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ニーテック・ツール(京都・久御山)

  JIMTOF大阪開催最後となった98年、オーストラリアの工具研削盤メーカー、ANCAが日本に「上陸」した。総代理店はシーケービー。以来、07年までに国内でおよそ100台の機械が稼働するまでに成長し、特殊ものならANCA、という評価が定着。そのうえ「できない工具づくりができるようになった」との声も今では多数寄せられる。知名度の点でもここ数年で一挙に上がっているが、その黎明期からANCAの工具研削盤に着目していたユーザーがいた。84年創業の再研工具メーカーの老舗、京都のニーテック・ツールだ。01年に「RGX」導入を皮切りに現在までに「GX7」3台を含め6台設備するヘビーユーザー。リピートを掛ける魅力は何か、高橋義則社長を訪問し、仕事内容とあわせANCA工具研削盤の役割を聞いてみた。
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 京都の大手企業に71年に入社し、集中研磨室、工具管理の仕事に18歳から31歳まで従事した。
 「超硬のロウ付けバイトやハイスのエンドミル、ドリルを扱い、ヤスリのかけ方や鏨(たがね)の打ち方をはじめ旋盤やフライス盤など加工ノウハウを一通り学んだ。独立を意識し始めたのは20代後半からで、再研業としてすでに独立していた『先輩格』の企業の門を叩き、3年ほどお世話になり、独立させていただいた」
 創業は84年。当初は研磨から管理、梱包などすべて1人でこなす毎日。2年後に現工場長の西村三男氏が入社し、研磨の幅にも広がりを持てるようにはなったが、仕事確保の基本は地元、京都のディーラーさんからの受注が中心。現状の工具種はエンドミルを筆頭にドリル、カッタがメインを占める。参考までに昨年10月の取り扱い総数は2万4千本だ。
 「ディーラーさんのサービス業的な仕事が創業当時の再研のあり方だった。エンドミルの研磨の品質が良好という事で、評判を耳にした他のディーラーさんから口コミを通じて声をかけて頂くようになり、仕事が少しずつ増えていった」
 工場主体の再研メーカーであり、営業スタッフは抱えていない。パートを含め社長以下総勢25人で今期の売り上げを3億5千万円に置く。

 技能を技術に置き換えていくための省人化が高橋社長のNC機導入に対する考え方。ANCAの工具研削盤に触れたのは大手外資系企業からのドリルの再研磨を受注するようになったことがきっかけ。今から16年ほど前のことになるらしいが、その外資系企業のビデオを見せてもらっていたところ、工場の様子が映し出され、そこにANCAの工具研削盤が活躍していた。シーケービーが扱うようになる以前のことでもあり、実機を見るには最後の大阪開催となった98年のJIMTOFまで待つしかなかった。
 「メーカーの特徴が出せる再研の方法を常に模索しているが、加えて、すくい角やネジレ角など、お客さんが相手にしている被削材のことを考慮していろいろ工夫してもいる」
 他に不等分割を行なったり、ギャッシュを広げたり、ねじったコーナーRを施したりと、ANCAの工具研削盤ではまさに自由自在だと言う。
 「こんな刃物にしていけばいいのでは?と自分の考える理想的な工具づくりが、まずは3Dシミュレーションを通して、そして実際にトライして製作することができる。例えばアリ溝カッタもいとも簡単にできてしまう。まだ、100%使いきれていないが、ソフトの素晴らしさは他社とは比べられないと思う」

 評価されるのは自由度の高い工具づくりという点だけではない。熱変位の少ないポリマー・コンクリートベッドの採用や旋回軸だけでなく、直線軸および、スピンドルまでもすべてダイレクトドライブモータという、ハード面での優位さにも高橋社長は言及し、結果的に面粗度の高さに直結していると言う。さらに同じボールエンドミルを手がける場合でも他社製なら5分かかるところをANCAでは3分以内でできる、スピードにも魅力を感じているようだが「製作面では諸手を挙げて評価できるが、当社のNC機の基本をアンカに置いている以上、故障部品のパーツの手配で時間がかかってしまうのはやはり考えもの。故障への早期の復旧を願いたい」という要望も高橋社長は忘れてはいない。
 「ものづくりの基本は切削工具にあると考える。加工に見合った工具のデザインをつくる、再研メーカーを今後も地道に追求していきたい」
(写真:現場はまさにANCAファンを特徴づける)