使い勝手に配慮、ヒューマンエラーの低減を達成した。

MQL加工用 MSコレットシステム
 近年、加工現場ではコスト低減とともに、環境対応が重要視されるようになってきている。
 産業廃棄物の低減、資源のリサイクル化などと共に、加工現場での取り組みとしては、ドライ加工、セミドライ加工が注目されている。
 中でも、比較的具体化が進んでいるは、MQL(Minimum Quantity Lubrication)を使用したセミドライ加工だ。
 これは切削液の代わりに、エアーと微小の切削油をミスト状にして切削面の潤滑と冷却を行う方式で、切削油の使用量は10〜100CC/H程度の微小量。すでに一部ではラインで採用され、効果を出しているケースもある。
 MQL加工では、ウェット加工で必要な大量のクーラント廃液を削減できる環境・衛生面での効果のほか、その廃液の処理コスト、ならびにクーラント装置稼動のための電力の削減も期待できるメリットがある。
 例えばある自動車部品加工ラインでは、廃棄物処理費の40%以上がクーラントで占められ、クーラント装置に用いるポンプ等の消費電力は、同ラインの消費電力の30%近くにもなるという。これらを抑えることで、加工コスト全体の低減につながる。
 これらを実現するためにはMQLミスト発生装置と共に、MSコレットシステムが必要。ミスト発生装置から刃先までミストを送るにはミストの量やミストの粒径の大きさ、流速などが問題となる。
 とりわけ、MQL加工用でよく問題になるのは深孔加工である。特にL/Dが5以上の穴明けにおいては、刃具の欠損や、穴の仕上がり面が悪くMQL加工は難しいとされている。
 ミストを刃具先端から供給する場合、刃先から出たミストが切削粉と一緒に穴の入り口側へ押し出されてゆくが、穴が深くなるとミストが途中で消滅してしまうためだと考えられている。
 こうした問題を解決する手段としてMQL加工用MSコレットシステムがあり、NTツールでは、「セミドライ加工用コレットFDC‐MS型」として提供、注目されつつあるのが現状だ。
 このシステムは、コレットの内径側に噴射ノズルを設け、ここをミストが通過するとき、ミストの流速は早くなりミストの粒径は肥大化し、付着しやすいウエット状の霧にしてしまう。
 このウエット状のミストを刃具の外形に吹き付ける事で、溝部へもミストを付着させ潤滑性を高める仕組み。つまり、刃具センターと外形の2方向からミストの供給が可能になり、従来品のセンタースルー給油に比べ工具寿命も2倍以上になるという結果も出ている。
 アルミ合金のように切削粉が溶着しやすく排出性の悪い加工でもこのシステムを用いると問題なく穴明け加工ができる。
 MQL加工設備が無くとも、ミスト発生装置を加工機に外部接続しホルダへ連結すするだけで、MQL加工を具体化することができるので、セミドライ加工への移行、評価を考えている現場は利用されたい。





 松本機械工業

 完全防水NC円テーブル「MDHWi100L」を展示
 NC円テーブル、旋盤チャックの特殊モノを手がける松本機械工業。今年で創業後59年が経ち、来年には、人間で言えば還暦に当たる節目の年を迎える。工場スペースを一部拡げていて、生産量のアップも見込まれる。
 MECT2007では、テーブル3機、チャック6機、シリンダ1機を展示する予定。同社が持つ「特殊仕様対応能力」を目に出来るよい機会となりそう。
 ワイヤ放電加工機に向けてはステンレス製完全防水NCロータリー円テーブル『MDHWi100L』を出品。元々、アメリカのユーザーに向けての仕様決めが行われていた機種だが、近年、航空機部品-特にジェットエンジン部品-の加工が増えてきた中で、国内での需要も増えてきているという。今回のMECT開催地である名古屋を中心とする中部地区では、今後、航空機部品関連の仕事が増大することが見込まれており、更なる拡販を目指す。
 現在、テーブルへのニーズが多くなってきているという同社だが、永年、同社の基盤を支えてきたチャック・シリンダの商品群への再注力も進行させている。工場・機械等の増設も検討中だというが、
『還暦』を目前に控え、原点回帰といったところか。特にチャックでは、同社にしか出来ないような大型標準チャック、特殊チャックの製作に力を入れていくという。航空機関連、油関係等での需要が中心。
 同社は、17日〜20日のMECTに引き続き、26日〜28日に広島県福山市で開かれる「広島県工作機械器具展」(広島県立ふくやま産業会館【ビックローズ】にて)にも出展する予定。





 YKT

  「ROLLMATIC Nano6」を初公開
 機械機器専門商社のYKTは、「After EMO Go YKT!」と題し、EMOで初公開した新製品などを中心に、最先端の機器でトータルソリューションを提案する。
 ターゲットは工具業界、金型、部品加工などのユーザー、そして測定器需要の3本柱。ロロマティックCNC工具研削盤で製造した工具や、スチューダなどの円筒研削盤、エクセロンのミーリングセンターを用いて金型・部品を製造し、全自動3次元寸法測定機OGPで製品を測定・評価する、と言った具合だ。その周辺の工程を補助する切断機や、砥石の成形盤、工具刃先のホーニング盤も広く取り揃えている。
 今回のMECTで特に目玉となるのは車載基盤や、半導体、IT、医療機器関連など、高まる小径工具需要に応じて開発された新型超極小径工具用研削盤ロロマティックNano6。EMOで初公開されたものが日本にスピード上陸することになる。
 同社ではロロマティックによる技術情報の提供の場として、研削セミナーも開催しており、数年前から恒例化しつつある。今夏は自社内で集中再研をしたいというニーズの高まりを受け、最新再研加工技術をテーマに開催された。
 参加者は自動車メーカーや部品メーカーを中心にドリル・エンドミルの大量消費ユーザーが50名ほどで、すでに予算取りを済ませ、具体的な技術相談をすすめるユーザーもあったという。
 使用したのはφ0.1〜φ16間での研削が可能なロロマティックCNC620XS型。
 同シリーズを含め、ロロマチックはほとんどの大手工具メーカー、再研磨メーカーに認知・導入されているため、メーカーの標準工具を購入し、切刃が消耗した後、ユーザーが社内で同種のCNC研削盤を用いて再研削すれば、誰でも、常に新品同様の状態にすることができる。
 さらに、加工や被削材によって、工具の特性化を図りたい場合は、標準品をホーニングして欠けを防止するなど、ユーザーで独自に加工を加えることもできる。技術あるユーザーは標準品の上をも目指す。
 砥石のドレッシング機能・温度管理など、充実した自動運転機能を備える同機は安定した長時間運転も可能にする。これは単品受注の再研削外注先に出すより、速く、コストを下げるばかりでなく、いつも高い精度で刃先を同じ状態に保つことで、加工を安定させ、後工程を楽にさせることができる。均一な工具は条件をそろえれば消耗時間も同じ。工程の自動化も促進する。
 この均一性や精度を確認するため、同社ではZOLLER社製全自動刃先測定器Genius3の使用をあわせて推奨する。
 ZOLLERは、もともと世界で1・2位を争うツールプリセッターメーカーから発展したため、他社製工具測定器と比較しても操作性に特に秀で、諸元をすべて全自動で計測できるのがその強み。
 元々、小径を得意とていたロロマティック。φ32までを扱える大型機までそのラインナップを広げても、ワークの保持や砥石のふれなど、その精度を満たすノウハウは活かされている。今回、φ0.01〜2.0までの極小径に挑戦したのがNano6である。
 微細精密加工が多く、厳しい日本の精度要求に応える事に、ロロマティック社も余念が無いようだ。ここで認められることでアジアにも広がってゆく。
 YKTの渡辺勉名古屋営業所長は「いろんなものを速く日本に届けたいという意図の下、キャパシティのあるメーカーと提携している。困っているニーズからフィードバックして開発された最新鋭の機器を、欧州でテスト、評価してから日本市場に出しているので、日本のユーザーに是非試して欲しい」と述べる。





 システム3R

 見えないチャージも削減
 「マクロ」など、ワークの段取り替えを合理化するパレットシステムは、放電加工分野では広く認知されている。この背景には、機械のNC化があるという。
 NC放電加工機が普及し始めた頃、汎用機を更新したことで、オペレーターが付いていない時間も機械が稼動するようになる。今まで気にしていなかった時間も、稼動させたい意図が働く。無論、機械の価格も2倍ほどに跳ね上がっているため、ワンタッチで自動運転させられるツーリングがNC機と共に普及してきた。
 放電分野の市場がこれ以上広がりにくいこともあり、システム3Rの現在のテーマは「金型加工から部品加工へ」。しかし導入には抵抗を示すユーザーも多い。「これまで使っていたものを別の製品に置き換えるのではなく、これまで無かったものに数百万円をかけるには度量がいる」からだ。
 ツールを抑えるシステムと違い、ワークを固定する押え金はユーザーが内製していることが多かった。治具製品を持って営業に行っても、工場の社長が「治具なら自分で作れる」と言い張ることもあるという。
 しかしその製作時間、他の工程が止まることになる。多品種少量生産なら尚、都度作り直していてはコストを圧迫する。作った治具の精度にも不安が出る。
この、見えないチャージに気付き、導入したユーザーは「もっと速く教えて欲しかった」と、リピートを続けてゆく。繰り返し位置決め精度もミクロン台で、オペレーターのプログラム制御の手間だけで自動化を進めることができる。
 安定した精度で、工数削減、無人化、効率化を促進するシステム3Rのパレットシステム・治具製品。メカトロテック展では、100ミリ角サイズの「マクロ」や、1m角の「デルフィン」などの定番商品、さらに、より使いやすく機能を整えたバージョンアップ製品も出展される。
【小間番号 1C31】





 日本トムソン

 段違いの信頼性「ローラタイプ直動案内機器」
 今年7月に初開催した中部地区でのプライベートショーは連日満場の成功をおさめた。来場者からは「IKO製品はリニアの電磁石が下側に来るなど、技術的な考え方が独特で面白い」「薄型デザインが魅力」「保全が楽」など、製品への高い評価の声が聞こえた。 日本トムソンは例年数多くの新製品を送り出しているが、MECTや現在の主力は以下のようなものがある。

◆ ◆ ◆
 高剛性、高負荷容量と、5年または20000kmのメンテナンスフリーを実現するローラタイプの直動案内機器『CルーブリニアローラウェイスーパーX(MX)』に、トラックレール幅『35〜65mm』と、『ショートユニット』、『超高精度・超高剛性ロングユニット』を追加し、バリエーションを一気に拡大した。さらに、高防塵部品『Cワイパー』を開発した。
 『MX』は、高剛性、高負荷容量、高精度で軽くて滑らかな走行性能といった優れた性能と、独自開発した潤滑部品『Cルーブ』の内蔵による、長期間のメンテナンスフリーを併せ持ったローラタイプの直動案内機器で、ボールタイプの直動案内機器と取付け寸法が完全互換である。2005年に発売を開始して以来、半導体・液晶製造関連装置など高性能機械装置での採用が拡大している。
 『Cルーブ』を内蔵した『MX』の主な効果は、以下のとおり。
 @Cルーブ内の潤滑油と初期封入グリースだけで、5年または20000kmの走行が可能で、追加給油の必要が無く、機械装置の定期メンテナンスを削減するA長期間にわたる走行でも潤滑油の消費量が少ない、エコロジー対応B従来の外付け潤滑部品のように、全長が長くなることが無いので、ストローク長さが制限されずに、簡単に置き換えができるC外付けタイプのようなトラックレールとの接触抵抗が発生しないため、軽く滑らかな性能が低下することがない。
 今回新たに加わったMXは、レール幅35〜65mmの中大径サイズ(MX)では、@中大径サイズに内蔵したCルーブは、オイル量を増加した新構造を採用し、高い負荷能力や走行性能を必要とする工作機械などのメンテナンスフリーに対応A昨年までに発売している、トラックレール幅「15〜30mm」とあわせて、15〜65mmとなり、豊富なサイズバリエーションから用途に合わせた選択が可能になった。レール幅15〜30mmのショートユニット(MXC)では、@同社標準タイプの「スタンダードユニット」と同一断面寸法で、スライドユニット長さ約74%と短くコンパクトであるA機械装置のコンパクト設計や「スタンダードユニット」など、長さの異なるスライドユニットとの組み合わせによる装置設計やコスト面での自由度が広がる。高精度・高剛性ロングユニット(MXL)では、@同社最大長さタイプの高剛性ロングユニット(MXG)と同一断面寸法で、スライドユニット長さが約1.2倍長いA組み込むローラ本数の大幅な増加、ローラの運動解析に基づいた最適なクラウニング加工、スキューイングを防止する最適なローラ保持構造により、走行時の振れを約1/2に高精度化し、負荷容量、剛性を約1.3倍、寿命を約2倍に工場させている。
 同社では、「MX」の採用による機械装置のメンテナンスフリー化などを全面的にPRし、半導体・液晶関連製造装置や高精度工作機械など、幅広い需要業界への普及を高めていく考え。「MX」シリーズで、10億円/年の販売を見込む。
 ローラータイプの直動案内機器「CルーブリニアローラウェイスーパーX」に、工作機械など高い防塵性能を求められる用途向けの高防じん部品が『Cワイパー』だ。
 マシニングセンタや旋盤などの工作機械では、加工時に発生する異物が飛散する。これらの異物が直動案内機器のスライドユニット内部に侵入して軌道面・ローラの異常摩耗やローラの循環不良などが生じ、早期破損の要因となっていた。
 従来から直動案内部を覆うジャバラや金属製カバーを使用したり、スライドユニットに二重シールを装着するなどの対策をしているが、防じん効果が完全ではなく、ユーザーからの防じん対策のニーズは依然高い。
 このIKO独自の『Cワイパー』は、潤滑油を含浸した特殊ゴムをトラックレール全面に接触させた高防じんワイパー。ワイパー接触部の摩擦抵抗が小さく、摩耗が極めて少ないため、長期間高い機密性を保持し、スライドユニット内部の異物の侵入を防止する。この防じんワイパーに加え、スライドユニット内に内面シールを装着しており、ローラ循環部への異物侵入も防ぐ。
 Cワイパー付きスライドユニットにはこのほか、スクレーパ、内面・側面・下面シールを標準装着し、さらに防じん性能を高めた。
 これらによる防じん効果は、粒径125μm以下の異物を1g/hr毎に散布する耐久試験で、1000km走行しても軌道内部にほとんど異物侵入が無いことを確認済み。
 加速度15Gの高い加減速試験での繰り返し耐疲労性試験において、1000万サイクル後もワイパーリップ部の磨耗、損傷が無く、長期間の使用にも密封性能を持続する。
 同社ではこれらの性能を活かし、工作機械市場への普及を高めていきたい考えだ。




 ミヤノ
 バー仕様機は定着、チャッカー機もミヤノで
 「バー仕機はミヤノ以外の選択は考えられない」と言うファンを抱えるほど、棒材からの加工機で認知されているミヤノ。今回のMECTでは、バー仕様機1台と、チャッカー機3台の合計4台を出品する。
 提案の柱は、完品加工と焼き入れ後旋削。左右主軸の2スピンドル2タレットで複合、表裏完品加工化を提案するのはBNE‐34SY。ロングセラーのBNEシリーズ4番目の型で、φ34ミリの棒材まで対応、左右両側に12本まで工具が取り付けられる。計24本のツールで稼動させることで、24時間、ツール交換がほぼ不要になり、プログラム制御だけで段取りを完了するパーマネントツーリングを達成する。1チャックで複合加工を終わらせれば不良率も低減する。
 月産4000個など、比較的小ロットで数種の製品を抱える加工現場に適し、自動車部品や水洗関連機器メーカーなどから好評。コレットやツールは共通のものが使用できるため、一度導入したユーザーから増設ニーズが高い。
 今一つの柱であるハードターニングセンタについても、ミヤノには15年前からの実績とノウハウがある。他社製品より鋳物を多く使い、振動を抑えた結果、刃持ちが良くなってきた。
 1スピンドル1タレットのLX‐08Eは高まる高硬度材加工の要求に応えて開発されたハードターニングセンタ。高剛性なベース・主軸・ダイレクトウェッジクランプ式タレットの構成により、高精度ハードターニングが出来るコンパクトな8インチチャッカー機だ。最大加工径はφ210ミリ。テーパーと外形を一台で加工することが出来るので、歯車などの荒挽き工程を行い、仕上げは研磨に流すといった使い方を提案する。8インチのハンドワーク機としては価格が抑えてあるのも特徴だ。
 このLXシリーズで、径を6インチにして、省エネや回転効率を持たせたのが今年初公
開した単スピンドル1タレット機LX‐06E2。新開発の機内型NCローダー搭載で、ローダー最大ワークサイズはφ70×60ミリまで可能。ローディングタイムは4〜4・5秒ほど。パートプログラム上からその動きを変更できるので、こちらも段取り替えがプログラム交換で容易に行える。タイヤ・ミッション・エンジン周りなど、製品が変わっても対応しやすいため、中小ロット製品の加工効率化に向く。
 一方、仕上げ専用機ではガントリー付きでサイクルタイムを削減したGN‐3100Wを出品。新開発の高速ダブルNCローダーを搭載した2スピンドル機。ローディングタイムが3.7秒と高速で、エアバックや燃料噴霧関係部品など、比較的小径製品を高速高精度加工する。
 ローダー最大ワークサイズは45φ×40ミリ。冷間鍛造品から直接仕上げることもでき、1ロットが5万?10万個と言った大量生産物に向く。
 MECTが行われる中部エリアでは、自動車関連の設備投資の再開や、浜松エリアの二輪需要もあり、今後の需要増加も見込める。
 ミヤノの西日本ブロック長の小山豊彦氏は、これらを合わせ、「メカトロテック展からの引き合いは5億円を目標に置き、年明けごろまでにその対応をしたい」とのこと。
 導入に当たっては、試切削を行い、機械と共にノウハウを提供しながら行う。「顧客の要望を満たす機械も必要だが、メーカーとしては、その要望の上を行く機械を開発し続けていくべきだと考える」と言う。事実、バルブの加工用に導入したNC旋盤で、その技術や精度を活かし、いつの間にか航空機関連部品まで請け負うようになったユーザーもあるようだ。
 ハードターニングセンタの普及には、「焼き入れ鋼を削れる」というアピールが不可欠。まだ需要は眠っている状態だが、メーカー側のアピールで、ユーザーに「削れる」と知ってもらうことで市場を作っている。
 また、新規導入と合わせ、使用年数の長い機械では技術サポートが必要になるが、関連会社のミヤノサービスエンジニアリングから名古屋支店に2名が出向し、技術担当を増員してフル稼働でサービスに当たっている。
 直販のミヤノと呼ばれて久しいが、国内での販売には商社の存在も大きくなり、7割ほどに伸びてきている。ユーザーへの訪問回数を増やすと共に、同行PRなど、商社に近づく営業戦略も練っている。




 日進工具

 φ0.01で、しかもネジレ刃!絶賛されるマイクロドリル
 日進工具が小径エンドミルの製作で培った技術蓄積の奥行きの深さが、先端径φ0.01ミリから標準化されたドリルの登場に垣間見えた。
 「直刃なら極小径のドリルはこれまでにもあったが、日進さんはネジレ。驚くほかない」とある有力代理店の社長が改めて同社の技術力を絶賛する。今春の発表後、株式市場も直ちに反応し、株価が上昇、同社の小径でのブランド力を再認識させたことは記憶に新しい。
 福本営業部長は「市場はまだ見えてこないが、当社の新たな分野を切り拓く有力なツールと考える。エンドミルのみならず、小径に特化した『NS』ブランドの行方に期待して頂きたい」と語る。
 マイクロドリルと命名されたこのドリルは先端部にシンニングを採用し、切削抵抗を抑え、穴あけ精度の安定を促す。「製造技術の全てを結集」と謳う、その実力とはどんなものか。微細穴加工での新分野をどのようなプロセスで切り拓いていくのか。「常に市場を先取りする心構えで研究開発に取り組んでいる」(後藤勇社長)ひとつの結晶としてのマイクロドリルの客先評価を持ちたいところだ。
 また、マイクロドルルのみならず「無限コーティング」から「無限コーティングプレミアム」へと進化を遂げ、製品化されたエンドミル「MSBH230」「MRBH230」も注目したい新製品と言えるだろう。
 無限コーティングプレミアムは高硬度材加工用(48〜65HRC)のコーティングで、従来に比べ長寿命かつ安定した工具性能を発揮させるが、この特長に加え、この新製品には特殊なR形状、焼き入れ鋼の加工に最適なスパイラス形状の採用により@切削負荷が強くかかってくるR中心付近の切れ味がアップA切れ味アップによりビビリを抑制ーの効果も得られる。さらに外周刃バックテーパー形状により、負荷の低い点切削を実現させ、壁部での工具倒れを抑え、併せてビビリ振動の低減にも寄与していくと言う。
 「4月〜9月の状況を見て、特に売り上げベースでずば抜けたアイテムはないが、ロングネックボールが売れ筋商品として定着してきた。流通での同行PRを通じて、エンドユーザーにアドバイス的提案ができてこそ市場に浸透していく、そんな商品的性格ゆえ、営業技術的な面の力を割いてきた。量ではなく質の営業展開が我々には大切になる」と客先での適切な使用方法の徹底が売り上げ増につながる。『市場先取り型』を特徴とする同社ならではの営業努力も目を引く。
 輸出比率は現状、10数%。国内需要にプラスとした海外需要の一層の喚起は、日進工具にとっても課題。欧州はもちろん、アジアでも日系企業を中心に
「小径」需要が高まってきた。「海外比率のアップ」は、今や同社を成長させる、『ハードル』になりつつある。





 ワルタージャパン

 ワルター機の入門機「ベーシック」初披露
 ワルタージャパンは同社の入門機として拡販を開始する「ベーシック」をメカトロテックで披露する。
 中村裕司社長は「これまで価格的に二の足を踏んでいたユーザーに、ワルター機導入のきっかけを作って頂き、再研削を中心に手がけておられる現場にまずは1台、設備して、当社が工具づくりで支援できる層を増やしていきたい」として、ベーシックを広範なファンづくりへの機種と位置づける。
 ファナックのNC搭載で、日本のユーザーにワルター機を身近に感じてもらう、その戦略も事前取材では好評価だ。
 「当面は、年間で10台の販売を目指している。評価いただくためにも、本社のショールームでベーシックを使ったデモ内容を継続的に実施していきたいと考えている」
 主要スペックを概観すると、制御軸数は5軸、早送り速度は15m/min、砥石スピンドル最大出力7kW、砥石スピンドル回転数8千回転、制御装置はファナック310i。
【小間番号 3E10】
ワルタージャパン 独・EMOツアー(中村裕司社長寄稿)
 ワルタージャパンはEMOショーのツアーを企画、ユーザーを含め14名の編成で施行した。EMOに前後して今年7月に新規落成したワルターの新社屋、ユーザーで新旧合わせ17台のワルター機を駆使する工具メーカーシュレンカー社、さらにワルター測定機の研究開発センターを視察した。
 今年度から開催期間が6日間に短縮され、また、欧州全体の好景気もあり、EMOの来場者対応は初日から繁忙を極めた。ドイツを中心とする欧州からの来場者に加え、東アジアからは韓国勢の参加が目に付いた。日本からは78社が出展、このうち研削盤メーカーは岡本工作機械、テクノワシノ、シギヤ、和井田製作所、東洋アドバンスドテクノロジーの参加が見られた。
 ワルターのブースは合計1000uのシュライフリンググループの小間の一角にエヴァーグと背中合わせで出展。  
 ワルターからは以下の4機種を出展。
 ヘリトロニックマイクロの量産機による0.4mmの小径工具の加工デモ。
 ステップツールの加工を可能としたツールスタジオの新バージョン。砥石自動交換装置付きヘリトロニックビジョンによるドリル先端と多様な逃げ面形状のステッププロファイルの加工デモ。
 砥石・電極自動交換装置つきヘリトロニックパワーダイヤモンドによるPCDステップ工具、およびツールスタジオによる超硬特殊工具の加工デモ。砥石軸取付けテーパーがHSKになり精度が向上している。
 新機種としてヘリチェックプラスに旋回軸のついた1000倍の直接光カメラを搭載。これにより、切刃のR測定ほかが可能となった。
 エヴァーグは従来のチップ研イージーグラインドの後継機種としてのコンパクトラインの試作機を中心に展示。会場ではマニュアル機WX11の3000台目の引渡し式が賑々しく執り行われた。
 アメリカのワルターグラインダーズのマーチン社長がエヴァーグで接客、同社のマーケティング担当がスチューダーの対応を行なうなど、シュライフリンググループとしての一体化が進みつつあることも確認できた。




 栄工舎
 メカトロテックにあわせて総合カタログ刊行
 
メカトロテックにあわせて、総合カタログを刷新する。6アイテムのサイズ拡大と新しいカッタ2点の試作品のほか、リーマも1点追加され、一方、ブースでは昨年の工作機械見本市、今春のインターモールド来場者からの要望を具体化した製品も参考出品される予定だ。
 熊田実東京営業所長は「ブースは2小間だが、リーマ、カッタを中心とする、当社のラインナップを理解していただけるよう、心がけていきたい」と初参加の弁を語る。
 昨年の見本市、春のインターモールド、そして今回のメカトロテックと、国内の主要展示会には積極的に参加するようになり、競争他社からも、そのアグレッシブな姿勢に目を見張っている。
 「アピール商品は沢山あるが、自動旋盤用マシンチャッキングリーマ、超硬ソリッドミニストロングアンギュラの当社新製品は、今後の伸びが期待できる商品として、自信を持って宣伝していきたい」
【小間番号 2D11】
EМО雑感 栄工舎 安部川洋司社長
 DМGが入り口で大々的にアピールしており、地元欧州勢の意気込みを十二分に感じさせてくれたのが足を踏み入れたときの最初の印象だった。
 インドの超硬工具メーカー2社に加え、マレーシアの超硬工具メーカーも参加していたが、地元のBECK社(ドイツだと思う)からは、サーメットリーマでオイルホール付のネジレが出展されていたのには驚いた。日本よりも進んだ技術を持っているとの感想を抱いた。
 また、中国メーカーはこれまでに全然知らない会社が1社1コマずつ、計10社グループで出展しており「ワルターの機械を持っている」と自慢げに話していた。
 ロロマチック社からは、100分の1のドリル、エンドミル工具ができる新製品「Nano6」が出展され、すでに日本のメーカーが発注していると言われた。このショーに合わせて新製品を投入した、というのがひしひしと伝わってきた。
 一方、ワルター社からはコストパフォーマンス機として「ベーシック」を、ファナック搭載機としてアピールされており、従来品と合わせて幅広いラインナップが整ったとのイメージを強く持った。




 山勝商会

 イタリアの特殊工具メーカー「センリ」工具が目玉に
 今回で2回目のメカトロテック出展となる山勝商会のブースではイタリアの「セリン」という、特殊工具メーカーのラインナップが大きな見どころとなるはずだ。
 「4年前のEМОショーのブースで見て以来、大変興味を持ち、その足でイタリアにある本社工場に足を運んだ」と山勝商会の山出谷武俊専務がそう語るように、セリン工具への惚れ込みようは半端ではなかった。
 セリンはオーナーの名前を冠した社名で、本人は日本通というか、日本好きのようだ。山出谷専務の訪問に際していたく感激し、喜んで迎え入れてくれたそうだ。
 同社がセリンを日本に紹介したのは2年前の大阪で開催されたインターモールドでの会場だった。切削工具に通じている切削専門商社の社長も出展された工具を見て「是非、拡販に尽力を」と言わしめたというエピソードがあるほどの逸品らしい。
 研磨面の光沢の素晴らしさはまさに芸術品と言って良く、素人の筆者も目を奪われた。
 「半自動機を操り、職人的手仕事で仕事をこなす姿が印象的だった。フェラーリ、ポルシェ、BМWといった1流のカーメーカーから高く評価されている。規模的には50人前後のホント町工場そのものだが、切削の専門問屋としてこの商品を扱えることそのものに誇りさえ感じるし、事実、工具を良く知っている客先からはリピートオーダーが入ってくる」
 と、目利きができる客先からの評価も高い。
 取り扱い製品はアルミ、軽合金、プラスチック加工向けのエンドミル、複合材料・グラスファイバー用のエンドミルのほか、ガラス材・複合材料・非鉄金属加工用のドリル、エンドミルなどで構成される。刃形はもちろんセリン独自の製作ものだが、寸法は同社の規格でオーダーメイドされ、販売されている。
 詳細は手にとって確認頂くとしても、たとえば、薄板加工用(バリ防止)に適した「バタフライエンドミル」は先端刃右刃ねじれ、後部刃右刃左ねじれという、ユニーク形状で、日本の工具メーカーの製品には見られない。
 「ある大手工具メーカーから試してみたいとのオーダーがあり、使ってみてその性能に驚いていた。加工物のビビリを避け、非常に安定しているとの評価が再確認された」ようだ。
 「セリン」工具を手に取り、一度、試して頂きたい。それは一般的な工具ではない、専門商社としてのプライドの一端に触れる機会にもなるかもしれないからだ。
【出展小間 2D15】




 安田工業

 ヨコ型「H40i」、タテ型「YBM950Vver.V」を展示
 安田工業はMECT2007に、横形5軸マシニングセンタ『H40i』と立形マシニングセンタ『YBM950V Ver.V』を出品する。
 展示機の『H40i』は、スチールからアルミ、鋳物等幅広い素材を高速・高精度加工する5軸の横形マシニングセンタ。同社ではプレシジョンセンタに位置づけされている。全軸に高精度光学スケールフィードバック方式を採用しているため、分解能が1μm、0.001度という非常に優れた位置決め精度を誇る。最大240本の工具を装備できるツールマガジンと最大24面まで設置できるAPCシステムとの組み合わせで長時間の無人加工が可能としている。
 『YBM950V Ver.V』はタテ型のCNCジグボーラー金型や小型機械部品を高速・高精度に加工できる。こちらにも自動パレット交換装置やプリロードスタンドを装備したタイプがあり、長時間の無人運転かが図られている。
 近年、マシニングセンタの市場では、航空機関連、建機関連の仕事増を背景に横形機への需要が増加してきている。同社も同様に増加傾向にあるというが、リピート需要の多い同社では、一般部品加工の横形機への引き合い案件が多いという。「マザーマシン」を持って任じる同社の場合は、工作機械メーカーへの納入も多いことが特長に挙げられる。




 三菱マテリアルツールズ

 金型ユーザーに大好評の製品群

 深切込み加工用スクエアエンドミル「SPX」
 今年の1月から販売を開始した「SPX」が金型ユーザーに好評で迎えられ、着実に売り上げを伸ばしてきている。
 重切削・深切込み加工での安定した低切削抵抗を実現したことへの評価だろうが、SPXの特長は大きく3点にまとめられる。
 ひとつは波形刃インサートの採用で、ワークに徐々に接触していくため食い付き衝撃が緩和されるとともに、低切削抵抗を実現。インサートのクランプも3面受けで強固にしているため切削中の耐ビビリ性を向上させているのが第2
のポイント。3番目は「らせん状のヒールカット」の採用により、本体剛性を下げることなく、切りくずの擦過や噛み込みなどによる本体の損傷を防いでくれる点だ。

 APX3000形に刃先強化インサートを追加
 多機能ショルダエンドミル「APX3000形」に耐欠損性をいっそう向上させた刃先強化インサートHブレーカが追加され、シリーズ拡大が図られることになった。
 Hブレーカは従来の汎用Мブレーカに比べ、耐欠損性を20%アップさせ、不安定な切削、高硬度材の加工により適応させるとともに、実績のあるミラクルコーティング材種「VP15TF」「VP20RT」を採用し、安定した工具寿命が得られる。
 
 「UE6110」に重切削用ネガインサートポジインサートを追加発売
 
鋼旋削用新CVDコーティング材種「スーパーダイヤコートUE6110」のシリーズ展開として、ネガインサート45アイテム、ポジインサート37アイテムを新規追加し、より幅広い加工用途に対応することになった。
 UE6110は、ナノオーダーレベルにまで組織制御されたTiCN層とAl2O3層から構成される「ナノテクスチャーコーティング」が高い耐摩耗性と耐欠損性を備えており、工具の長寿命化に貢献。新開発の技術でもたらされたインサートの逃げ面は、安定した磨耗進行と高い寸法精度を実現させるとともに、溶着チッピングなどの異常損傷を起こりにくくし、長期で安定的な切削を可能にする。
 さらに表面硬度傾斜構造を持つ超硬合金母材は、高い耐チッピング性と耐熱塑性変形性を備え、最先端のコーティング層との組み合わせにより、断続や黒皮の荒加工から仕上げ加工までの幅広いか好条件での使用を可能とする。

◆ ◆ ◆
  「Tooliing-EXPRESS」開通
 三菱マテリアルツールズは、10月1日からセミスタンダード工具オーダーシステム「ツーリングエクスプレス」を開通させた。これまでネックになっていたカタログ掲載標準工具の特殊仕様品の短納期対応を達成させるもので、大手工具メーカーの取り組みとして、その行方が注目されている。
 この新事業については5月の特約店会で「当初の対象品目はエンドミル、フェースミル、ドリルなどで、体制の構築を図りながら、アイテムを拡大していく」「エクスプレス対応の特殊品はカタログ掲載の標準工具を対象としており、外形や長さといった形状仕様の特殊品対応」との説明がなされていたが、9月初旬から特約店会員に対し、順次、詳細な趣旨説明に入っており、さらにユーザー地区講習会なども活用して時間をかけて新ビジネスの狙いとその浸透を図っていく。
 どのくらい短納期かという点について、同社では@図面配信では当日午前中受付で夕方に送付(メーカー受付〜回答)A見積もり回答では当日午前中受付で夕方に回答(メーカー受付〜回答)B製作納期については14日以内(メーカー受注〜出荷)と説明する。
 対象商品はカタログ、ニュースにロゴマークで表示されており、現時点で挙がっているのはエンドミル10種類、フェースミル9種類、ドリル3種類で、来秋までにトータル22シリーズを追求していく。当面は国内向けに限定して受注活動が開始され、月間、1億円を見込んでいる。
 利用方法は同社で専用の顧客入力システムが構築されており、Webサイトから簡単にアクセス可能。設計見積もりもシステム化されており各営業所に送るだけで済む。エクスプレス対応の専用の設備が新設されて最短の製作日数で特急ラインが組めるようにしている。




 ソディック

 SGF電源で“ゼロ消耗”の幕開け
 中部と言えば、やはり自動車関連ユーザーが多い。ソディック中部販売の森直樹社長は「部品加工分野が忙しかったが、この夏から一服感が出始めた。金型分野は、厳しいながらも高品質、高精度を求めるユーザーから品質、スピード重視の声をフォローすることができ、目標に近づくことができたと直近の市場概況を語る。
 中部市場は他のブロックに比べて、設備需要の"低迷"が指摘されてきた。自動車関連のグローバル化に伴なう海外調達が盛んになり、国内での設備意欲が後退。加えて治具の工夫などで対処し、新規設備が抑えられているとの声もある。
 「もうひとつ、指摘できるとすれば、大手企業の内製化が加速し、しかも付加価値の高いものに集中し始めた事情も大きい。その背景には機密保持契約案件が増えてきたことが関係している」と言う。
 従来、協力工場で行なっていたものづくりが大手に取り込まれ、機械設備の裾野を支える中小クラスの仕事量が減少したということらしい。設備の一服感の大きな要因に違いない。
 「4月〜9月の前期は、予想通り厳しかったが、後半の前哨戦とも言えるメカトロテックでは、ワイヤ放電加工機のメイン機種であるAQ327L、AQ537Lへの潜在需要を顕在化させ、車の金型関連ユーザーを中心に、弱電、電子部品関連の方にもスピードを含めた加工性能、生産性、それぞれの優位性を体感していただきたい」
 いわゆる「7シリーズ」と呼ばれるこの機種は、ワイヤカット機としての総合力が試される高板厚勘合加工を難なくクリアできる能力を備えているが、とりわけ、ギア、スライド、モータコアといった、自動車関連で必要とされるすべての加工でそのメリットの大きさを実感できるという。
 「展示会でのもうひとつの目玉は、電極""ゼロ消耗"を可能とする新電源SGFのアピール。今春のインターモールドで発表させていただいたが、新しい形彫り放電の領域を是非、立ち寄って確認いただきたい」
 ソディックの資料によると、「ゼロ消耗」とは、世界初となった電極消耗率0.06%以下と定義し、この革命的とも言える加工性能により、グラファイト電極1本で荒加工から仕上げ加工まで可能となる。当然のことながら電極製作コストの大幅削減、段取り時間の短縮、複数の電極を用いることに起因するヒューマンエラーまで軽減できる。
 価格がアップしている銅電極をグラファイト電極に置き換えることで加工速度の向上とコストダウンができることも魅力だろう。
 すでにSGF電源は銅電極でもその加工性能の向上が実証されており、加工速度アップ、仕上げ領域での優れた面質が評価され始めている。
 「コアであるリニアモータのみならず、電源、セラミックなどの機械構造材、ワイヤカットとウォータージェットの融合技術(ハイブリッドワイヤに体現)など、基本技術の当社の進化、発展、拡大の披露でもあると考える。この場を通じて放電は難しくない、とのイメージを定着させていきたいとも思う」
 取材の後半で、プラ型関係で「放電レス」の流れが起こりつつあることに関連して森社長は「放電加工は硬い材料や深さ方向への対応、エッジの出し方とその品位、アンダーカットなどで切削に比べてアドバンテージがある。そもそも形状モノのミクロンオーダーでの仕事は電気加工機にしかできない」として、放電加工の強みを再確認した。





 シチズンマシナリー

 新テーマに「SUCCESS」
 「バリバリシンコム」をスローガンに、「剛性のある自動旋盤」の開発・販売を進めてきたシチズンマシナリー。その第1弾として、昨年の新春中部プライベート展で「A20‐?型」の発表を行った。その後、年をまたぎ、拡販は順調に進んでいるという。MECT2007を間近に控える中部地区の販売の第一線にいる、シチズンマシナリー国内営業部名古屋営業所の高津篤(こうづあつし)所長に話を聞いた。
◆ ◆ ◆
 年明け早々は、当初予想を下回っていた機械受注だったというが、今年4月からの新年度に入り、機械の需要が高まりつつあると話す高津所長。新規ユーザーの獲得もそうだが、従来機からの更新需要の増加を感じ取っている。「新年度に入って以降、出荷台数が上昇している。大型の案件ではなく、中小のユーザーの更新需要が中心。φ20前後のものが多い。これまでのところは、工場を拡張するのではなく、既存設備を更新して生産効率を挙げていこうとされている方が多いようだ」。
 新年度以降、同社の自動旋盤の拡販の中心を担ってきたのは、昨年発表された「A20‐Y型」。同機は作業環境によって左右両方の主軸タイプが選べるCNC自動旋盤。低コスト機の証明たる『A』を冠に持ちながらも、ユーザーニーズを拾い集めて反映させたコストパフォーマンスの高い機種として引き合いが多数あるという。今年5月には同機のガイドブッシュレスタイプも発売されている。「販売の最前線にいる我々営業マンが顧客先をまわる中でユーザーの声を拾い集め、製造部門に『このような機械を売りたい』と意見を出して開発されたもの。そのせいか、営業の人間にとっては非常に思い入れが強い機種。機械の性能はもとより、売り手の『よい機械だ』という熱意も伝わった為か、販売後1年も立たないうちに人気商品となり、いわゆる『大当たり』の製品となった」。
 自動車関連の仕事が動いていない…。昨年の下期以降、使い古された感のあるこの言葉にも徐々に異なる声を発する人が現れてきた。高津所長もその1人。「秋口から来年の春先にかけて、自動車関連の加工が動いていくと思う。その仕事をいち早く受注した工場や、これからの受注を狙う現場等からは、徐々に新規の受注も増えてきた。工場増設、移転の話も聞く。今後はヨーロッパに向けたディーゼルエンジンの製造を中心に、小さくないレベルで活況化していくと思う」。
 自動旋盤メーカーの中でも、細径加工の市場に強いというイメージがある同社。好調をうたわれる建機関連のユーザーは限られている。MECT2007ではディーゼル関連に向け、対応する戦略機を発表する予定のようでもある。
 ここ数年、大きな展示会ではブラザー工業と共同で展示ブース運営を行っているシチズンマシナリー。今回のMECT2007でも、共同ブースで出展する。今回のテーマは「SUCCESS by B&C 〜お客様へ最大限の満足をお届けします〜」。『SUCCESS』とは、S・ソリューション、U・ユーザビリティ、C・コンパクト、C・ケア、ES・エナジーセーブ、S・スピード、これらの頭文字を揃えたもので、ブラザーとシチズン(=B&C)でこれらの顧客ニーズに対応する機械販売を行っていく、というメッセージである。
 同ブースでは3機種の新製品が展示される予定。バリバリシンコムを実現する剛性のある自動旋盤の新型機はもちろん、昨年参入したチャッカー機の新型も展示を予定していると言う。
 同社ではこれら新機種を軸に、自動車部品向けの新規ユーザー獲得を狙っていく。
【小間番号 3E15】




 OSG

 MQL加工と省エネでECOを実現
 タンガロイとの提携によるシナジー効果は確実に出ており、MECTではOSGとタンガロイが共同開発したカッターが出品され、来年早々にはOSGブランドでリリースされる予定だと言う。
 同社自身が、今回のMECTでアピールしたいのは環境に優しいOSGの姿。座ぐり用超硬エンドミルや、超硬ドリル、溝なしタップなどのMQL加工対応製品の動画を使用し、全面に押し出す。
 中でも注目すべきは、ロングドリルだ。OSGと言うと、タップメーカー、あるいはフェニックスシリーズのエンドミルというイメージが強い。
 しかしタップ加工をするためには、当然下穴のドリル加工が必要で、OSGはその技術も長く培い、FTOシリーズなどの超硬ドリルを世に送り出している。
 今回「ドリリング レボリューション 超硬ドリル 新時代の幕開け!」として、超硬油穴付きの新製品FTO‐3D・5Dが追加された。
 このFTO‐3D・5Dは、ウェーブ形状の新刃形により、今まで以上の切れ味を実現し、工具寿命を向上させた。さらに、高硬度の皮膜開発により、ドリル肩部の摩耗を抑制し、中高炭素鋼の加工に威力を発揮する。これらの相乗効果で、安定したスラストとトルク、耐久性を向上させ、安定加工を実現する。
 また、ロングドリルで靭性を重視する場合や、あるいは内部給油設備を持たないユーザーにも対応するため、ハイスのロングドリルも新開発。スラスタードリルTDXLは、深穴用ハイスロングドリルでのノンステップ加工を可能にする。低抵抗の新シンニング形状で切り屑を分断し、スラスト抵抗を半減させる。また、複合溝形状を採用したことで、高剛性と、良好な切り屑の排出性を持たせた。コーティングは新開発のドリル用WXLコーティングを採用し、切り屑排出性と、耐久性の向上を実現した。
 WXLコーティングは耐久性を向上させ、幅広い被削材をカバーできる安定したコーティングだ。2006年11月より超硬エンドミルシリーズを販売しており、各方面から好評だと言う。
 このほか、多彩なバリエーションで、早くて安い、最適なレイアウトを提案する。進化するOSGを目撃できそうだ。(写真:2輪は切断して内部を公開出展。)



 東陽
  「小回りの効く対応」をアピール
 地場の味ある企業を表舞台にーそんなコンセプトでメカトロテックに臨む機械工具商社・東陽は、8メーカーの協力を得て、自社のアピール商品であるマーキングシステム、平成18年度省エネ大賞受賞の畜光防滑製品「アベイラス」を含めて、ブースでの特徴を出していく。
 「メジャーな展示会では見ることの少ないメーカーであり、大手にはない小回りの良さをアピールできれば、他の出展企業へのユーザー様の案内ともども、当社は豊富に話題を提供することができると思う」と羽賀象二郎社長は語る。
 東陽が小回りの利くと推す出展協力企業とその内容は、画像認識装置・測定装置を提案する、デンソー、アイシンなどで実績を積み重ねている立山マシン、省スペース化ニーズに対応するスリムラインフィーダー、Оリング供給装置、ノンスリップ複合フィーダーを出展するナックフィーディング、今年の9月から測定の請負会社としてスタートしたエザットは、三次元測定・ローズ測定を披露、アイシングループに数千台のマシニングセンタの納入実績を誇る西田機械工作所、バリ取りロボットを出展する司工機、ダスキャッチ・ミストクーラント発生装置のグローイング、マシニングセンタの東洋精機工業、画像処理装置・2次元コード読み取りセンサー・プロファイルチェッカーを紹介する松下制御機器。
 「そして当社からは好評を得ているマーキングシステムと工場の床や階段などの滑り止め、安全に役立つ商品の紹介などを行ないたい」
 東陽の今期前半は予想以上に苦戦したという。
 「苦戦の内容は機械設備。マシニングセンタや旋盤、複合機、5軸加工機など、主要な機械設備についての引き合いはあるものの、最終的な値段が折り合わず、なかなか内示にまでは辿り着かない。また、機械設備は海外向けが多いことも国内需要の厳しさに現れている」。
 国内の、特に中部地区のユーザーは「必要だが、買えない」というジレンマに陥っているだけではなく、車のモデルチェンジによって、ある部品は確実になくなり、協力メーカーにとっては、次はどんな部品が登場してくるかという不透明さも設備の判断を迷わせる要因になっていると言えようか。
 「だが、機械設備が厳しい半面、消耗品は堅調に推移している。客先で興味を引く工具を提案すれば、必ず反応があり、総じて高原横ばいの成果をものにしている」と、消耗品の強さが際立っている点を指摘する。ちなみに機械と、工具に代表される消耗品との売り上げ比率は4対6の割合になると言う。
 「今期は東陽単体で800億円以上の売り上げをものにしたい。ここ3年で派遣社員を含めて100人増、全体で600人を超えるマンパワーとなり、営業所では4月の苫小牧、8月の碧南と相次いで新規開設して商社機能の強化に努めてきた」
選ばれ続ける商社でありたいとの強い信念の表れでもあろう。営業所開設の動きは昨年以降、非常に活発化している。
 関連の海外部門はアメリカを筆頭に、タイやチェコ、イギリス、オーストラリアでも売り上げを着実に伸ばしてきている。今回のメカトロテックと今期後半に計画されている「東陽ワンマンショー」を通じてグループでの売り上げは900億円以上、1000億円に迫る商社として、後半の活動を注視していきたい。(写真:3月に行われた東陽ワンマンショー。魅せるショーにも心配りが行き届いており、メカトロテックも楽しみにしたいとろこ)